安倍首相の真珠湾訪問に際し、ジェニファー・リンド教授のように、『謝罪しても和解に繋がらない。寧ろ逆効果。和解し合って初めて、相互訪問が実現する』と明言する学者がいる一方、『真珠湾に行くなら中国、韓国にも行って謝罪しろ』と、いつまでもネチネチと嫌がらせをする連中もいる。オバマ大統領が広島を訪問した際、「国家と謝罪」というまとめを作り、「謝罪」こそが国家間の和解を阻む最大の障害であると書いたが、世の中には日米が和解しては困る人々も沢山いる。今回、オリバー・ストーン監督ら、主に海外の学者たち53名が安倍首相に公開質問状を出した。要は、首相の保守的な歴史観を質し、中韓などにも謝罪しろ、といった内容だが、リベラル学者が徒党を組んで、声明や署名の形で圧力をかけるのは、今回が初めてではない。
歴史学者・家永三郎の教科書裁判や、家永をノーベル平和賞に押す署名活動(2001年)など、家永らの反日左翼な歴史観を支持する国内外の学者たちが連帯する傾向が連綿とあり、ネットの発達により相互連絡が簡単になったこと、大学の左傾化が国内外で顕著になったことにより、徒党を組んでは外圧をかけることが多発するようになった。
最近では、2015年5月、安倍首相の米国議会演説のタイミングに合せて、187人の学者たちが「日本の歴史家を支持する声明」を発表した。事情をよく知らない日本人から見たら、欧米の学会が一致団結して日本に牙を剥いたかのような不気味さがあったが、主導しているメンバーの繋がりや日頃の政治活動を分析すると、こうした動きが発生するメカニズムが鮮明に見えてくる。
まず、今回の質問状に署名した53人の名前と活動歴を見てみよう。
「9条科学者の会」呼びかけ人
著書『昭和天皇』で天皇を好戦的に描き物議を醸す
『ジャパン・フォーカス』寄稿多数
原爆問題でカズニック教授と共著
国際平和ビューロー(IPB)とは、平和活動NGO
日本からは、原水禁、原水協などが参加
在日コリアン問題研究
日本の戦争責任資料センター研究事務局長
BC級戦犯裁判、慰安婦問題、沖縄戦研究
共著『女性国際戦犯法廷の記録』』
元朝日新聞記者・植村隆の米国講演を企画
沖縄戦跡ガイド
元ベトナム反戦活動家
沖縄反基地活動
「かごしま9条の会」
カズニック教授と共著
慰安婦問題研究
オロバー・ストーン監督と『もうひとつのアメリカ史』制作
反原発運動
米国在住の在日韓国人団体 「エクリプス・ライジング」
慰安婦問題活動家
無防備地域宣言運動全国ネットワーク呼びかけ人
在日朝鮮人人権セミナー事務局長
のりこえねっと共同代表
沖縄反基地活動家
シールズの黒幕
「9条の会・さいたま」呼びかけ人
共著『女性国際戦犯法廷の記録』』
ピースボートの水先案内人
家永三郎らに師事
教科書問題
ハワイ州カウアイ生まれの沖縄三世
沖縄芸能研究
在日問題研究
アジア太平洋資料センター理事
日本平和学会元会長
共著『女性国際戦犯法廷の記録』』
53人のうち、大部分は大学教授および講師だが、一部そうではない人物も含まれる。マクニールのように、本職はジャーナリストなのに、わざと副業である大学非常勤講師の肩書を使っているケースもある。 何れにせよ、大学やジャーナリストの肩書を隠れ蓑にした左翼活動家と言って過言ではないだろう。彼らが関与する政治活動は以下の通り。
- 護憲、9条の会
- 歴史問題、教科書問題
- 慰安婦問題、フェミニズム
- 在日問題、反差別
- 反核、反原発
- 沖縄反基地
更に重要な点は、反日論壇ジャパン・フォーカスの関係者が極めて多いということ。ジャパン・フォーカスを運営しているのは、12人のエディターたちだが、今回の質問状には、その内の8人が参加している。エディター以外の署名者の中にも、ジャパン・フォーカスに記事や論文が転載されている学者が多くおり、この組織の人間的な繋がりにより、質問状への同意や署名が進められているのだろうと推測される。エディターの一人である、テンプル大学日本校教授のキングストン教授は、今回の質問状に署名していないが、毎週寄稿しているジャパン・タイムズで、安倍首相の真珠湾訪問を口汚く罵る記事を載せているので、別の形で援護射撃をした格好になっている(キングストン教授のジャパン・フォーカス寄稿)。
前回、187人の声明の時は、ダデン教授とサンド教授が主導していたが、今回の質問状にはダデン教授のみ参加している。質問状が発表される直前には、ジャパン・フォーカスのエディター、乗松聡子が沖縄反基地活動家・山城博治の釈放要求声明などを連発していたことに鑑み、今回の質問状も乗松が主導したのではないかと推測される。乗松は、オリバー・ストーン監督やカズニック教授の沖縄訪問に同行したり、カズニック教授と共著を出す関係。
サンド教授は東洋経済とのインタビューで、安倍政権に圧力をかけるよう何度も依頼してくる日本の政治学者について言及している(その人物は187人声明の時は署名に参加せず、蔭にかくれていた)。多分、上智大の中野晃一教授のことだろうと思われる。今回は、開き直ったのか、署名に参加している。
今回の53人の名前をよく記憶しておけば、今後、頻発するであろう声明、署名、質問状のたぐいが、実は全く同じメンバーによって行われていることがすぐに分かるようになるだろう。欧米のリベラル学者たちは、大学でマジョリティを占めることに成功したかもしれないが、Brexitや米大統領選で判明した通り、必ずしも欧米世論全体の担い手ではないことは明らかである。名前を載せる程度の署名なぞ、何百人集めようとも、恐れるに足らないということである。
【追記】
安倍首相の真珠湾訪問に関するガーディアン紙・マッカリー記者の記事に、上で紹介した中野晃一教授とキングストン教授の二人が安倍首相を批判者するコメンテーターとして登場する。マッカリー記者だけでなく、エコノミスト誌のマクニール記者も、他の外国人記者も度々、この二人のコメントを記事に使っており、海外報道における影響力はかなり大きい。これは、記者であると当時に、ジャパン・フォーカスのエディターでもあるマクニールが、外国特派員協会の記者会見部門を長い間、牛耳ってきたからで、外国特派員協会そのものが、ジャパン・フォーカスの広報機関と化している。日本語の能力に難のある外国人記者にとっても、ジャパン・フォーカスに掲載される英文記事は手っ取り早い情報源になっている。単なる左翼教授の親睦団体だと見くびるのは大間違いでしょう。
安倍首相の真珠湾訪問に関するガーディアン紙・マッカリー記者の記事。全体のトーンは、日米の和解演出を肯定しているものの、中野晃一やキングストンの安倍批判コメントを使い、相変わらず「性奴隷」だの「歴史修正主義」などの単語も登場する。https://t.co/9wBCU0ILBD
— CatNA (@CatNewsAgency) 2016年12月26日
一方、ニューヨーク・タイムズは、キングストン教授とダデン教授のコメントを使用。
安倍首相の真珠湾訪問に関するNYT東京支局長の記事二本目。これもキングストン教授とダデン教授のコメントを使っている。ジャパン・フォーカスの一味ばかり。ダデン『アベは南京とソウルにも行け!』。保阪正康も登場。『安倍のスピーチに注目』。https://t.co/5mnFUZ1AIw
— CatNA (@CatNewsAgency) 2016年12月26日
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