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グリン先生の鍼灸ワールド

広島の鍼灸院
『グリンSHIATSUマッサージ』の院長ブログ。

祝島お接待と平さんの棚田

2012-10-12 | グリン通信
 最近春と秋に定例となっている、祝島のお接待に行ってきました。

 また今回も多くの皆さんにご来場いただき、早川千晶さんに送るアフリカ基金にもたくさんのご厚志をいただきました。祝島の皆様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 さて3日間の中日、忙中閑ありで男子だけで祝島の名所ともいえる「平さんの棚田」に行きました。その時たまたま居合わせられた平さんから直接話を伺うことができたのですが、このまるで大阪城の石垣を彷彿とさせるような石組みは(5段くらいある)、もともと明治10年生まれの平さんのおじいさんが、家族と共に原野を切り開き一代で築き上げた物とのこと。もちろん機械など無い中で人力でです。

 おじいさんはさらに知り合いの大工さんにも手伝ってもらって、棚田のそばに建っている家も作ったとのこと。下の写真はその部屋の中を写したものですが、たぶん一辺が2mもない、鴨長明の方丈記もかくやと思われるそんな小さな部屋にいろりと竃(かまど)が設えられており、今でこそ耕運機やカブに乗って棚田まで通勤(?)しておられるのですが、以前おじいさんはその部屋に泊まりこんで農作業をしておられたとのことです。

平さんは、いずれ遠からぬうちにまたここも原野に還るだろうと言っておられましたが、島の文化遺産ともいえる棚田を、なんとか守っていけないものかと帰る道々考えました。

写真上
平さんと棚田。平さんが背負っているのは、祝島特産のびわ茶に使うびわの葉。ちなみに祝島のびわ茶は完全無農薬だそう。
写真中
そばに建っている家の一室。本当に小さい。
写真下
今回のメンバーと、島でいつもお世話になっている国広さん、岡本さん、邑津さん(前列右より)。
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レレレのおじさん?

2012-10-02 | グリン通信


最近よく伺っている出雲から、程遠からぬ場所(平田市)にある一畑薬師(*)にお参りに行ってきました。

 一畑薬師は目の病気に霊験あらたかといわれる全国的にも有名な臨済宗のお寺で、その真言はお薬師さんなので「オンコロコロセンダリマトオギソワカ」です。

この寺の広い境内にお釈迦様の弟子達の立像がずらりと並んでいますが、その中に注茶半諾迦(チュダハンタカ)という弟子の像があります。

この人はもともと自分の名前すら覚えられないくらい愚かな人だったのですが、ある日お釈迦様から箒を渡され掃除に勤しむように言われ、その教えの通りひたすら掃除に励んだところ、いつしか悟りを開くまでになったといわれている人物です。

この人こそが、あの赤塚富士夫の有名なギャグ漫画「天才バカボン」に出てくるレレレのおじさんのモデルであるとのこと(これはしっかり像の説明に書いてあります)。

 世の中は広い、まだ知らないことはたくさんありますね。

 ちなみに、バカボンは梵語(サンスクリット)の薄伽梵(バキャボン)からとったとの説があります。

*一畑薬師のHP   http://ichibata.jp/

レレレのおじさんを知らない方はこちらの画像にて
http://www.youtube.com/watch?v=kMxF7teTqnQ

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「独立国家の作り方」坂口恭平

2012-08-31 | グリン通信


 最近読んだ本の中で、久しぶりに高揚感を持てた本があったので紹介します。
 みだしの通り、*1坂口恭平さんの書かれた本です。

 坂口さんは大学の建築学科を卒業していますが建築家ではなく、本を5~6冊上梓しておられますが作家という風でもなく、ドローイング(鉛筆などを用いて描く単色の線画)を発表してますが画家というわけでもなさそう・・・。かといって、マルチ人間と言っても少し違う。ただ、彼のやっていることは首尾一貫していると思いますが・・。
 
 彼が最初に世に問うたものは、よく河川敷や公園などにブルーシートなどを材料に作られた家がありますが、そのような家や作った人を取材した「0円ハウス」(元々は大学の卒論として作られた)という題名の本です。その後も多少の振り幅はあったとはいえ、まあまあその路線だったので、今回の突然のテーマに驚いた読者も少なからずいたと思われます。

 しかしながら、「0円ハウス」は福祉的な観点や、ましてや憐れみから発想したものではなく、彼の専門である建築としての面白さを元に出発したものでした。しかもただ建築としてユニークとか言う前に、彼の関心はその建物を設計し(設計書はなかったとしても)、建築した人の価値観や人生観に向けられていました。今回のテーマは「0円ハウス」で彼の言いたかったことを突き詰めていけば、ある意味当然の帰結という風にも考えられます。それは月並みな言い方ですが、価値観とかパラダイムの転換とかそういったような言葉で言い表すこともできるかもしれません。

 この本の中で坂口さんは「態度経済」という言葉を使っています。この言葉を文章で説明するのは簡単ではありませんが、代表的なエピソードを紹介することである程度理解が可能です。それはこんなエピソードです。

 「あるとき信頼しているカナダのキューレーター(学芸員)から、所属している非営利のギャラリーの活動費を調達するためのオークションに作品を無償提供してくれとの申し入れがあった。彼はその時自分の一番気に入っているドローイングの作品を贈った(以前彼のドローイングは50万円で売れていた)というもの。一般的にこのような場合、比較的軽い物で済ます人が多い(実際、他の人の提供したのはだいたいそのようなものだった)。それなのに彼は自分が一番自信があるものを贈り、それはその後40万円で落札された。」
 
 ここでのポイントは、相手が信頼している人であることと、相手(金)により態度を変えるなということでしょうか。

 まったく同じではないかもしれませんが、私も似たような経験があるので紹介しておきます。
  
 このブログでも時々紹介してますが、私達(クラブの後輩達と)は3年前から山口県の祝島という離島で、年に1~2回鍼灸マッサージのボランティア(お接待と称してる)をやらせていただいてます。祝島は坂口さんの本でも紹介されてますが、上関原発の建設予定地のまん前にある島で、殆どの住民が原発に反対している、唯一の交通手段である船が1日3往復しかないそんな孤島です。

 そこに交通費自腹、手弁当で(交通手段上必ず一泊以上になります)伺うのですが、その際に後輩達(プロも学生もいます)に必ず念を押すことがあります。それは、「無料でするからといって、決して手を抜いてはならない。むしろ普段以上に一所懸命やりなさい。」ということ。最近では毎回30名を越える方がいらっしゃるので、戦場のような慌しさですが、そんな訳でか祝島のみなさんには毎回喜んでいただいているようです。

 その際無料では申し訳ないという方がいらっしゃるので、会場にアフリカの子供達を支援する募金箱を置いたところ、1万円札が入っていることもあり私達も驚きました。

 その尊い浄財は、ケニアのアフリカ最大ともいわれるキベアスラムで、身寄りのないストリートチルドレンのため我が身を捧げて頑張っている友人(と私が勝手に思ってる)の早川千晶のもとに送られ、1人の子供が20円で1日生きながら得るための支援金として使われています。

 「態度経済」とはこのようなことなのか、一度坂口さん本人にお聞きしてみたいものです。

 なお手弁当とはいえ、民宿国広の国広さんのご好意により、祝島での会場・宿泊など無償提供いただいていることを申し添えます。それから、毎回我々のために新鮮な獲れたての魚を届けてくださる漁師の*2岡本さんのことも・・。


 *1 坂口さんのプロフィールについては、 www.0yenhouse.com/ 本人の公式ホームページを参考にしてください。
        
 *2 鎌仲ひとみ監督「蜜蜂の羽音と地球の回転」に出演。世の中つながってますね。

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祝島でお接待

2010-11-28 | グリン通信


10月の連休にクラブの後輩たちを連れて祝島に行き、マッサージとハリ灸のお接待
(簡単に言えばボランティア)をしてきました。
「お接待」ももう5年目、祝島でも2回目となります。

我々に場所を提供してくださった国広さん、新鮮な海の幸を採ってきてくださった
漁師の岡本さん(写真上真ん中)本当にありがとうございました。