ちっちゃんの十四時喫茶

小さい頃から十四時という時間が好きです。うとうとと、幸福感に包まれるような…☀️

色恋沙汰〜林檎の歌詞世界に迫る〜

2022-05-19 09:02:00 | 椎名林檎の歌詞

どうも、ちっちゃんです。

今回は、ちっちゃんのフェイバリットアーティスト、椎名林檎氏の歌詞世界に迫っていきたいと思います。

今回取り上げるのは、2009年6月発売の椎名林檎名義のアルバム、「三文ゴシップ」に収録されている「色恋沙汰」という曲です。

まず、こちらが歌詞の全容です。

 

色恋沙汰

空低く雲携え

木々の肌匂わせている

火照った頬に若葉が切絵を映して

これっきりの日とあなた

 

空深く雲黙らせ

海の肌撫でつけている

翳った指に籠る温もりを隠して

これっきりの夜とあなた

 

噫!

世界とまさに出会そうとしている

二度と来ないわたしの今日

二人と居ないあなたの所為

 

空遠く雲藍染め

今の肌通わせている

乾いた口に淀む言の葉を焦がして

潤んでは出合う眼差し

生きているわたしと

これっきりの今日とあなた

 

 

それでは、細かく見ていきましょう。

 

空低く

しょっぱなのこの言葉に注目してみした。

空が高く感じるのは秋です。

では低く感じるのは?

母がよく、「空が~とっても~低い~♪」と口ずさんでいる、ユーミンの「ベルベットイースター」が思い浮かびます。

イースター(復活祭)は、イエス・キリストの復活を記念するお祭りで、2022年は4月17日(期せずして「シイナ」の日!)だったようです。

この歌詞もそのあたりの季節感が描かれているのでしょうか。

読み進めていきましょう。

 

火照った頬に若葉が切絵を映して

若葉、という言葉。これは初夏の季語のようです。

初夏は5月から6月ごろ。

ここの歌詞、ちっちゃん、個人的に、大好き・・・。

ちっちゃんの解釈を申し述べさせていただくと、(笑)

ぽかぽか暖かいひざしのもと、新緑の木の下で、健康的に赤らんだ頬に、木の葉の影が映っている。

そんな情景をちっちゃんは思い浮かべます。

なんて美しい表現なんでしょう。若葉が切絵を。

 

翳った指に籠る温もりを隠して

翳る(かげる)は陰ると同じ意味のようです。

広辞苑先生によると

①日や月の光が雲にさえぎられて弱まる。曇る。

②日ざしが夕方になって弱まる。薄暮となる。

③表情が暗くなる。勢いが衰える。

次に続く言葉が、指、なので③あたりでしょうか。

隠す、という言葉も調べてみました。

①何かの陰になるようにする。

②葬る。

③人に知られないようにする。

④事実を偽る。

・・・確かに。よく使う言葉ではありますが、意味を説明しようとすると4つにも分けられるんですね。ちっちゃん、なんだか妙に納得していしまいました。普段、辞書をそんなに引かないので(;'∀')

話を戻すと、隠す、という言葉。温もりを、という言葉に続いているので、③の知られないようにする、あたりでしょうか。

照れ隠し、に似たようなニュアンスだと感じます。


これは、ああ、と読み、嘆きの声、驚きの声を表しているようです。


雲藍染め

この表現も、好き。

藍染まった雲、ってどんな雲でしょうか。

藍は、染料だけでなく薬草としても世界各地で重宝されている植物のようです。

藍染めはその染料を使った染色方法です。

藍染まった雲。

ちっちゃんは雲一つない快晴のことかな、と考えました。

白い雲が空の青に染められちゃった!みたいな。

 

乾いた口に淀む言の葉を焦がして

潤んでは出合う眼差し

まず、この2行の言葉の意味を調べました。

乾く、の意味。

①熱などのために水分や湿気がなくなる。

②うるおいがなくなる。感情がなく、冷淡な感じを与える。

淀む、の意味。

①流れる水がとどこおってとまる。

②事がすらすらと進まない。

③ためらう。

④水底に沈んでたまる。沈澱する。

⑤とまって動かない。

言の葉、の意味。

①ことば。

②和歌

言の葉、という言葉は古今和歌集にも登場している言葉のようです。なんとなく、もうちょっと最近にできた言葉と思ってました!

焦がす、の意味。

①火で焼いて黒くする。

②たきものを煙でくすべる。

③心を苦しめる。思い悩ます。

潤む、の意味。

①(打たれ、またはつねられて)皮膚が青黒くなる。

②色や形があざやかでなくなる。

③しめりけを帯びる。

④涙声になる。

ほぉ。潤む、という言葉には③のしめりけを帯びる、というイメージしかなかった。

ここでは、出合う眼差し、と続いてるので、③の意味でしょうか。

(①の意味だったら狂気を感じます・・・(笑))

目は心の窓、といいますから、目が潤んでる、というのは心が潤んでいる、しっとりとしてる、ってことでしょうか。

戻って、乾いた、から見ていきましょう。

乾いた、と、次の行の、潤んで、が対になっているようなので、この乾いた、は①の熱などのために水分や湿気がなくなる、でしょうか。

②の感情がなく、っていうのはここの歌詞と合わない気がします。目は潤ってますからね。

淀む言の葉、は、ためらう言葉、といったところでしょうか。

焦がす、は③の思い悩ます、でしょうかね。

ちっちゃん流解釈でこの2行を読むと、

言いたいことをどう伝えようかと思いを巡らせていたら、口の中がぱさぱさしてきちゃった!あなたの方を見るとしっとりとこちらを見てくれている。

そんな感じでしょうか。

 

すがすがしい初夏の光景と恋人同士の甘酸っぱい情感が美しく描かれている歌詞だなあ、と改めて感じました。人と自然が重なる刹那が切りとられている、というか。

最後に、タイトルの、色恋沙汰、の意味を調べてみました。

男女の関係、恋愛や情愛などに関する事柄。多くの場合は揉め事を指す。

・・・Σ(゚Д゚)

なんか、ドロドロしている・・・。

林檎氏のこういう、一筋縄ではいかないところ、好きですよ。