ケアトリハ

介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。

片足立ち持続時間の目安

2020年03月04日 | リハビリ・医療
今朝も、いつも通りに目覚め、いつも通りに朝食を摂り、いつも通りに朝の支度を済ませて一日を過ごし始めている方が、多くいらっしゃると思います。 いつも通りと違うのは、ここしばらく続く新型コロナウイルス感染症によって生活が激変しているところでしょうかね…。

明日もいつも通りの生活を過ごしていくためには、やはり病気やケガを予防し続けることが重要です。
たびたびお伝えしていますが、介護が必要になる原因には「認知症」、「脳卒中」などありますが、「転倒→骨折」、というケースも多いです。 特に、「転倒→骨折」は、「認知症」や「脳卒中」と違って、血管の病変が徐々に進んできた結果…というよりも、全身の筋力やバランス能力が徐々に低下してきた結果、ちょっとしたきっかけ(小さな段差、歩行中のちょっとした不注意など)で転んでしまい、打ちどころが悪くて骨折してしまう…というケースが多いようです。

徐々に全身の筋力やバランス能力が低下する…と書きましたが、何がどのくらいできなくなると筋力やバランス能力の「低下」となるのでしょうか?
筋力は、以前のブログで「下肢筋力」を簡単に測定する方法をお伝えしました。 今回は、バランス能力を簡単に判定する方法をお伝えいたします。

日本整形外科学会は、高齢者で、歩行・移動の能力の低下のために転倒しやすい、あるいは閉じこもりとなって日常生活での障がいを伴う疾患のことを「運動器不安定症」と提唱しました。

運動器不安定症の診断基準のうち、運動機能として「開眼片脚起立時間:15秒未満」、または「3m Timed up-and-Go Test(TUG) : 11秒以上」と具体的な数値で示しています。

今回は、この2つのうち、「開眼片脚立位」について、お伝えします。 実際にご家庭でも実施してみてください。 ただし、転んでしまう危険性がありますので、くれぐれも気をつけて実施してくださいね。
TUGについては、また後日、お伝えします。



●靴、または素足で滑らない配慮のもと、しっかりした床の上で行います。 転びそうになったらすぐにつかまれる物のそばで実施します。 万が一に備え、誰かに支えてもらえる状況でも結構です。
●両手を腰に当て、片足を床から5cmほど挙げ、その姿勢で立っていられる時間を測定します。 大きく体が揺れて倒れそうになるか、立っていた側の足がずれてしまうか、挙げた足が床に接地するまでの時間を測定します。
●1~2回練習してから、左右それぞれ2回ずつ測定し、最もいい記録を選びます。 最長で60秒程度できればそこで終了してもらって結構です。

同ホームページ内で基準となる時間を提示しています。 埼玉医大の坂田先生の調査(2007年発表)を紹介し、各年代の平均値は次の通りでした。
・60歳代 平均44秒
・70歳代 平均31秒
・80歳代 平均11秒

また、転倒した人達のうち、75歳の男性は平均18.4秒、女性は平均16.8秒でした。

運動器不安定症の診断基準として挙げられたカットオフ値(正常値と異常値の境界値)の15秒は、坂田先生の調査結果に相当する値であった、としています。

日本整形外科学会のホームページで、以上のことを紹介しています。 興味のある方は、一度ご覧になってください。 こちらから移動できます。

片脚立位、いわゆる片足立ちは、診断にも使えるテストであり、同時に繰り返し行うことでバランストレーニングにもなります。
安全な環境を整えたうえで、毎日少しずつ片足立ちトレーニングを実施することも、転倒予防の一つとなりますね。 ご無理のない範囲で、コツコツ実施してみてください^-^


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