ちょこっと、息ぬき。

「いきいきと、生きていたいね。」

いきいきと、生きていたいね。(10) 

2006-04-12 01:02:52 | Weblog

★アルバイトで生活費を稼ぎ、福祉施設でボランティアをやらせてもらいながら自分の進みたい道を探る生活が始まりました。

 

  学校を卒業し、アルバイトをしながらボランティアをする日々が始まりました。

 

  午前10時から午後2時までは知的障害者の更生施設で過ごし、夕方4時からワープロの入力の仕事をするのが日課でした。仕事の方は、夜の8時に終わることがあれば遅くなるときは午前2時まで仕事をしたりしていました。

 

  要するに下請けなので、仕事の依頼がない場合は比較的早く終わります。しかし、お得意さんから急な仕事の依頼が入ったときは断ることができないので、遅くなっても仕事をやり終えることが求められました。

 

  4月にはいってから大雪が降ったことがありました。いつもは30分ほど時間をかけて自転車で仕事に通っていましたが、さすがにその日は自転車で帰ることができませんでした。仕事も午後10時過ぎまでやっていたのですが、最終のバスの時間も過ぎてしまったのでめったにないことなのですがタクシーで帰ることにしました。

 

  でも駅前にはタクシーを待つ長蛇の列が続き、なかなか自分の乗る車が来ませんでした。1時間を過ぎても自分の前に15人ほどいましたのでわたしは歩いて帰ることにしました。

 

  自分の家まで約10キロ。普通に歩くと自分の足で約1時間40分の行程です。しかし、積もった雪の上は思うようには歩けません。結局、2時間10分か20分くらいだったと思いますが、雪の降りしきるなかをしかもあまり車も通らない大通り沿いを、行きかう人にも出会うことなく歩き続けました。

 

  10時過ぎまで仕事をして、タクシーに並び始めたのが10時半過ぎ。約1時間待って11時半。その時刻から歩き始めて下宿に着いたのはもう午前2時前でした。

 

  2時間も歩いたら、いくら寒いなかとはいえのども渇きます。宿には風呂はなく最高の条件ではなかったのですが、勢いのおとろえない雪を眺めながら缶ビールを飲みました。そのビールがなんとおいしかったことか。20年も前のことですが、その味といい、街灯に映しだされていたよこなぐりの雪が空から落ちてくる様は、大袈裟ではなく昨日のことのように鮮明に記憶にとどまっています。