ケアトリハ

介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。

寝たきり患者の声④

2020年05月05日 | 介護





歯磨きさえ自分でできず…、もう何年もこうして誰かのお世話になってる…。
優しくやってくださると、とっても口の中がさっぱりするのだけど…、
乱暴にされると息ができなくて、嗚咽がして…とっても苦しくなる…。
「丁寧にお願いします…」って伝えたいけど…声が出せなくて…。
だから、せめてムセてる時などは、私の辛さを察してほしいです…。

時代は変わりました、男性も変わりましょう

2020年04月24日 | 介護
今回は、男性陣には少々耳の痛いお話です^-^;

私は男性です。
コンビニや公衆トイレ、公共施設などで男性トイレを使用する際、立って使用するオシッコ用であっても、洋式トイレであっても、足元が池のように水浸し…ではなく尿浸しになっていることが、高頻度にみとめられます。
トイレのにおい問題は、たびたび耳にします。
2015年には、NHKの番組でも取り組んでいました。

オシッコがはねて周囲を汚す、というのも分かりますが、トイレの床が尿浸し…というのは、はねる以前の問題ですね。

介護の仕事をしている頃、歩行や立位が不安定な男性の利用者さんのトイレ介助をする際、座って用を足していただくことを促しても、「男は(小便を)立ってするもんだ!!」と怒られて、なかなか洋式トイレに腰かけていただけませんでした。
立って行っても、案の定ズボンや下着にしたたってしまい、床や靴もオシッコで濡れてしまう…ということはよくありました。



介護の仕事をしていた20年前の頃から、私は洋式トイレでオシッコをする際、腰かけて行うようにしています。
はねませんし、服も周囲も汚れませんし、40歳を過ぎる頃からは、トイレットペーパーで排尿後に軽く拭くようにもしています^-^; オシッコが終わったと思って立ち上がると、想像もしていないくらいのオシッコが再度出てくるようにもなりましたし…^-^; 機能低下ですね…。

トイレの問題と言えば、ご自宅の洋式トイレでも便座の外側や床が汚れていることも気になりますよね。 昔からの風習で、家事は女性がやるものだ、と思っている男性も多いでしょうから、汚してもあまり気にしない方も多かったと思います。


男女平等の意識も高まっていますし、台所に入る男性も、今では当たり前になってきています。
夫婦共働きの世帯も多いですので、家事も分担しています。 ゴミ袋を収集場まで持って会社に出かける男性も、保育園にお子さんを届ける男性も、あまり違和感がなくなっていますね。

時代は変わりました。 男性も変わりましょう。 
洋式トイレを使用する場合、腰かけて飛び散らないように配慮して、時々はご自宅のトイレの掃除も率先して行いましょう^-^
それと同時に、オシッコをする際の姿勢、体をそらしたり中腰の状態で立位を保持したりと、こういった身体能力も悪化させないように運動習慣を維持・促進したいですね。

男性の皆さん、時代に合わせて、私達も変わっていきましょう^0^

オムツ交換、早ければいいの?

2020年02月28日 | 介護
介護の現場で時々、こんな声が聞こえることがあります。
「私、10人くらいなら30分あればオムツ交換なんて、終わらせられるわよ」と、同僚や後輩の介護職員に対して利用者さんのオムツ交換を素早く終わらせられることを自慢している職員さんがいます。

この職員さんは、「早く終わらせられる私は、介護のプロなのよ!」と同僚や後輩から尊敬の目で見てもらいたい、という医療従事者症候群(この場合は、介護従事者症候群ですね)になってるのかも知れないですね。

利用者さんや患者さんのオムツを全介助で交換する場合、関節の動きが制限されてしまっている拘縮(こうしゅく)や、大柄な体格の方の場合は体の向きを変えることも難しく、個々でかかってしまう時間が変わってきます。 ですから、介護の仕事の力量を時間で判断すること自体がおかしな話です。

「10人を30分で終わらせられる」とおっしゃるその介護職員さんは、お一人3分程度でどうやってオムツ交換をしているのでしょうね?

一般的にオムツ交換を行う場合、まず利用者さんに挨拶してオムツを換えることをお断りして、布団を丁寧にめくり下の衣類を丁寧に下げ、回収するオムツを開き、陰部をほどよい温水で丁寧に洗ったり専用のシートで拭いたりして陰部を清潔にし、丁寧に体位交換をして新しいオムツに交換し、オムツの太もも部分から漏れないようにオムツのギャザーをしっかり張り、下の衣類を上げて肌着の背中側もきちんと伸ばしてズボンなどにおさめ、布団を丁寧にかけ直して交換が終わったことをお伝えして、挨拶して退室する…という行程には、時間ではかることができませんが少なくとも3分ではできないと思います。



それを3分で済まそうとすれば、あれこれを省けばできるのと思います。 例えば、挨拶も声掛けもせずに布団をバッとめくったり、乱暴に体の向きを変えてオムツを交換したり、不衛生で不十分な洗浄であるとのちにかぶれたり感染症を起こす可能性も考えずに適当に陰部を洗っていれば、お一人3分でできるかも知れませんですね。

もちろん、早いことがダメで遅いことがよいといってる訳ではありません。 大切なのは、個々に応じて対応できているか、そのためには時に時間もかかってしまう、ということだと思います。

早いことだけ要求する先輩や同僚にいじめられている方は、どうぞこのブログ記事をお伝えしてあげてください^-^ 「ご利用者様第一主義」「患者様第一主義」とうたっている施設はたくさんあります。 こういう姿勢こそ、第一主義のあらわれだと思います^-^

「転ばぬ先の杖」の再考

2020年02月23日 | 介護
「転ばぬ先の杖」とは、本当にうまく表現された言葉だと思います。

リハビリの現場で、足の痛みが長引きそうな患者さんに杖をお勧めすると、「杖を使っていると爺さんみたいだからなぁ…」、「杖なんて、おばあさんが使うものでしょ?」と、60歳代、70歳代の患者さんに言われることがあります^-^; 私、心の中では「お孫さんもいらっしゃるのですから…すでに…」なんて思ったりもしていますが^-^; それはさておき…、杖に関して同じようにお考えの読者の皆さんに、ちょっとだけ杖の良い点をお伝えします。

例えば体重が60kgの方がいらして、その方が左足を痛めていたとします。



人は歩く時、一瞬片足立ちになりますので、この方の場合、右足を前に運ぼうとする瞬間、痛みのある左足に60kgすべてが乗ることになります。
それが痛くて足をかばって歩こうとしてしまうため、左足で踏ん張る時間を少しでも短くするために右足をサッと前に運びます。
左足に100%の体重を乗せるのは辛いため、ほんの一瞬で済むように素早く右足を運ぶ…、これを繰り返していくと、右足に繰り返し衝撃が加わりますので、やがてかばっていた右足も痛くなることがあります。

そこで、右足を前に運ぶ際、右手に杖を持ち、左足に100%乗せていた体重を80%程度に減らし、残りの20%を右手に持つ杖に乗せます。 そうすると、100%の体重を乗せていた時の痛みよりもずいぶんと痛みが軽減できます。 「右手の杖」と痛めている「左足」に適度に体重を分配することで、右足を大急ぎで前方に運ばなくてもよく、さらに右足かかるはずの衝撃を回避することもできます。



痛みが長引く場合は、さらに長い目で考えて、よい側の足の痛みさえも予防するために杖をお使いになることをお勧めします。
短期間で痛みが軽減する状態であれば、短期間の杖の使用に限って、痛みが治まれば使用を終了すればよいと思います。


転んでしまい足の骨を骨折し、それがきっかけでしばらく寝たきり状態が続くことは、介護が必要になった原因の中で、認知症(18.7%)、脳卒中(15.1%)、衰弱(13.8%)についで転倒・骨折(12.5%)が4位となっています。
認知症や脳卒中はこれまでの生活習慣から徐々に進行していくものでもありますが、転倒による骨折は、ある日突然やってくる可能性があります。 ですから、転んでしまう前に、杖を使って転倒を予防する、という行動は、とても大切なことですね。

杖1本で転倒・骨折→寝たきりを予防できるのであれば、意外と安く済む予防策なのかも知れませんですね^-^

スマホで認知症予防

2020年02月21日 | 介護
ご高齢の方でスマホデビューされた、という方、近年とても増えているようですね。
そんな皆さんに朗報です^-^ 
スマホを使って、いろんなことにチャレンジしてみてください。 スマホであれば、頭の体操などのゲームもできます。
「頭の体操で認知症を予防する」という、脳科学の研究もたくさんあります。 
今回は、そんな話題をご紹介します。

野内先生や川島先生らが調査した内容をまとめた論文によると、「音読や簡単な計算問題、頭の体操のゲームなどは、脳の前頭葉を活性化させる」、そしてそれは「認知症の予防に効果があると考えられる」というものです。 



「声に出して文章を読む」とか、「カンタンな計算問題をたくさん行う」とか、「脳トレゲームやテトリスで遊ぶ」など、いずれも脳の活性化につながるそうです。 

スマホなど、使い方によっては個人情報の漏洩や特殊詐欺などに注意が必要です。 けれど、良い効果も期待できます。
新しいことへのチャレンジそのものも、頭の体操になりますね。
スマホデビューなさったご高齢の皆さん、ぜひぜひ楽しいスマホ生活で、併せて認知症も予防なさってください^-^