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「バランスがいい」とは?

2020年03月06日 | リハビリ・医療
「バランスがいい」とは、どういうことなのでしょうか?
「バランスがいい」とは、体の重さの中心、これを「重心」と言いますが、この重心を自分の体を支えている「支持基底面」というエリアの中に、静かに安定して制御することをいいます。
今回は、この「重心」と「支持基底面」のお話をします^-^

まずは「重心」のお話です。
たとえばコップのような、底が丸くて円筒状の形のものがあるとします。
このコップの重心は、コップの中心に位置します。 重心は目に見えません。
人の重心は一般的に、立った状態であると骨盤の中あたりにあるといわれています。
もちろん目には見えませんが、イメージとしては、人の体を抱えて持ち上げる時、骨盤あたりを中心に折り曲げて、お姫様抱っこのような姿勢にすると上半身・下半身ともにバランスよく抱えられそうですよね。 人の重心は、おおよそ骨盤にある、と覚えておいてください。

そして「支持基底面」のお話です。
先ほどのコップの場合、底の部分が丸いです。 この丸い部分は、テーブルと接しています。 この接しているところ同士を結んだ線の領域を基底面といい、物体を支持していることから「支持基底面」といいます。
人の場合、両足で立っているとしますと、両足とそれぞれを結んだ線の領域が支持基底面になります。



この支持基底面の中に、重心から垂直におろした線(これを重心線といいます)が収まっていることが、バランスを保って転倒しないでいられる状態になります。
支持基底面の領域から重心線がはみ出した場合、そのままはみ出した方向に物は倒れます。 これが「転倒」です。


脳梗塞やパーキンソン病などバランス能力が低下する病気になると、支持基底面の領域内に重心を収めることが難しくなり、支持基底面から重心線がはみ出しそうになって、フラフラとどうにかこうにか足を踏みなおしたりしながら姿勢を立て直して、支持基底面を作り変えて転倒を予防しています。

片足立ちになると、支持基底面が両足の時に比べて半分以下になりますよね。 そのために、片足立ちは難しいのです。

一般に、重心線を支持基底面の中に収めようと反射的に動いているのが、人の場合は足首辺りです。 足首辺りの筋肉を使って、そこから上の体の部分を前後左右に微調整して重心線を支持基底面内に維持しています。
歳を重ねていくと手足の先の方は、徐々に血管や神経が痛んできますので、感覚が鈍くなったり筋肉の働きの微調整が難しくなってしまいます。 そのため、若い頃に比べて足首での微調整が難しくなり、ちょっとしたことで転びやすくなってしまいます。

支持基底面と重心(線)のお話は、まだまだ奥が深くてブログ1回の記事では間に合いません^-^; 続きは、また別の機会にお伝えしたいです^0^


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