ケアトリハ

介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。

ちょっとした工夫で笑顔になってくだされば…

2020年03月29日 | 高齢者施設





施設での生活は、どうしても退屈になりますから…、ちょっとした時にでも冗談で笑っていただければと思います^-^
水分補給していただく時、ホントは美味しいお茶を、お好みの温度で提供したいのですが、それもままならない時に、こんな冗談で笑ってもらっていました。

言葉遣いや態度

2020年03月23日 | 介護とリハビリ
医療や介護の現場では、言葉遣いについて気になることが多々あります。

私は、理学療法士になる前は、介護士でした。
介護士になる前は、一般的な会社で働いていました。
当然のことですが一般的な会社では、お客様相手の商売が多いため、お客様に対する言葉遣いや態度といった「接遇」について、しっかり研修を受けます。

一方、医療や介護の現場はどうかと言いますと、最近では養成校で接遇の授業を受けたり、就職してからも接遇の研修を受けたりと、患者様・ご利用者様に対する接遇を身につけましょう、という流れが主流となっています。 なぜ、最近では主流になっているかと言いますと、それ以前が主流でもなんでもなく、ものすごくあいまいでひどかったからです。
具体的に申し上げますと、現時点で20年~30年以上のベテランの従事者さんほど、言葉遣いや接遇ができていない人が多いと思います(誤解があってはいけませんので追記しますと、できている人ももちろんいます)。

私が介護業界に就職したばかりの頃、人生の大先輩でもあるご高齢のご利用者さんに対してタメ口、命令口調で話している若い職員さんが多くいたことに驚きを覚えました。

私は、ご高齢のご利用者さんに対してタメ口で話したり命令口調で話している様子を「異常」であると判断できました。
それは、私が子どもの頃から祖母と暮らしていたことや、一般的な会社で働いていたことから、目上の方への言葉遣いや礼儀、態度について、当たり前の様に見聞きして、時には叱られたりしていたからです。

では、20年以上のベテラン従事者さん達は、いわゆる「最近の若者」でもないのに、なぜ言葉遣いや態度が悪いかと言いますと、おそらく先輩達の態度が良くなかったのだと思います。
私が介護士として新人で働いていた頃、それから理学療法士の学生として実習に参加していた頃、指導役としていろいろな先輩や指導者について教えていただきました。
その多くの先輩達は、ほとんどの人が患者さんやご利用者さんに対してタメ口や命令口調でした。 

A先輩「ちょっと見ててね、こうやって声かけて筋トレやってもらうから…」
   「Bさん、ちょっといい? 今から足に重りをつけて、筋トレしてもらうね。 ちょっと重いけど、がんばってね。 今日は学生さんがついてるから、何かあったら彼に言ってね」
Bさん「…はい、分かりました…。 学生さん、よろしくお願いしますね。」
私  「よろしくお願いいたします。」



ちなみに、このBさんは、もともと社員が100人以上いるような会社を経営なさってた社長さんで、認知症といった会話や判断力の低下などはなく、軽い脳梗塞によって手足に麻痺があり筋トレや歩行練習を必要とされる75歳の患者さんでした。
元社長さんであれば、昭和の厳しい時代に熱心に働いて、多くの社員さんやそのご家族の面倒さえも見ていらしたようなまじめな方でしょうね。

そんな背景は、このA先輩には伝わることもないのでしょうね。 A先輩の目には、ただただ「自分のことができない、助けの必要な弱い立場の患者」としか映らないのでしょうね。

A先輩からの命令的な、自己をまったく尊重されていないようなものの言い方に対しても、Bさんは怒ったりイライラしたりすることもなく、ただまじめに筋トレなどの課題に取り組んでいらっしゃいました。

こんな先輩や指導者の様子を、目の前でしばらくの期間観察していたら、教わる側の人間は、「あぁ、こうやって言えば、患者さんはやってくれるんだ…」、「あぁ、高齢者とは、こうやってコミュニケーションを図ればいいんだ…」と、何の疑いもなく学習していくのでしょうね。

現在の80歳前後の方々は、厳しい時代を耐えて、物のない時代に試行錯誤を繰り返してがんばって生き抜いていらした人が多いですよね。 そんな人たちからすれば、若い人のちょっとした乱暴なものの言い方なんて、生きるか死ぬかの苦労に比べれば全然平気なのかも知れませんね。 「耐える能力」が高いのでしょうね(^-^;

これからの時代は、そんな言葉遣いや態度を受けましたら、ぜひぜひ文句をおっしゃってくださいね。
直接文句が言いにくいようでしたら、ぜひ「ご意見箱」もご利用ください^-^

病院や施設を良くしていくためには、各施設に任せてばかりではうまくいきません。 時には、外部からビシッと言ってあげないといけないこともあります。 ぜひぜひ、お客様である患者さんやご利用者さんの生のお声も、お聞かせください。

爪楊枝で分かる簡単な感覚テスト^-^

2020年03月20日 | リハビリ・医療
爪楊枝を2本ご用意ください。
その爪楊枝をピタッと2本並べてずれないように保持してください。
その2本の爪楊枝のとがった部分である先端を、ご自分の人差し指の指先部分(指紋のある部分=指腹)に軽く押し当ててみてください。

「2本触れている」ということが、(かろうじて)分かると思います。
お歳を重ねていくと、また糖尿病などを長く患っていらっしゃる人ですと、分かりにくいかも知れません。

「2本触れている」というのが分かった人は、次に同じ様にその2本の先端を、肘から手首の間(この部分を「前腕」といいます)にそっと押し当ててみてください。



ここでは、「2本触れている」ということが分からないはずです。 もちろん、自分自身で2本の先端で触れる、ということを理解していますので「分かった気」になってしまいます(^-^;
もし今、そばにどなたかいらっしゃるのでしたら、「感覚のテストだよ」とお伝えして、指先(指腹)と前腕の2ヶ所で試してみてください。

これは、リハビリの検査にもある「2点識別検査」と言います(ちなみに爪楊枝ではやりません)。
人の体には、触れた物が何であるか、いくつあるか、どんな圧か、どんな硬さか、どんな温度か、などを感知するセンサー(受容器)があります。
この受容器は、全身に張り巡らされています。 体に異常がないか、危険な状態に陥っていないか、など、全身の情報を脳に送っています。

この受容器は、体の部位によって密度が違います。
「指先」「唇」といった、物をつかみ、口に持っていき、食べる、という赤ちゃんにも必要な、「生きるための行為」を行う部位には非常に密集して存在します。 したがって2点識別検査の正常値として、指先は3~4mm、口唇は6~7mmと報告されています。 爪楊枝を2本並べた状態での先端の距離は約3mmですので、正常な状態であれば指先でかろうじて知覚できます(できなくても「異常=問題!」ではありませんのでご心配なく (^-^; )。

それとは逆に、前腕部、背中など、生きるために優先して必要な行為をする場所ではない部分には、受容器は密集していません。 必要がないからです。
前腕では37~39mm、背中にいたっては40mmといわれています。 したがって、この様な部位で爪楊枝2本分の識別は困難となります。
背中にいたっては、指を2本並べても分かりません(^-^;

指先の感覚受容器のセンサー機能や、その感覚を脳に伝える末梢神経の機能は、お歳とともにどうしても低下していきます。 これもいわゆる「正常な変化」です^-^
ただし、「糖尿病」や、頸椎の病気やケガなどの「頸椎症」など、手や指などに伸びる感覚神経に影響を与える様な病気がありますと、お若い人でも感覚が鈍くなることがあります。

・本をめくる時、指先に当たる紙の感覚が分かりにくくなった
・物をつかんている時、昔よりも触れてる感じが鈍い気がする
・手で物をつかんでいるのに、不意に落とすことが増えてきた

こんなことを、最近感じることがおありでしたら、一度爪楊枝で簡単に検査してみてください^-^ (あくまでも簡易検査です)
糖尿病や頸椎症などの病気がもともとない、という人でしたら、いわゆる加齢にともなう機能低下かも知れませんですね。
その場合は、逆にこの様な「指先」で物の形状などの感覚を見分ける「ゲーム」的なことを繰り返してみてもよいと思います。
例えば、2~3本の鍵を用意して、目を閉じて、その鍵の鍵山を指で触れてみます。 その鍵がどこの扉の鍵なのかが分かる様になる、といった簡単なトレーニングも有効かも知れませんですね^-^
「点字を覚える」というのも、頭の体操にもなりそうですし、今後は視覚障害を持つ人へのサポートにも役立つかもしれませんね。

寝込んでおりました…(^-^;

2020年03月20日 | 健康管理
数日ぶりにブログを書きました。
今週明けから体調を崩して、しばらく動けない状態でした(^-^;
ちなみに、最近話題の感染症ではありませんです。

単なる胃腸風邪でしたが、胃や腸の痛みで食事も進まず、トイレの出入りを繰り返し、本当にしんどかったです。



医療に携わる立場の者が体調を崩す…というのは、恥ずかしいことではありますが、時々こんな状態におちいります。 反省です。

時々やってくる「アピールタイム」に、コメントする程度でした…。

そろそろ元気になってきましたので、イラストも描いてブログもアップしていきたいです。

フォローしてくださっている皆さんにも、また楽しんでいただけるようにがんばります^0^

高齢者施設での日常①チクリと来た一言

2020年03月16日 | 高齢者施設
いつもブログを拝見してくださる皆さん、ありがとうございます。

今朝は、少し古いイラストになりますが、2003年に私が介護士だった頃に描いたマンガです。

施設に入所しているパーキンソン病の高齢女性の利用者さんとの、チクリと来る会話を紹介しています^-^