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Retro-gaming and so on

名作に成りそこねた惜しいRPG

実は女神転生IIと殆ど同時にやっていて、女神転生IIは絶賛詰まってる最中なんだけど(笑)、プレイし終わったファミコン用RPG、「ダブルムーン伝説」の感想である。

何故「ダブルムーン伝説」、等と言うマイナーなRPGを始めたのか?実はこの関連作品にTRPGがあるから、だ。

正確に言うと、このビデオゲームとTRPG版には直接にシステム的な関連は無い、との事。でもちょっと期待しちゃったんだよねぇ。

前にも書いたけど、個人的には別にTRPGマニアってワケでもない。でもTRPGを原作にしたCRPGや、TRPGっぽいRPGは比較的好物である。
何故か?経験値稼ぎがメンド臭くないから、だ。
ドラクエ、っつーかWizardryのせいで盛大に勘違いされているが。実はTRPGだと「モンスターと戦闘して」も経験値は獲得出来るが、実のトコ、モンスターと戦闘を行っても「レベルが上がる」程経験値は貰えない。多分それを知らない人の方が多いんじゃないか?
じゃあ、TRPGだとどうやって経験値を稼ぐんだろうか?答えは「イベント/ミッションをクリアすると」大量の経験値を稼げるようになっている。だからTRPGの場合、例えば戦士がレベル1からレベル2に上がるに「2000もの」経験値があっても構わないのだ。要するに戦闘をチマチマとやってキャラを育てる為に頑張らなくて良い。目的はシナリオに仕込まれたミッションをクリアする。それが一番重要。シナリオを楽しむのがTRPGの醍醐味なんで当然だわな。
要するに、いわゆるミッションクリア型のCRPGの方が好きだし、ラクなのだ。ところが、ミッションクリア型のCRPGは実はあんま存在しない。そんなわけで、僕の中では、例えばファミコンのダークロードなんかはメチャクチャ評価が高いわけだ。

と言うわけで、「TRPG臭さ」に期待して、ついつい始めちゃったのがこの「ダブルムーン伝説」。
その感想は「惜しい・・・」である。ところどころ、確かにTRPG臭さはあるんだけど、なんつーのかなぁ。設計っつーかコンセプトが中途半端なんで、ホント「残念」なゲームである。いや、悪くはない。多分、「ゆったりとゲームがやりたい」人には向いてるんだろう。逆に「早解きしたい」とか言うゲーマーには向いてないゲームになっている。

概要は一応このページに譲るとするけど。まず個人的に思った事は。
ところどころ、極めてTRPG臭いのよね。と言うのも

・レベルが上がらないとこっちの攻撃は当たりづらい。逆にレベルが上がっていくと敵の攻撃の命中率は極端に落ちる。
・レベルが上がって、防具も良くなって、滅多に敵の直接攻撃は当たりづらくなるんだけど、一方、一回でも攻撃を食らったらダメージは割にデカい。

基本的にTRPGは「確率の世界」なんで、お互い攻撃が空振りしまくる、なんつーのは良くある。らしい。キャラのパラメータとレベルを利用して確率的に計算式で判定するのがTRPGなんで、この辺はTRPG原作のCRPGやってると割に「当たり前」なんで、すんなりと納得出来た。
んで、TRPG、特にD&D系のシステムだと、ぶっちゃけ、防具って回避率調整の為のブツであって、いわゆる「防御力」って実は無いんですよ。だから「あたったら」割にレベルが上がってもダメージがデカい。要するに、回避率をくぐり抜けるのが攻撃のパラメータなわけね。

たださ、こういうシステム的に「美味しい」とか「面白い」部分があるのなら、ドラクエ式じゃねぇ方が良かったんじゃねぇの?ってのが正直なトコ。他の、例えばモンスターとのランダムエンカウントとか、敵を倒しまくらないとならない、とか、そういうシステムだと「TRPG的なシステム」とは相性が悪くて、それがこのゲームを物凄く中途半端なモノにしてんだよなぁ。
ぶっちゃけ、すごく笑ったのがこのゲームの音楽。「良い」とか「悪い」とか言わねぇけど、ハッキリ言うと、「ドラクエの音楽のパロティとしてなら良く出来てる」ってのが感想(笑)。なんかもー、全般的にドラクエ臭いのよね。

あと、仲間が12人もいるんだけど、ぶっちゃけその殆どが「使いどころがない」です。
いやさ、見せ場作るんだったら、活動中のパーティと同じ経験値を待機場でも貰えるようにした方が良かったんじゃねぇの?仲間がやたらいるソード・ワールドPCとかと同じシステムにした方が良かった。じゃないと、仲間入れ替える度に経験値稼ぎが必要で、結果、それがメンド臭いので、固定メンバーで戦う事になっちゃうんですよ。9人はそうすると、全然使わない事になっちゃう。せっかく仲間が多いんだから、その辺は融通利かせたシステムにすべきだったんじゃないかなぁ。
だからヘタすると、主人公だけはずーっと経験値稼ぎに付き合わなきゃならないんで、主人公のレベルがメンバーの2倍以上、とかワケが分からん状況になるわけよ(笑)。アンバランスにも程があるだろ、と(笑)。

んで、皆言ってるけど、ネタバレになる?結局仲間の11人は最終戦の殆ど直前に別れるのよね。最後はネコと(笑)ふたり旅。せっかく仲間募って盛り上がってきたのに、最後は二人っきりでラスボスに挑むとか、システム的には先細りなんだよなぁ。ちょっとその辺がイマイチです。

まぁ、とにかく、せっかく題材は良いのに「勿体無い」ゲーム、ってのが本作の印象でした。もうちょっと上手く作ってれば名作になれたかもしれんのに・・・残念ですねぇ。


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