邪の道？

邪道というのはあまり好きじゃない。

正当な道をまずはきちんと進み、そのエリアを理解し、そののちに初めて好奇心や研究心といった心の余裕を持ってして行ってみるべき道が邪道だと思っているからだ。

最初から邪道を行ったりすれば、結局のところ道はすぐ行き止まりとなって、開かれてはいかない。
世界を狭めてしまうことになるのではないかと思う。


キモノの着付けも、色々便利な道具(たとえば帯結び器みたいなもの)を始めから使って教える教室もあるらしいが、まずはシンプルに、基本的、正統的な方法で、と教えてくださる先生なので、その点はラッキーだった。


けれど、何度かキモノを着てみていくうちに、ここはこうだったらもっといいのにな…というような、小さな不満や欲が出てくるようになった。

たとえば、衿のあわせ。
キッチリしたいのに、それほど時間がたたないうちに、はだけてきてしまうことが多い。
たぶん、バストと襦袢のサイズの問題なんじゃないかと思う。
きちんと自分サイズにあつらえた袷の襦袢だと、はだけることがないからだ。

今年は、夏用襦袢をあつらえる時間と心の余裕がなかった。


そこでちょっと、邪道をいってみることにした。

その名も「うそつき衿」。
キモノの下に、あたかも襦袢を着ているかのように見せる衿。
ベルトで胸に巻きつける仕組みのなんちゃって衿だ。リサイクル着物屋で試着するときなんかにも使われていたりする。


気仙沼のお店の被災品をネット購入した。
津波で汚れた商品をクリーニングしたものということでかなりお安い値段だったのだけれど、全然問題なし。
クリーニング代や手間のほうが高くついちゃったんじゃないかな？
なんだかちょっと申し訳ない感じ。

一緒に、本麻の足袋やステテコ(！)も買った。
まずは浴衣をキモノ風に見せて着るときにためしてみようと思う。

着る日が待ち遠しいなあ♪