CASA 地球温暖化の国際交渉

地球温暖化に関する国際会議の開催期間中、現地から参加レポートをお届けします。

COP14・CMP4 ポズナニ通信 2(12/4)-4

2008年12月05日 | COP14・CMP4
◆日本が3日連日、化石賞を受賞

12月2日 アンブレラグループとして第3位の化石賞

  

 日本はアンブレラグループの一員として化石賞の第3位を共同受賞しました。アンブレラグループというのは、非EUの先進国で、オーストラリア、カナダ、アイスランド、日本、ニュージーランド、ノルウェー、ロシア、ウクライナ、アメリカなどがこのグループに属しています。

 受賞の理由は、アンブレラグループがAWG-LCA とAWG-KPの合同セッション(joint session)を提案したことです。確かに、AWG-LCA とAWG-KP の議題や検討課題には、共通するものが多いことは事実ですが、このような提案は途上国に、AWG-LCA とAWG-KP の議論を一緒にすることで、途上国に、途上国に新たな約束について議論しようとしているのではないかと警戒させることになり、交渉を進めることにはならないからです。

12月3日 化石賞で1位と2位

  

 2位の受賞理由は、12月2日のAWG-LCAのワークショップで、日本政府の代表が行った報告に対する中国に質問に対する回答に対して与えられました。中国の代表が、「日本の安倍首相の提案しているクールアースには、ライフスタイルの改革が提案されており、そのなかでシャワーの時間を減らすことが提案されているが、世界にはまだシャワーなどを使えない多くの人がいるのではないか?」と問題を提起したのに対し、日本政府の代表が個人的な例としながら、「私はシャワーとお風呂が好きで週末には1日7回は使うが、これを3回に減らす」と発言したことが問題とされたものです。途上国政府から、「シャワーを使えない人がたくさんいる」と指摘され、「自分は7回を3回に減らすからいいだろう」とは、先進国の奢りと受け取られてもしかたがありません。「では、先進国はせめて1日1回のシャワーにしたらもっと減らせるだろう。先にそれをしろ」ということになり、交渉の進展を妨げることになりかねません。

 1位は、12月2日のAWG-LCAのプレナリー(全体会)での発言に対するものです。日本の「2050年に50%削減目標」の提案について、その目標の拘束力と基準年について聞かれ、「目標は拘束力のないもので、基準年は1990年レベルではなく、“現在のレベル”」でと答えたことに対して贈られました。「そのような弱い目標では、日本では海面上昇により、四六時中使える塩水の風呂ができ、まったくシャワーは必要が無くなる。」と皮肉られています。



12月4日 カナダ、ロシアと化石賞1位を共同受賞 

 

 日本はカナダ、ロシアと共同で化石賞の1位を受賞しました。この3カ国は、2013年以降の削減目標の議論に直結する、2020年の中期目標を明らかにしていないことが受賞の理由とされています。


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