「宿題はしたのか?」
ゲームばかりやっているので、少し険しく問うた。
返事がない。
「宿題はどうしたって聞いているんだ」
息子は、面倒くさそうにゲームの手を止めて、目を閉じて両手を耳に当てた。
「もう一度、言ってもらえますか」
(?)
「宿題はやったのか」
「ワッ、ワタシはーっ、高齢者のためにーっ、ぜっ、ぜっ、全力でーっ」
(あれか!)
「いっ、今の日本をーっ。ぐわぁぁー」
思わず、吹きだしてしまった。
「写真を撮らせてくれ。うますぎる」。もう、叱るどころではない。
両手を耳に当て、目を閉じている姿を撮影すると、息子もノリノリで、ゲームも宿題もなしで物まね大会になってしまった。
いま、息子の同級生の間では「ののむらぎいん」が「必殺技」らしい。都合の悪いことを聞かれたときに逃げるのに便利なうえに、友達の気分も害さないという。
確かに、怒る気が瞬時に失せる。
「ちょっと古いって言われるけど、すごく効き目があるんだ」
確かに。
なんだか、うまくはぐらかされたけど、ちょっと幸福。流れで、ゲームはやめたし。
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