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ようこそ、チェロローグ + へ!
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PASiON/mika agematsu

2005年12月10日 | 今日聴いたCD
上松美香のパシオン(キング,KICC 365,2001年9月録音)を聴く。「シェリト・リンド」や「コンドルは飛んで行く」など,おなじみの曲をアルパと呼ばれる民族楽器(ハープ)で演奏している。以前にも書いたことがあるが,アルパのように「琴」系の音楽には文字どおり,琴線に触れるものがある。私は,むろん,チェロが好きだが,アルパをはじめ,チター,ギター,オルゴールのように音が減衰していく楽器も好きだ。いや,むしろ,そんな楽器の方が気軽に聞ける。

擦弦楽器やパイプオルガンは音が持続するので,たまに圧迫感を感じることもないではない。音が鳴っている間は聞いている方も緊張を強いられるからだが,アルパなどではそれがない。勝手に消えていく。そこが気持ちがいい。このパシオンも上松の巧みな演奏で一世を風靡した(と思う)。何せ,この私も買ったのだ。それまで詳細不明だったアルパの音楽がこれだと分かって,ひとつの謎が解けた思いがしたものだ。
さっき,「勝手に消えていく」と書いたが,消えていくと言っても,減衰しながらも他の音と複雑に絡んでいくのであって,その和音は美しい。どこか日本人好みの「さび」のある旋律。そして,歯切れのよいチャランゴなどの民族楽器に彩られて独特の音世界を作っている。1年に何度かは聴く一枚。明るいけれど,どこか淋しさを漂わせるアルパの音色にいつの間にか引き込まれてしまう。


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