金曜日の朝早く、お都貴さん母子を玄関先に出しておき、
もうひと寝入りしていました。
母親も付いているし、まさか遠くへはまだ行けないだろうと
思っていました。
でも、一時間半程して虎子が激しく鳴くので、
起き上がって戸を開けると、虎子一匹だけで、
他の猫は謎の古代遺跡のように、忽然と姿を消していました。
しばらくすると、お都貴(ツキ)さんだけが一匹で帰って来ました。
私はお都貴さんに、
「他の子はどうしたの?探してきて」と言い、
お都貴さんは外へと戻って行きました。
またしばらくして帰って来ましたが、
パンダと貴路(キジ)は連れていませんでした。
しまった~!
となりましたが、一旦いなくなった子猫を探し出すのは、
ほとんど不可能だという事を今まで何度も周囲の例で
見ていますので、
しばらくすると「こりゃダメかな…」と
早すぎる諦めモードへと突入。
それでも何とか、ゴミ捨ての時に、通り道や
家の周りを探してはみましたが、
見つかりませんでした。
せめて、いい人の庭先に迷い込んで、
拾われたらいいな―と思いました。
小学生の早い子はもう登校中だったようで、
いい子に拾われて、クラスメートで飼ってくれる
子がいたらいいのに…とか考えたりもして。
カラスやトンビにさらわれたとか、ヘンタイ青年から虐待とか、
猫嫌いの人が庭先に仕掛けた毒物を食べて死亡だなんて事は
考えたくありませんでした。
そして出勤時間となり、仕方なく玄関の戸を開けて、ちょっと歩いた所で―。
何と、いました二匹とも、ギリギリで見つかりました。
よかったぁ~っ!!
急いで二匹をつまんで行って、家の中に入れました。
三匹の子猫には、つねづね「赤ちゃん時から人間に慣れていれば、
いざという時には、いろいろ可愛がってもらえやすいし、…でも、
自分に良くしてくれる人とそうでない人を見分けられるように
しなさいよ。」と言ってはありましたが、
突然の別れが来たと思った時は、
やっぱり心での納得はできていなかったのだなと
分かりました。
その日の夜、二匹は最初の内は二匹同士で、
最終的には虎子と一緒にすやすやと眠って
いました。
もう、しばらくはベランダにしか出さないようにしようと
思っています。