<比客船転覆>農薬10トン漏出か 「魚食べるな」と警告
【マニラ矢野純一】
フィリピン中部シブヤン島沖の客船転覆事故で、同国保健省は27日、積み荷で毒性の高い有機塩素系農薬「エンドスルファン」約10トンが海中に漏れ出した可能性があるとして、周辺海域で取れた魚を食べないよう住民に警告した。
沿岸警備隊によると27日現在、死者146人、生存者56人を確認。行方不明者数は660人としている。
<Yahoo Japan-毎日新聞より>
---------------------------------------------------------------------
さてさて、一週間前の台風では、僕の住んでいるセブ市の周辺では、停電、断水、通信不能(ネット及び電話の不通)が断続的には起ったものの、思ったよりも、風雨は強くは無かったので、日常生活に大きな支障は出なかったのです。が、今、僕らの生活に一番の影響を与えているのは、上記の記事の内容かも知れません。
上記内容に、
>周辺海域で取れた魚を食べないように住民に警告
…とありますが、元々、ここフィリピンでは、日本程、産地云々という事がうるさく言われている訳ではありませんし、違法な漁(ダイナマイト漁等々)で漁獲された魚も実は結構出回っている状態の中、だれが、どこで獲った魚かなんて、ハッキリ言えば、追跡調査のしようがないのが実情です。
…と言う訳で、ここしばらくは、ウチの食卓には魚介類が出る事はありえません。(苦笑)
そうした形で、人々の不安が広がり、魚の市場価格が一時的に下がっては、いるようですが、確率が低いとは言え、そうしたモノを食べて安全である保証は何処にもないのです。
また、こうした海難事故は、ある種、毎年恒例、起るべくして起っているようなモノです。それは、何故かと言えば、この国では、何時も、こうした事故の原因究明、責任の追求に、格好だけ、着手したように見せかけて、何時の間にやらウヤムヤにしてしまう体質があるからです。
更には、今回の事故では、犠牲者の遺族には、一律日本円換算で、50万円程度の賠償金(…日本人の感覚からすると安すぎます)が支払われるとの事ですが、これも無条件ではなくて、Voter's ID (投票者証)を持っている人に限るという、馬鹿げた条件をつけているようです。(…実態としては、そんな身分証をもっている人は極少数派ですから、そんな‘すずめの涙’のような賠償金も一体、何人が受け取る事が出来るのか???)
ちなみに、ウチの女房及び家族も有権者ですが、投票者(有権者)証は未だに発給されておらず、女房によると、このIDの発行を政府機関に申し込んだのは、もう既に5年前、2003年の事だったそうです。(…そんな訳で、この船会社は過去に同様の海難事故を5件ほど起こしているようですが、未だに営業を続けており、そして、今回もこれほどの事故を起こしながら、恐らくは見事に責任回避をして、生き残ってゆくのでしょう…まったくもって、つきあいきれない感覚です!)
今回は、化学物質が流出した事で、問題であると皆が戦々恐々としている訳ですが、そうでなくても、フィリピン周辺での、こうした海難事故の後には、特にカニ類の値段が暴落するのが常で、それは何故かと言えば、‘カニ類は死肉を食う’と言う事から人々が、気持ち悪がって手を出さないという事なのだそうです。(…確かに僕にとっても、余り気持ちの良いものではありませんが...)
…ウチの女房によると、先週の事故の後、何らかの海生生物にかじられたと見られる犠牲者の遺体が周辺各地に流れついているとのウワサがあるようで、市場(いちば)で、活きが良くて安いワタリガニ類(1キロ450円程度以下)があれば、必ず飛びつく、大のカニ好きの女房も、今回ばかりは手を出すのを躊躇しているようです。
…毎度、思う事ですが、本当に問題の多い国です。最近の日本も他国の事を嗤う事は出来ないのですけれどね....(苦笑)
しかし、まあ、こうした事が起る度に、ここフィリピンでは、自分の身は自分で守るしかないと痛感します…要は、そうした事業者やオーソリティを信じず、(それら責任を取れないし、取らないで逃げる事が当たり前になっているような連中に身を委ねず)
1.マズいんじゃないかと思ったら、自らの判断で旅行を取り止める
2.安いからと言って、安易に、危ない乗り物には乗らない
3.他の買い物でも、相場に比べて極端に安過ぎるものには手を出さない
…等々の判断を自ら下す事が必要だという事でしょうね。
最新の画像[もっと見る]
- 今、明らかになりつつある事 6年前
- 早起きは三文の徳 6年前
- 事件です... 7年前
- セブの火災から... 7年前
- 決算報告と総会と... 7年前
- 奨学生の手紙 7年前
- 卒業生からの手紙 7年前
- ハッピーエンド(断ち切れた負の連鎖) 7年前
- (自主?)サイバーテロ 8年前
- 半稼働... 8年前
>誰かのコメントに船底の板が薄いとのコメントが
>有りましたがそう言う事は有りません。超音波ガ
>ン又は実際に外板にドリルで穴を開け肉厚を計測
>する場合があります。
…分かりました。やはり、世間に流れているウワサというモノは当てにならないデマも多いという事ですね。
>国内法で過保護の比国資本主義は世界には通用し
>ません。前記の免責ですが出航の可否はウエザー
>サービス等のデーターを当然考慮し大幅な過失相
>殺が行われ保険支払い額は大幅な減額になると思
>考されます。
なるほど!…過去の事故の規模的なものについては、よく分かりませんが、これほど、過失責任が明らかである中、そのままの営業が継続できるのであれば、最早、この国は無法地帯(…実際、かなりそれに近い様態ではありますが)という事になりますね。今後の動向を見守りたいと思います。
国内法で過保護の比国資本主義は世界には通用しません。前記の免責ですが出航の可否はウエザーサービス等のデーターを当然考慮し大幅な過失相殺が行われ保険支払い額は大幅な減額になると思考されます。
元フェリー乗り組み員の話しによると定員オーバーの分の乗船賃は会社と乗組員と取り分が暗黙の了解の上で配分され運航されているそうです。
非常に専門的なコメントを頂きありがとうございました。
…確かに御指摘の通り、現場の職員の質が高かろう筈はない。現在の構造としては、出来る人間であれば、海外へ出る…こうした事ですね。(ウチの卒業生にもノルウェー船籍の貨物船に乗り組んでいる優秀な人間がおりますので、仰っておられる事の意味は分かります)
しかし、後は、(余り期待はしていませんが)政府が、そうした金儲第一主義で起こされた事故に対して、どうした対処をするのか…それによって、今後、こうした同様の問題がまたしても繰り返されるか否かが見えてくるでしょうね。(頻度が落ちるか否かだけの事でしょうが...)
…ただ、医療現場でも何でもそうなのですが、人材の海外流出という現実だけは、如何にオーソリティが音頭をとったとて、一朝一夕にどうにかなる問題ではないし…何とも難しいですね。
>アロヨ大統領(他にも国会議員が多数同行してた
>ようですが…)が外遊を中断して自国に戻って来
>なかった事ですね。フィリピン国民はあまりこう
>言った事は気にしないのですかね~?
…そうですね。その辺りの意識は、為政者側の責任感の低さもあるし、有権者側にも意識の低さがあって、先進各国のレベルから見れば、あまりにも非常識なのですが、これが、この国の‘民主主義’のレベルなのであり、民衆のレベルが上がって、上層部が突き上げられるようにならねば、本当の意味での民主主義は成り立たないでしょうね。
確かに、この船会社は、以前から問題を起こしているし、ごく一部の、まあ、この国としては、かなりマトモな運営をしている会社以外の船には、日本の中古船がかなり入っており、特に船底の強度は新造船に比べて半分以下に落ちている…そして、この国で運行されているフェリー類の大半は‘そうした類’だと言う話を聞いたこともあります。
それを言い出したら建物他の強度だって、そうした建設資材などは、‘国際価格’というものがあるのだから、‘日本の半分以下のコストで出来る’とすれば、‘まともな材料は使っていないから’…と言うのが本当のところで、以前に日本で問題になった‘姉歯住宅’は、こちらの建物の標準よりもずっと上といわれております。
まあ、そんな状況がありながら、(そんな状況を知っていながら)ここに長年住んでいるし、これからも状況が許す限りは居ようかと考えている僕のような人間は、物好き以外の何者でもありませんね。(苦笑)
取り敢えず、僕がここに居る理由は、ただひとつ…そこに仕事があるから…って事になりましょうか....
…まあ、言える事は、ハイクラスのファミリーは、絶対にこうした客船を利用しないでしょうし、メイン客層は庶民層から中流層まででしょうから、この国の構造から考えれば、‘どうでも良い’って事なんでしょうね。
また、色々と情報が入ってきていますが、元来、この農薬も、客船ではなくて、同じ業者が所有する別の貨物船に乗せる筈だったものだそうで、その辺りからしても、こうした中華系オーナーの金儲第一主義がアカラサマになるのであり、こうした連中が政府要人の‘スポンサー’になっている訳ですから、こうした状況での‘民主主義’なんて、‘笑わせるな!!’って事ですね。
ウチにも娘が一人居ますが、あれが成人する頃に、この国は、一体、どうなっているのか…まあ、日比のどちらかは自分の意思で選べる訳ですから、こちらは、どっちにしても良い様に、準備して上げれば良いと思っています。もし、男の子だったら、‘この国を変えるんだ’という大志をもっても良いのですが、男親としては、女の子には、それをさせたくないと言うのは、‘親心’はたまた‘エゴ’ですかね…(苦笑)
で、私が不思議でならなかったのはこんな大事故が発生したにも拘らず、アロヨ大統領(他にも国会議員が多数同行してたようですが…)が外遊を中断して自国に戻って来なかった事ですね。フィリピン国民はあまりこう言った事は気にしないのですかね~?犠牲者の数もさることながら農薬の問題もあるのにね。
日本ならマスコミやら国民にガンガン叩かれるでしょうから、きっとすぐ帰って来ますよね。
一方、農薬流出はそれほど大したことはない時間の問題でしょうね。重油の場合と大差ないし、日本だって、あの水俣湾ですらいつの間にかきれいな海に戻っているのですから。
それにしても、やはり酷い国ですね。一生この国に住む覚悟なんてちょっと尊敬してしまいます。
ブッシュ大統領も北朝鮮を解除する代わりに、フィリピンを準「悪の枢軸国」に指定したら良いのでは?
おまかせください。エレメンタリーの一年生の二回目(落第しました・・)をニコニコ・プカプカ・ぴょんぴょん愉しく学ぶ我息子は、なかなかの大物と観ております。いつの日か、きっと、必ず、人民の先頭に立って・・・でもその前にチャント進級しようね!
記事を読んで、早速カガヤンデオロの奥さんにTELしました。「サカナ タベラレナイ ドウスル?」っていうので、「カガヤンで捕れるちいさな魚にしたらいいじゃん」と云うと、「ウミツナガッテル ドコノサカナカ ワカラナイ・・」「うぅ~ん」っていう答えのでない、いつもの曖昧な夫婦の会話。
>何時の間にやらウヤムヤになって行くという、この国の体質が原因です。
でもVoter's ID (投票者証)がなければ人間じゃない扱いは、流石かな!呆れるばかりの力ずく・・
「●命」が必要なのかもしれません。暴力的な争いはモチロンのぞみませんが・・なにかソックリ入れ替えるような「革●」的な変化が必要なんだろうと思いました。
なんで爆発しないんでしょう?宗教との関連や、歴史の中で形成された国民の気質なんかがあるんでしょうか?ムーブメントとして盛り上がる市民の運動が決定的な変化に至らず、やっぱり富裕層の代弁者がこの国を動かしている。どの国にも、為政者と国民とのかい離はあるんだろうけど、ヒドスギル。
まだ幼い息子よ、少しおおきくなったら考えろ、積極的にこの愛すべき国から逃げ出すか、踏み止まるなら・・なんとかしなさい!
サカナ浮かんだら、取って?売るんかな?