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Retro-gaming and so on

「戦闘員、派遣します!」のヒトコマ


いや、実は「そんなわけある」のだ。
ベイズ統計学的にはこれは正しい(※)。
しかも「今まで一回も実験してないのに成功率100%」と言うのはコンピュータで扱うベイズ統計学で良くやる手法である。試行回数0回の時に1/1の計算をしたりするのを「スムーシング」と言うのだ。
結構コンピュータ統計ではこういうメチャクチャな、理論的には怪しい計算を行うのである。

意外とこの「戦闘員、派遣します!」の科学者、ベイズ統計的には正しい事を言ってて、主人公の6号も「一般的なフツーの感覚で言う」ツッコミを入れてて、良く出来ている。

※: 厳密な話をすると、「表面的な成功率は100%だが」統計学的にもベイズ統計学的にも、本当に知りたいのは「真の成功率」と言うパラメータである。そしてこのパラメータは定数である、と仮定してる。
通常の統計学では限られた数にせよ数多くの実験をして、ある回数をこなして出た値を「真の成功率」の推定値として採用する。その値が信頼に値するか否か、と言うのは統計学的仮説検定で検証する。
一方、ベイズ統計学ではいきなり数多くの実験はしない。しかし事象が重なれば「表面的な成功率は真の成功率に限りなく近くなって行く筈」と言う思想がある。つまり何らかの定数の近似値としての「見かけの成功率」があり、それが更新する事に関して許容する、と言う立場がベイズ統計学である。
どっちにせよ、「1回も実験しなくても実験の成功率を100%と仮定する」のはベイズ統計学では「アリ」で、それは「真の成功率」と遠くても取り敢えずは構わないのである。どうせ更新されるし、と言うのがベイズ統計である。
なお、こういう考え方がアリなのは、ベイズ統計学では客観的指標として確率を扱って無く、主観確率を基本とするから、である。主観確率だったら「1回も実験しなくても実験の成功率を最初100%だと思いこむ」のは別に不思議でもなんでもないのだ。
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