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かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

オートクチュールな・・・

2005年06月24日 | サポーターの心得
禁煙サポートと一言でいっても、実に幅が広い。
お洋服にたとえて言うなら980円Tシャツもあれば、1着ウン十万円のオートクチュールも。
検診の場で一言「禁煙してください」というのは980円Tシャツ。
専門医による禁煙サポートは一点もののオートクチュールだ。

サービス業のプロというのは、サービスする相手にあわせた心遣いをする。
ホテルのベルボーイにしろ、レストランの給仕係にしろ、ものづくりの職人さんだって、顧客にあわせた臨機応変なサービスがアレンジできてこそ、プロというのものではないだろうか?
だから、ファーストフードやファミレスの一辺倒の接待態度はサービスとはとてもいいがたい。

肺がんが脳転移して放射線治療をしているOさんには二人の息子さんがいて、お二人ともいまだにタバコを吸っている。
Oさんのお父さんもスモーカーで、同じ肺がんで亡くなっている。

「祖父も親父も肺がんだと、自分達もそうなる可能性はありますか?」

『がんの原因がすべてわかっているわけではありませんが、タバコは明らかにがんになるリスクを高めますし、ご家族にタバコを吸ってがんになった方がいらっしゃれば、そのリスクは更にあがるでしょう。禁煙は最も効果あるがん予防法ですよ』

Oさんに、残り時間は短いですよといったかなり厳しい話をしたその同じ席で、ご家族の禁煙をサポートする・・・この痛くも切実な思いが伝わってくれると良いなあと思いながら。
こんな場面での禁煙サポートは、医師として、凛とした態度をとることが重要だ。

今夜は医局のご飯会があった。
ホテルの宴会場で2時間ほど、食事をしながらの歓談。
スモーカードクターが若干名いるが、さすがに会食中に喫煙する人はいない。
会がはねたあと、ロビーでタバコを吸おうとしている若い外科医を見つけた。
去年の忘年会でギター侍をやりながら禁煙宣言したはずなのに・・・
そんなやつにはこんな禁煙サポートが良い。

『とりゃー!何をやっとんじゃー!!』
跳び蹴り、回し蹴りつきのスペシャルバージョンだ
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