2009.5.23.18:00 シアターBRAVA!
幕前にいきなり登場する自称神様(廣川三憲)が本作を象徴する。うす汚れたどう見てもホームレスの立ち小便男が「自分は神様」だと名乗り、物語の開始を告げて狂言回しを務める。そのうさんくささに自ら言及してシュール感はさらに増す。ひと筋縄ではいかぬ印象をのっけから抱かされ、観客は驚くしかない。つまり、演劇が
そもそも虚構であること、現実もまたさまざまな二重性に満ちていること、その事実を冒頭であっけらかんと開示されたことにだ。あっけに取られた観客は、否応もなく屈折した笑いとシリアスなテーマが入れ乱れる物語に引きずり込まれる。 . . . 本文を読む