成瀬仁蔵と高村光太郎

光太郎、チェレミシノフ、三井高修、広岡浅子

広岡浅子と御殿場、そして井上準之助別荘、東山荘

2015年07月21日 | 歴史・文化
御殿場新橋(にいはし)に所在した70広岡別荘、71西園寺公爵別荘、西園寺八郎様別荘、72勝又別荘などは、いずれも取り壊しあるいは焼失し、現在、この御殿場箱根線沿いには、大型の飲食店、商業施設、ガソリンスタンドなどが立ち並んでいる。車の往来も多く、昔日の面影はまったくない。
御殿場市は、現在、人口9万人、西に富士山、東に箱根山をのぞみ、冷涼な気候の高原都市である。御殿場市役所のHPをみると、「緑きらきら、人いきいき 御殿場市」とある。
 たしかに景観はよいが、陸上自衛隊の駐屯地が3つ、また本州最大の東富士演習場があり、市の1/3の区域が防衛関連で使用されている。昭和44年、東名高速道路御殿場ICが開通、ゴルフ場が点在し、平成12年、御殿場プレミアムアウトレットが開業している。バイパスや幹線道路には大型商業施設も多く、便利ではあるが、一方、いまひとつ町の性格をつかみにくい。しかし人口減が多い市町村の中で、御殿場市は人口が漸増している。
 御殿場市では、現在、秩父宮記念公園を中心として、東田中、二の岡、東山あたりを文化ゾーンとして位置づけているようである。
 御殿場箱根線を東名高速道路御殿場IC第一出入り口方向へ歩き、東名高速道路の下をくぐると、東田中の交差点につきあたる。一方の角地には、96井上準之助別荘(現・秩父宮記念公園)の塀があり、向かい側の角地には、交番(巡査派出所)がある。このあたりに来ると、現在でも、高原の別荘地の面影が残っている。
 この交差点を基点にして、東山湖方向へ進めば、96井上準之助別荘(現・秩父宮記念公園)、97東山荘、99松岡洋右別荘、旧岸信介首相別荘がある。逆に、裾野方向へ進めば、対山荘の別荘地、111小泉信三別荘、108松本蒸治別荘などがある。そして箱根方向へ進み、バス停・二の岡入口を右折すると、二の岡神社に至る。
 大正8年、西二の岡に「対山荘」という別荘地が売り出されたとき、「小軽井沢の御殿場」というキャッチフレーズが使われている。浅子が死去した大正8年当時、御殿場のこの辺りや二の岡神社、東山湖あたりは、小軽井沢に相応しい高原の別荘地であったのだろう。
 しかしその良質な別荘地も現在では、目抜きの通りに近いところでは、別荘地としてではなく、住宅地として分譲されたり、いわゆるラブホテルが建っていたりして、「小軽井沢」の趣きが後退していることは否めない。






















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