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呼塚の常夜燈 補遺

2020年12月02日 | ぼくのとうかつヒストリア
前回、「呼塚の常夜燈」の記事をアップしましたが、その中で「越中高岡辨山 恵芳尼」という名前が刻まれているはずの場所が劣化のため結局判らなかったと書きました。アップした後で、没になった写真を何となく眺めていると閃くものがありました。

それは、まさに、読めなかった常夜燈裏面の寄付者の地名、氏名のカットでした。その写真は、逆光を考慮して露出をオーバーにし過ぎたため白っぽく飛んでしまったのです。逆に、その方が読める確率が高くなるのではないかと思いついたわけです。早速、その写真を拡大してみました。
しかし、文字の陰影がはっきりせず、劣化がそれに輪をかけていて、いくら拡大しても、文字を判読することはできませんでした。


諦めきれないので、『柏の金石文II』を手掛かりに平面上の位置だけでも割り出そうと試みました。この本は碑文がそのまま活字化されていますので、行を頼りにあたればどうにかなるのではないかと考えました。逆引きです。

これも困難な作業でしたが、目力(めぢから)を頼りに進めていくと、突然、「恵芳尼」の「芳」の文字が浮かび上がってきました(タイトルの写真及び下の[1])。それ以外の文字も、ぼんやりとですがそれらしい文字列と見ることができます。

[1]  [2]  [3]


[1]「☐中高岡☐山☐芳☐」です(☐は判読不能文字)。画像ソフトでもっと解像度を上げる方法もあると思いますが、私の環境ではこれが限界です。

[2]「二合☐☐大☐☐村 嶌村松五☐」(二合半領大廣戸村 嶌村松五郎)

[3]「☐戸 白☐ 近☐与兵衛」(江戸 白山 近藤与兵衛)


この目力式画像解析法(笑)で、それ以外に、私の判断が正しければ、他のこの地方以外の二人の名前も確認することができました(上の[2]、[3])。
まるでパズルでしたが、まあ、めでたし。『柏の金石文』のような基礎資料は地味ですが、素人の私にはまことにありがたい存在です。

偶然からひとつの問題が解決したのですが、次に、この人たちはどのような人たちだったのだろう、呼塚河岸とはどんな関係があったのだろう、という疑問が湧いてきます。しかし、それは私の手に負える問題ではありません。

(2020年10月撮影 Nikon Z 6 / NIKKOR Z 24-70mm f/4 S)


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