雑木帖

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「それを言っちゃおしまいよ」

2007-02-03 10:00:05 | その他


「日本でちょっと驚いたのは、夜の街に酔っぱらいの人が多いこと。日本に来て1ヶ月目くらいのころ、酔っぱらった男の人に道でスカートめくられたことがあって。最低ですよね。女の子が酔っぱらって道で座り込んでいたのにも驚きました。その時は、一緒にいた人が「そっとしておこう」って言ってそのまま通り過ぎたんだけど、後から「何かしてあげればよかった」って罪悪感がこみ上げてきて。最近、新宿駅で電車を待っている時に、女の人が酔っぱらってベンチで寝ちゃってたんです。今度は見て見ぬふりはしないで、落ちてた鞄を拾ってあげて、声をかけてあげました。サラリーマンのみなさんもお酒を飲むことは多いでしょうけど、無茶しないように気をつけてくださいね」
 (リア・ディゾン インタビュー Webマガジン「月刊チャージャー」より)

 こういうのをみると、やっぱり日本はおかしくなっているのかなと思ってしまう。

 アメリカのテレビドラマの「フレンズ」は僕は好きでよく見ていた。ときには涙がでるくらい笑った。
 でも日本語吹き替え版はあまり面白くない。英語ができなくても字幕で十分なので、こういったドラマは是非原語版で見るべき。
 僕がこのドラマを見ていてふと思ったのは日本で忘れかけているような人への思いやりというものだった。
 アメリカは個人主義の国で、このテレビドラマでも相手の人生面での世話などはあまりしない。でも厳しい社会のなかでお互いがんばって生きている者同士の、人としての思いやり、共感といったものが存在しているように思えた。
 そして、いくら冗談を言ったり、けなしたりしても、人間の尊厳にかかわるもの、人間としての一線を越える冗談は絶対言わないし、またそういう行動はとらない。いわゆる寅さんが言う「それを言っちゃおしまいよ」という台詞や場面はこのドラマにはない。

 少し前にTBSで「セーラー服と機関銃」というドラマをやっていた。義理、人情を語るのに、ついにヤクザドラマでしかそれができなくなったのか、とふと考えた。
 誤解を与えてはいけないと思うので書いておくが、現実のヤクザ世界は、その世界をよく知る人が「高倉健のようなヤクザなんていないよ」と言ったことに表れているような世界ではある。

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