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雑木帖

 ─ メディアウオッチ他 ─

メディアスクラム

2006-01-27 03:14:59 | メディア
・恫喝訴訟に対してメディアがすべきこと~サーベラスの100億円訴訟 (踊る新聞屋-。)
http://t2.txt-nifty.com/news/2006/01/100_ae44.html

・道警が攻勢に出てきた~道新謝罪問題で ( 情報流通促進計画 by ヤメ記者)
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/f407e0cb81d6fc4d83e53085369b7740

 普段何かと言えば「権力の介入」「表現・言論の自由」と主張するマスメディアが、同業他社のこういう窮地に対しては恐ろしくおとなしいのは矛盾といえるだろう。検証記事を書き、社会に向けて問題提起する社が幾つも出てきてもおかしくない問題だと僕は思う。(追記。これはもちろん”踊る新聞屋-。”氏へのあてつけなどではありません。僕は”踊る新聞屋-。”氏がネットであっても問題提起していることに敬意を表します。それを読んだ人は今度同じようなニュース記事に接した時、本質をとらえて読むことができることでしょう。メディア・リテラシーという観点からも、貴重なご意見であると思っています)

 ふと思い出したのは、フリージャーナリストの綿井健陽氏のイラクでの記事。

 DAYS JAPAN 2004.06号

 「現場から」 綿井健陽

 『中東のメディアから学ぶべきこと』

 …(略)…
 日本人の人質事件だけではない。ほかの外国人の拉致事件もまたそうだ。そして何より、イラク中部の街ファルージャで続く米軍の攻撃を、現地からずっと映像で伝え続けているのがアルジャジーラだ。
 イスラム聖職者協会のクベイシ師は言う。「イラクでは多くのメディアが、米軍の攻撃にさらされている。だが、その状況下でもイラクのジャーナリストたちは戦っている」
 外国人の拉致・誘拐が相次ぎ、バグダッド以外の取材が困難な状況にあるが、実は昨年3月の「イラク戦争」開戦以降、イラクで殺害されたジャーナリストやカメラマンは、そのほとんどが米軍による銃撃や攻撃によるものだ。イラクで取材する上での最大の「敵」は、イラクの武装勢力ではなく米軍だった。アラブ各国のメディアにとっては、それはいまも変わらない。
 3月18日夜、バグダッド市内でUAE(アラブ首長国連邦)の衛星テレビ局「アル・アラビーヤ」のイラク人記者とカメラマンが乗った車が米軍に銃撃された。銃撃された車を運転していたアフマド・アブドルさん(41歳)によると、記者とカメラマンは、米兵たちと路上の検問で会話をして、そして100メートルほど先にある車に戻った。その直後、検問所に別の車が突っ込む。しかし、米兵はなぜかその車には発砲せず、つい5分ほど前に直に会っている記者たちの車に向かって何度も発砲を繰り返した。そして、助手席に乗っていた記者のアリ・アルカティーブさん(34歳)と、後部座席にいたカメラマンのアリ・アブドラ・アジズさん(35歳)が死亡した。
 後頭部を撃たれたアルカティーブ記者は「なぜ、あの米兵は俺たちを撃ったんだ」と、亡くなる直前に車の助手席でアフマドさんに訴える。それが最期だった。アルカティーブ記者は、3か月前に結婚したばかり。アリ・カメラマンの妻は妊娠中だったという。
 奇跡的に軽傷で済んだアフマドさんは、インタビューの最後でこう答えている。「私たちは一年前からずっと一緒にクルーを組んで取材してきた。そしていま、私は生きていて、彼らは死んだ。彼らの遺影を見ていると、私が彼らを殺したのではないかと思う……」
 生き残った者が罪の意識を背負い、本来罪を背負わなければならない者が、何も問われない。これが占領下にあるイラクの社会の現状だ。
 翌19日、バグダッド市内にあるCPA(連合国暫定当局)での記者会見で、アラブ各国の記者たちが抗議声明を読み上げ、その後会見場から一斉に退席したという。これが本当の意味での「メディアスクラム」だ。日本の記者会見や「記者クラブ」で、こんな光景は絶対に見られない。
「アル・アラビーヤTV」のバグダッド支局は、総勢60人いるスタッフのうち、1人がエジプト人、2人がパレスチナ人、残りはすべてイラク人だ。亡くなった2人の遺影を胸に着けて、これまでと変わることなく、現場で取材を続けている。
 さらに4月19日、イラクの地元TV局「アル・イラキーヤ」の記者ら2人が米軍に殺害された。イラクで依然として殺され続けているのは、メディアも民間人も、圧倒的にイラク人だ。日本人人質事件が起きた本当の背景を伝えるためには、イラク市民に何が起きているのかを取材することに立ち返るしかない。

参考:
<地上げ>米ファンド系不動産 暴力団関係者が関与の疑惑 (毎日新聞 2006/01/12)
http://www.asyura2.com/0510/social2/msg/488.html

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