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グリン先生の鍼灸ワールド

広島の鍼灸院
『グリンSHIATSUマッサージ』の院長ブログ。

頭痛は薬では治らない?

2013-04-12 | 頭痛・肩凝り・腰痛・花粉症・風邪 その他

 ここでいう頭痛とは、くも膜下出血のような重篤なものではなく日常的に起こるタイプのものです。

世間でふつう頭痛と言われるものは、偏(片)頭痛と筋緊張性頭痛に分けることができます。

偏頭痛は別名血管拡張性頭痛という通り、脳の血管がなんらかの原因によって拡張するため起こる頭痛です。筋緊張性頭痛はこれまた言葉通り頭及び頚の筋肉の緊張によってひき起こされるタイプの頭痛です。

さてここまで読み進んで、「あれっ?脳が痛いものがないな。」と思われた方はいませんか?そうなんです実は*1「頭痛」とは脳が痛むわけでなく、その周辺の血管や筋肉が痛む症状なのですね。

頭痛の治療薬は、偏頭痛の場合に限っても少なくともこれだけあります。

[予防薬]
1.エルゴタミン製剤 拡張した血管を収縮させる
2. 坑セロトニン薬    セロトニンの働きを抑えて拡張した血管を収縮させる
3.抗うつ薬       うつ状態を改善                    
       
5.Ca拮抗薬       脳血管細胞へのCaイオンの流入を抑える
6.キサンチン製剤    中枢神経系を興奮させる 細動脈に作用し脳血管を収縮させて脳血流量を減少させる

[治療薬]
1.セロトニン受容体作動薬   脳のセロトニン受容体に作用 発作時の脳血管の拡張や神経性炎症を抑える
2. 非ステロイド系消炎鎮痛剤  前々回、近藤医師の説を参照
3.抗不安薬          不安状態を緩和
4.トリプタン系薬剤      10年くらい前に偏頭痛の特効薬として発売されて注目をあびた

 このうち非ステロイド系消炎鎮痛剤、及びトリプタン系薬剤、及びエルゴタミン製剤、あるいはこれらを含む市販の頭痛治療薬、風邪薬の連続服用による「*2薬物乱用頭痛」が最近増加しているといいます。それは特に頭痛の特効薬として華々しくデビューしたトリプタン系製剤が発売された後顕在化したといわれています。

薬物乱用頭痛になった場合、薬をやめれば元に戻ります。「1~2週間は頭痛がひどくなるが、その後は頭痛が減ってくる。気持ちを切り替えることができれば、離脱はそれほど難しいことではない。」とのことですが、不安や鬱がベースにある患者の中には気を紛らわせるために薬を乱用する人もいる。このためいったん離脱しても、4割は再び薬物乱用頭痛に戻ってしまうともいわれています。

偏頭痛の原因は「セロトニン説」や「三叉神経説」、「遺伝説」などがありますが、まだはっきりとはわかっていません(現代医学では)。

自分でできる対処法としては

1.頭を冷やす(決して温めない=脳の血流を増やしてしまうので)
2.カフェインを取る
3.飴など糖分を含んだものを摂取する(低血糖だとなりやすいので)

やってはいけないことは
1.赤ワイン、チーズ、チョコレートの摂取
2.アルコール類の摂取(血管が拡張するため)
3.安静はあまりよくない(むしろ動いている方が楽)

今回は、自分の得意ではない現代医学側からみた頭痛についてあえて書きました。それは以前取り上げた慶応大学医学部の近藤誠医師も言っておられるように、症状(病気)を持っている人はそのことについてよく知り、あなたまかせにしないで(相手がどんなに高名な病院であっても)、自分の治療は自分で選択するという気持ちを持っていただきたいからです。

*1 http://www.naoru.com/zutuu.htm(ナオルコム)
すべての痛みは、脳で感じる。例えば手を切っても、手で痛みを感じるのではなく、手を切ることで手の細胞が傷つき、そこからブラジキニンやヒスタミンなどの『痛み物質』が放出される。それらの痛み物質が知覚神経の受容体に結合すると痛みを感じさせるための神経シグナルが発生する。そしてその神経シグナルは(プロスタグランジンで強化されて)脊髄を上がって脳に入り、中継点である視床を通過して大脳皮質に入る。ここで始めて私たちは痛みを感じる。
ところが脳には痛み物質の受容体がない。そのため脳内で出血や炎症が起こっても痛みを感じることはない。
それなのに、どうして頭痛が起きるのだろうか?
「頭痛」って、何が痛むの?
「会社を休む理由の1番は頭痛なのだそうです。では、頭痛で痛むのは具体的にどの部分なのだろう。「頭」といっても脳や頭蓋骨が痛みを発している訳ではなく、実は頭の筋肉や血管の痛みなのだ。頭痛の診察をする医師は、患者さんの痛みの表現で、頭痛のタイプを判断するという。そして、ほとんどの頭痛は次の2つのタイプのいずれかになるらしい。
1.緊張型頭痛:「ジンジン・ズーン・グー・ギュー」
2.片頭痛:「ズキズキ・ズキンズキン・ドクドク・ガンガン」
(NHKためしてガッテンより)

*2 薬物乱用頭痛の診断基準
①頭痛は一ヶ月に15日以上ある
②1種類以上の鎮痛薬を3ヶ月を超えて乱用している
)月10日以上、トリプタンまたは複合鎮痛薬を使用
)単一成分の鎮痛薬、トリプタンや消炎鎮痛剤の組み合わせの合計で月15日以上使用
③頭痛は薬の飲みすぎで起こったか、以前よりはっきりと悪化している

次回は、東洋医学的アプローチで書きたいと思っています。

参考文献
中国新聞、「ナオルコム」
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風邪は薬では治らない

2013-03-29 | 頭痛・肩凝り・腰痛・花粉症・風邪 その他

この本を持ち出すまでも無く自明のことではありますが、せっかくなので本の紹介を兼ねて取り上げてみようと思います(なんか最近ブックレビューみたくなってきましたが・・)。著者は近藤誠。慶応大学医学部の講師。最近では、「医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法」 [新書] など上梓されてます。

①風邪に抗生物質は無意味

ウィルスに効かない抗生物質を、ウィルスの風邪に使うのは意味がないだけではなくその副作用を考えると害ですらある。主な副作用として、アナフィラキシー反応によるショック、下痢、腎障害、肝障害、白血球減少などがある。

②薬で熱を下げるは間違い

風邪の熱を下げる目的で使われるのが、消炎解熱鎮痛剤と呼ばれる薬(商品名ロキソニンなど)であるが、そもそも熱はウィルスが出しているわけではなく逆にウィルスの繁殖を抑えるため身体が生体反応として熱を上げているわけなので、それを無理やり下げるのは自然の摂理にも反している。事実、解熱剤を用いた場合、風邪などのウィルス性疾患の治癒が遅くなることは研究でも実証されている。
なお、解熱鎮痛剤にも、医師向けの説明書には、ショック、溶血性貧血、白血球減少、急性腎不全、消化性潰瘍、大腸炎などが副作用としてあげられている。

 なお子供に対する解熱鎮痛剤の使用は(市販の物も含め)、慎重を特に要します。重篤な副作用として著名な、脳炎の一種である「*ライ症候群」の恐れがあるからです。

*ライ症候群

「子供がインフルエンザや水ほうそうになり、熱が下がってそろそろ治って来たかなと思う頃に、突然、意識がおかしくなり、ケイレンを起こしたり昏睡し、肝臓の働きも悪くなって死亡することの多い病気である。約35年前にオーストラリアのライという学者が報告した。
アメリカでは、解熱剤のアスピリンに疑いが持たれて調査を実施した。ライ症候群の子はアスピリンを使った子の割合が圧倒的に多かった。アスピリンを使った子はアセトアミノフェンという緩やかな解熱剤を使った子よりも16倍程度もライ症候群に罹りやすいことが分かった。アメリカではアスピリンを徹底的に使わないようにした結果、ライ症候群はほとんど発生しなくなった。
一方、日本でも以前から100人を超えるライ症候群が毎年発生していると推定されている。最近厚生省は「アスピリンの使用とは無関係にインフルエンザ感染それ自体か、あるいは不明の因子が加わることによって発症することがあるように考えられる」として、原因不明のまま研究を終了した。
しかし、この解釈は大変疑問。日本ではアスピリンはもともと使われず代わりにアスピリンよりも強力な解熱剤を使っている。欧米では子供には使わない強力な非ステロイド抗炎症剤だ。自衛のためには、日本のライ症候群の原因として最も疑わしい強力な解熱剤は使わない方が賢明だ。(ナオルコムより引用)
http://www.naoru.com/kyuu-nousyou.htm

それではいったいどうしたらいいのか?という疑問を持たれる方には、「暖かくして安静にして(寝て)いれば治る。」とお伝えしておきましょう。

私の畏友である藪医竹庵先生(ブログ内にあり)は、風邪をひいたので薬をくださいという患者に「家に帰って寝てなさい」と問診だけで帰すそうですが、それでも承知しない患者には点滴を処方する(中身は生理食塩水なので害=副作用がない)。皆さんよく効いたと言って帰られるそうです。

なお手前味噌ではありますが、風の初期には(タイミングが大事)マッサージが大変よく効きます。

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花粉症は薬では治らない

2013-03-15 | 頭痛・肩凝り・腰痛・花粉症・風邪 その他

と、*この本に書いてあります(前回に続き著者は福岡伸一先生)。

 花粉症はアレルギー性疾患の一種で、杉やブタクサなどの花粉が原因となり、くしゃみや鼻水、涙などの反応を誘発する、そんな病気です。
ただ花粉そのものに罪があるわけではなく(細菌やウィルスのような悪さはしないので)、花粉が過剰な反応によりアレルギー抗原となり、アレルギー反応をひき起こしているというのが実態です(だから花粉症には縁のない人もいますよね)。

 花粉症の症状を抑えるための薬は、その多くが抗ヒスタミン剤ですが、それが症状を抑制するメカニズムはこうです。

 まず花粉を異物と認知した身体から、ヒスタミンという信号物質が放出されます。その結果くしゃみや鼻水が誘発されるわけですが、ヒスタミンの信号を感知するために受け手の細胞にはヒスタミンレセプターという受容体が備わっている、そこで抗ヒスタミン薬は先回りをしてレセプターと結合させてしまう。すると信号が伝わらなくなるので症状が出なくなる。

 もし身体が時計仕掛けの機械のようなものであれば話はこれで終わるのですが、私達の身体はもっと精妙にできているので、できるだけある一定の状態=平衡を維持しようとしています。そういう状態にあるものに無理に干渉を加えれば、間もなく揺れ戻しが起きてくる。つまりヒスタミンが不足していると認知した身体は、以前より多くのヒスタミンを生産するようになる。そうするとさらに抗ヒスタミン剤を呑み続けなければならなくなる・・(以下繰り返し)。

 もう一方の花粉症の薬、ステロイドの場合はちょうどこれとは逆のメカニズムが働きます。身体が生産しなくても薬(ステロイド)をどんどん呑んでくれるので、体内のステロイド合成反応がさぼるようになり、薬に依存する身体を作ってしまう。
 
 福岡ハカセはこのような身もふたも無いようなことをよく書いておられますが、本当のことだと思うのであえて取り上げました。
 
ではどうしたらいいかという答えは、1年前のブログに書いておりますのでよかったら読んでみてください。

*動的平衡2
http://www.amazon.co.jp/%E5%8B%95%E7%9A%84%E5%B9%B3%E8%A1%A1%EF%BC%92-%E7%94%9F%E5%91%BD%E3%81%AF%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E7%A6%8F%E5%B2%A1%E4%BC%B8%E4%B8%80/dp/4863240449

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冷えとりの食養生

2012-02-23 | 頭痛・肩凝り・腰痛・花粉症・風邪 その他

 
最近<冷えとり>という言葉をよく聞きますが、東洋医学では<冷え>は取るものじゃなく、作らないようにするものといえるでしょう。

 冷え性が女性に多いというのはよく知られていることですが、その多くは陽虚といって、陽の気が不足することによって起こる症状です。それ以外にも<血虚>(陽の気を運ぶ血が不足している)や、<気滞>(気が滞り陽の気も通らない)が原因して起こるといわれています。

 冷えを取るための足浴や、貼り付けカイロなどは一時的には暖かくなったように感じますが、問題の本質を解決する訳ではありません。冷え症には鍼灸がよく効くことは言うまでもありませんが、今回は自分でも出来る食療法について書いてみます。

<陽虚の冷え性>
 寒がる。腰、手足の冷え。

・韮菜炒蝦仁
 えびとニラのにんにく炒め
・肉桂粥
 シナモンと黒砂糖の粥

<血虚の冷え性>
 貧血(顔色が悪い)、皮膚の乾燥、目のかすみ、手足のしびれ、腹直筋のこわばりなど。

・木耳紅棗羹
 きくらげとなつめのシロップ
・生姜紅棗湯
 生姜となつめのスープ

<気滞の冷え性>
 病気にかかりやすい、むくみ。

・陳皮茶
 みかんの皮を乾燥させたものの茶
・茉莉花粥
 ジャスミンの粥

 棗(なつめ)は、韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)にもよく使われている食材で、なつめの実を乾燥したものです。

参考文献

 <中医食療法>    瀬尾港二ほか 東洋学術出版

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花粉症とのつきあい方

2012-01-27 | 頭痛・肩凝り・腰痛・花粉症・風邪 その他

 つい最近までこのカテゴリーは風邪の記事が1件あるのみで羊頭狗肉状態だったので、これからは少しづつアップしてゆきたいと思っています。

 さてこれからの季節、悩ましく思っている方は結構多いのではないでしょうか?
 
 東洋医学の立場からは、*花粉症は不治の病ではなく、発症を予防することも治すこともできるといわれているのですが、詳細を書くスペースは無いので、今回は症状を軽減する方法を提案してみようと思います。

 その方法とは、

<牛乳と牛肉を摂ることをしばらく控える>

これだけです。

 なぜなのか?理由を説明してゆきましょう。

 一般的に、違う血液型の人の血液を輸血すると不適合反応を起こし、最悪の場合死に至ることはよく知られています。それなら輸血ではなく、口から入れた分には何の問題もないのでしょうか?
 
 血液と乳は殆ど同じ成分からできているという事実は、医療関係者にはよく知られています。血が赤いのは含まれているヘモグロビンの鉄分のせいであり、乳が白いのは含まれている脂肪分が単に白濁している(乳化)してるだけで、白い色素が含まれているわけではありません。
 
 花粉症の症状は抗原抗体反応により起きているのですが、異種の動物性蛋白を日常的に摂取していることが、免疫機構(免疫グロブリンE(IgE))の過剰反応を誘発することは十分考えられることです(経験的に、このことは間違いないように思います、以前同じような趣旨の記述をされているDrのHPを見たことがあります)。

 なぜ牛なのか?それは人は、ふつう牛以外の乳を飲むことは稀だからです(あと人の遺伝子と牛は近いから、という説もあります)。

 ただ、牛肉はともかく、ミルクを含むものは世の中には実に多く(ケーキ、リッチなパン、チョコレート、シチューetc.etc)やり遂げるのは容易ではありません。間食などはほぼ和菓子系に限られるでしょうし・・。

 しかしながら、完遂した人には素敵な副作用が待っています。

 それは<綺麗になれる>ということ。

 花粉症のような激烈な症状は出なくとも、そのような人は日常的に副鼻腔に炎症を起こしていると考えてまず間違いありません。そのため本人は気づいていなくても、眉や頬、鼻の脇あたりがむくんだり腫れたりしているのです(花粉症が出ていなくてもそういう人は結構多い)。

 そこらあたりが引き締まると、顔は驚くほど変化します。特に眼窩上縁の下あたり(上まぶた)がすっきりすると、全然顔が変わります。

 どうです、やってみる気になりましたか?
 
 期間は今からなら最低4月頃まで、できれば4ヶ月間をお勧めします。
 
 顔といえば顎の関節に問題のある方は結構多く、炎症のためにコリができ、エラが張って顔が大きく見えて損をしている女性は少なくありませんね(なぜか女性に多い)。原因はストレスにあるといわれていますが、これも比較的簡単に改善できます。

しかしながら紙幅が尽きましたので、この件はまた次回に。

では、お大事に。

*参考文献 「中医学による花粉症治療」 原田浩一他 源草社

写真脚注 花粉症やアレルギー性鼻炎の人は、<迎香>というツボのあたりにコリができます。

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