雑木帖

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2004年11月18日のAPECでの小泉首相の演説内容

2006-01-03 00:13:10 | 政治/社会
…米政府はこのままではアジアで日本の孤立化が進み、米国の国益にまで影響するとの警戒感を強め、参拝中止に直接言及しないまでも、アジア外交の見直しを迫ることにした。

 日米中政府筋によると、米中首脳会談でブッシュ大統領は靖国参拝に関連して「歴史問題について対話を促進してもらいたい」と従来よりも踏み込んだ形で歴史問題に言及した。胡主席は「中国にとってアジアにおける米国の存在は重要だ」と強調した。

 昨年11月16日の日米首脳会談でも、米側が最も時間を割いたのは中国問題だった。ブッシュ大統領は「中国をどう見ているのか」と対中戦略の説明を求めたが、首相は参拝の正当性を主張したにとどまった。(米政権:「靖国」に懸念 アジア戦略「日本に見直し要求」”毎日新聞 2006年1月1日
 昨年のその日米首脳会談の2日後の11月18日、小泉首相は韓国・釜山で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の全体会議で演説をおこなった。
『週刊現代』2005.12.10号によれば、各国首脳の演説は約3分間ほどだったのだが、小泉首相は討議を含めて8分間も話し、しかもその半分の4分を、靖国問題で小泉首相を批判する中国を当てこする内容の話に使ったという。これについて、外務省関係者は次のように言ったという。
「小泉総理の発言は、すべてアドリブです。外務省の事務方が、経済問題に関する日本の立場を説明する演説草稿のぺーパーを作っておいたのに、総理はこれを無視しました。今回のスピーチは、公衆の面前で中国にケンカを売ったも同然の内容です。これまで総理はAPECにあまり関心がなかったのですが、今回は出発前からやけに張り切っていました。関係者の多くが不思議に思っていたのですが、全体会議のスピーチを聞いて、『これが目的だったのか』と納得したのです」

 この時の小泉首相の具体的な発言の内容を日本の新聞・テレビは何故か報じていないらしい。
 以下に、その『週刊現代』の記事から、小泉首相の演説の内容を紹介する。ちなみに、この演説の前に、小泉首相は胡錦濤国家主席との会談を中国サイドから断られているそうである。
 私は日中友好論者であり、日韓友好論者で、この考え方にまったく変わりはありません。ですから、両国との将来を心配していません。たとえ一つの問題で意見の相違や対立があったとしても、そのことで全体の友好関係を損なうようなことにしてはならないと考えているのです。
 日米関係も60年前は敵対関係にありました。ベトナムのルオン国家主席がブッシュ大統領の隣に座っておられますが、30年前はアメリカとベトナムは戦争をしていたのです。しかしいまは日本、アメリカそしてベトナム、アメリカはともに友好関係を発展させています。
 日本とペルーはフジモリ前大統領の問題を抱えていますが、この問題をもって、日本とペルーの友好関係を害するようなことにはしないということでトレド大統領と合意しました(フジモリ元大統領が大統領選出馬を睨んで日本を極秘出国したことで、ペルー政府は駐日大使を事実上召還している)。
 このように、一つの問題があるからといって、全体の関係を損なうようなことにはしないことが必要だと思っているのです。日本と中国、韓国との関係は、相互互恵という観点からきわめて重要で、あらゆる面でかつてない大きな交流となっています。短期的に一つの問題で意見の相違があったとしても、中長期的に見て、この問題が両国の関係を悪化させないような方向に持っていく努力は今後ともしなければならないし、お互い時間がたてば理解されるものだと思っております。


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