最前線の育児論byはやし浩司

★子育て最前線でがんばる、お父さん、お母さんのための支援サイト★はやし浩司のエッセー、育児論ほか

●恋愛と不倫

2005-10-30 20:21:28 | Weblog
●恋愛と不倫

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知人の息子が、不倫をしているらしい。知人
から、どうすれば、やめさせることができる
かと、相談というか、そんな話が伝わってき
た。

まだ息子の妻(嫁)は、気づいていないよう
だが、心配でならない、と。

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 恋愛をしたからといって、性的関係があるとはかぎらない。不倫、つまり性的関係をもったからといって、恋愛感情があるとは、かぎらない。

 その境目は、どこにあるか?、……という議論は、いくらしても、あまり意味がない。不倫関係が恋愛関係になることも、反対に、恋愛関係が不倫関係になることは、いくらである。つまり男と女の関係は、いつも流動的。

 ところで、江戸時代から、戦前にかけて、日本には、姦通(かんつう)罪という恐ろしい刑罰があったそうだ。(江戸時代には、「不義密通罪」と呼ばれていた。)

 浮気がバレたばあい、男のほうが町人のばあいには、まちがいなく死罪。(死罪だぞ!)また女のほうも、ただではすまない。浮気がバレれば、「吉原に身を売られ、数年間、苦界に身を沈めねばならなかった」そうだ(「日本史おもしろBOOK」PHP)。

 そのため、女の夫のほうも、仮に自分の妻が浮気をしても、簡単には、訴え出ることができなかったそうだ。そのため、内々に、相手の男と、示談ですますことが多かったという。

 その相場は、「7両2分」。江戸中期で、1両で1石の米を買えたというから、1両を約6万円として計算すると、7両2分というと、約43万円ということになる。

 「43万円かあ……」と思ってみたり、「43万円ねえ……」と思ってみたりする。

 で、どうして7両2分になったかについてだが、死罪になったとき、寺への回向(えこう)料が、その7両2分だったからだという。つまり死罪になるよりは、相手の男に、同額のお金を払って、許してもらおうというわけである。それで7両2分になった(同書)。

 が、浮気にせよ、不倫にせよ、それがバレたとき、夫や妻に与えるショックには、相当なものがある。が、何よりも恐ろしいのは、その時点で、夫婦の信頼関係が、崩壊するということ。たとえば、こんな話がある。あなたは、この話を聞いて、どうその夫婦を判断するだろうか。

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 ある男性は、妻に内緒で、職場の女性と不倫関係を楽しんでいた。最初の妻を、「妻A」とする。が、そのうち、女性のほうが、本気になってしまった。やがて男性のほうも、本気になってしまった。そこで女性のほうが、男性に、こう言って迫った。

 「奥さんと別れて、私と結婚して」と。男性のほうも、「妻と別れるから、結婚しよう」と言った。

 こうしてその男性は、妻と離婚。そしてその不倫相手と、再婚。その新しい妻を、ここでは、「妻B」とする。

 一見、その男性と女性については、めでたしめでたし……ということになるが、しかし本当にそうだろうか?

 その女性は、こうして「妻」の座を自分のものにしたが、実は、今度は、自分がその妻の座から、引きずりおろされるハメになった。

 浮気性の男は、どこまでも浮気性。今度は同じ職場の、また別の女性と、不倫関係をもつようになってしまった。

 この時点で、妻Bには、夫を責める資格は、あるのか。それともないのか。まさか「どうして職場の女性と、浮気なんかするのよ!」と、夫に怒るわけにもいかない。が、それ以前から、妻Bは、家にいても、不安であならなかった。夫の浮気性というか、そうした性癖を、よく知っていたからである。

 で、やがてその男性は、今度は、その女性と、本気になってしまった。そしてここで再び、同じことを繰りかえす。妻Bと離婚して、その不倫相手と結婚した。その女性を、「妻C」としておく。

 ……というケースは、多い。一般的に、マザコンタイプの男性ほど、浮気をしやすいと言われている。マザコンであるがゆえに、理想の女性(=マドンナ)を求めつづける、イコール、自分の妻では、満足できないためと考えられている。

 で、その男性がそうであったかどうかは知らないが、その男性は、妻Aから、妻B、妻Cへと、3人の妻をもったことになる。で、こういうケースのばあい、はたして夫婦の間に、信頼関係を築くことができるのだろうか……というのが、ここでの問題である。

 浮気が浮気の範囲で、不倫が不倫の範囲で収まっている間は、まだよい。恋愛関係になっても、その範囲を超えない間は、まだよい。それが原因で、離婚、さらには、再婚となると、しかし、そうはいかない。

 夫のほうは、それでよいとしても、妻Cにしてみれば、この先ずっと、「今度は、いつ自分が裏切られるのか」と、ハラハラしなければならない。また裏切られても、文句をいうことすらできない。となると、何のために結婚したのかということにも、なってしまう。

 話は、もう一度脱線するが、恋愛感情にも、寿命があるということが、最近の研究でわかってきた。それについて書いた原稿を、もう一度、ここに掲載する。

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●恋愛の寿命

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心ときめかす、恋心。しかしその恋心
にも、寿命がある。

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 その人のことを思うと、心がときめく。すべてが華やいで見える。体まで宙に浮いたようになる……。恋をすると、人は、そうなる。

 こうした現象は、脳内で分泌される、フェニルエチルアミンという物質の作用によるものだということが、最近の研究で、わかってきた。恋をしたときに感ずる、あの身を焦がすような甘い陶酔感は、そのフェニルエチルアミンの作用によるもの、というのだ。

その陶酔感は、麻薬を得たときの陶酔感に似ているという人もいる。(私自身は、もちろん、麻薬の作用がどういうものか、知らない。)しかしこのフェニルエチルアミン効果の寿命は、それほど長くはない。短い。

 ふつう脳内で何らかの物質が分泌されると、フィードバックといって、しばらくすると今度は、それを打ち消す物質によって、その効果は、打ち消される。この打ち消す物質が分泌されるからこそ、脳の中は、しばらくすると、再び、カラの状態になる。体が、その物質に慣れてしまったら、つぎから、その物質が分泌されても、その効果が、なくなってしまうからである。

しかしフェニルエチルアミンは、それが分泌されても、それを打ち消す物質は、分泌されない。脳内に残ったままの状態になる。こうしてフェニルエチルアミン効果は、比較的長くつづくことになる。が、いつまでも、つづくというわけではない。やがて脳のほうが、それに慣れてしまう。

 つまりフェニルエチルアミン効果は、「比較的長くつづく」といっても、限度がある。もって、3年とか4年。あるいはそれ以下。当初の恋愛の度合にもよる。「死んでも悔いはない」というような、猛烈な恋愛であれば、4年くらい(?)。適当に、好きになったというような恋愛であれば、半年くらい(?)。

 その3年から4年が、恋愛の寿命ということにもなる。言いかえると、どんな熱烈な恋愛をしても、3年から4年もすると、心のときめきも消え、あれほど華やいで見えた世界も、やがて色あせて見えるようになる。もちろん、ウキウキした気分も消える。

 ……と考えると、では、結婚生活も、4年程度が限度かというと、それは正しくない。恋愛と、結婚生活は、別。その4年の間に、その2人は、熱烈な恋愛を繰りかえし、つぎのステップへ進むための、心の準備を始める。

 それが出産であり、育児ということになる。一連のこうした変化をとおして、今度は、別の新しい人間関係をつくりあげていく。それが結婚生活へとつながっていく。

 が、中には、そのフェニルエチルアミン効果による、甘い陶酔感が忘れられず、繰りかえし、恋愛関係を結ぶ人もいる。たとえばそれが原因かどうかは別にして、よく4~5年ごとに、離婚、再婚を繰りかえす人がいる。

 そういう人は、相手をかえることによって、そのつど甘い陶酔感を楽しんでいるのかもしれない。

 ただここで注意しなければならないのは、このフェニルエチルアミンには、先にも書いたように麻薬性があるということ。繰りかえせば繰りかえすほど、その効果は鈍麻し、ますますはげしい刺激を求めるようになる。

 男と女の関係について言うなら、ますますはげしい恋愛をもとめて、さ迷い歩くということにもなりかねない。あるいは、体がそれに慣れるまでの期間が、より短くなる。はじめての恋のときは、フェニルエチルアミン効果が、4年間、つづいたとしても、2度目の恋のときは、1年間。3度目の恋のときは、数か月……というようになる。

 まあ、そんなわけで、恋愛は、ふつうは、若いときの一時期だけで、じゅうぶん。しかも、はげしければはげしいほど、よい。二度も、三度も、恋愛を経験する必要はない。回を重ねれ重ねるほど、恋も色あせてくる。

が、中には、「死ぬまで恋を繰りかえしたい」と言う人もいるが、そういう人は、このフェニルエチルアミン中毒にかかっている人とも考えられる。あるいはフェニルエチルアミンという麻薬様の物質の虜(とりこ)になっているだけ。

 このことを私のワイフに説明すると、ワイフは、こう言った。

 「私なんか、半年くらいで、フェニルエチルアミン効果は消えたわ」と。私はそれを横で聞きながら、「フ~ン、そんなものか」と思った。さて、みなさんは、どうか?
(はやし浩司 恋愛 恋愛の寿命 フェニルエチルアミン ドーパミン効果 麻薬性)

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 つまり、恋愛にも寿命があるということ。今風に言えば、賞味期限があるということ。しかもそれを繰りかえせば繰りかえすほど、賞味期間は、短くなる。

 だから……というわけでもないが、不倫は不倫として、あるいは浮気は浮気として、さらにそれから恋愛感情が生まれたとしても、決して、急いで結論を出してはいけない。どうせ、冷める。時間がくれば、冷める。人間の脳ミソというのは、もともと、そうできている。

 知人のケースでいうなら、こうした不倫は、静かに見守るしかない。へたに反対すれば、恋心というのは、かえって燃えあがってしまう。しかし時間がくれば、冷める。長くても、それは4年以内。だから私は、こう言った。「放っておけばいい。そのうち、熱も冷める。バレたときは、奥さんにぶん殴られればいい。それですむ」と。

 しかし不倫や浮気ができる人は、それなりに幸福な人かもしれない。いや、不幸な人なのかもしれない。よくわからないが、私の知らない世界を、そういう人たちは、知っている。ただこういうことは言える。

 「真剣にその人を愛してしまい、命がけということになったら、それは、もう、不倫でも、浮気でもない」と。夫や妻の間で、それこそ死ぬほどの苦しみを味わうことになるかもしれないが、そのときは、そうした恋愛を、だれも責めることはできない。人間が人間であるがゆえの、恋愛ということになる。

 どうせ不倫や浮気をするなら、そういう不倫や浮気をすればよい。そうでないなら、夫婦の信頼関係を守るためにも、不倫や浮気など、しないほうがよい。いわんやセックスだけの関係ほど、味気なく、つまらないものはない。(……と思う。)それで得るものより、失うもののほうが、はるかに多い。(……と思う。)

 いらぬお節介だが……。

 昔、今東光という作家は、私が、東京の築地にある、がんセンターを見舞うと、こう話してくれた。

 「所詮、性(セックス)なんて、無だよ」と。私も、そう思う。しかしその「無」にどうして人は、こうまで振り回されるのだろう。

●子どもたちへ

2005-10-10 12:59:48 | Weblog
皆さんへ、

困ったり、いやなことがあったら、

このページを開いて、読んでみてください。

きっと、何かのヒントになりますよ。





たった一度の人生だから

たった一度しかない人生だから、思う存分、生きてみようよ。
海は広いんだ、空は広いんだ、宇宙は、もっと広いんだ。
だれにも遠慮することは、ない。何も恐れることはない。
心を解き放(はな)とうよ。
海に向かって、空に向かって、宇宙に向かって。
体はあとからついてくる。

でもね、自由に生きるということは、そんなに楽なことではないよ。
「自由」というのはね、もともと「自らに由(よ)る」という意味だよ。
自分で考えて、自分で行動して、そして自分で責任をとるということ。
だから自由でいるということは、とってもきびしいことだよ。

ちっぽけな肩書きや地位に満足してはいけないよ。
名誉や名声を先に求めてはいけないよ。
そんなことをすれば、君の人生は、見苦しくなるだけ。
つまらなくなるだけ。
今やるべきことを、懸命にやろう。
それでいいのさ。
人がどう思うと、そんなこと気にしてはいけない。
君の人生は、どこまでいっても、君のもの。
だれのものでもない。だから思う存分、生きてみようよ。

君を判断するのは、君自身だよ。ほかのだれでもない。君自身だよ。
そういう意味でもね、自由に生きるということは、孤独なことだよ。
勇気がいることだよ。
でもね、結局はそのほうが、自分の人生を生きることになるんだよ。






成績



成績が悪かった、て?

そう……。いやなもんだね、成績って。

でもね、成績は、あくまでも勉強について、だよ。

君の価値とはまったく関係ないよ。

だから大切なことは、

成績が悪いからといって、

自分の価値まで否定してはいけないということ。

君は君だしね。

まあ、また、やってみようよ。

まだまだ次があるからね。

めげないでさ。

いちいち気にしていたら、

人生、つまらないよね。

……そう、ぼくなんか、

今、成績つけられたら、

ひどい成績だと思うよ。

老人度……82点

ボケ度……90点

嫌われ度……98点

……なんてね。笑った?

笑って、先へ進もうよ。







悩み



悩みにも、二種類あるよ。

どうしようもない悩みと、

何とかなる悩みだよ。

どうしようもない悩みは、

あきらめようよ。しかたないもん、ね。

でもね、何とかなる悩みは、

……むずかしいね。

ぼくにも、わからない。

だってね、ぼくはね、

そういう悩みを、山のように

もっているからね。

ありすぎて、

どうしたらいいか、

わからないでいる。







810年後



君がいつか、おとなになり、結婚したとするだろ。

そして二人の子どもをもったとするだろ。

そしてその二人の子どもが、

またおとなになって、結婚したとするだろ。

そしてまた二人ずつの子どもをもったとするだろ。

そうすると、ね、27代目には、君の子孫は、

1億3000万人を超えるんだよ。

今の日本の人口とほぼ、同じになるというわけ。

わかるかな。そしてね、一世代を30年で

計算するとね、つまり30かける27で、

810年後には、そうなるんだよ。

たった810年後には、日本中が君の子孫になるというわけ。

すごいことだね。

……こう考えると、「自分だけは」とか、

「自分の子どもだけでも」と考えることが、

いかにつまらないことか、わかるよね。

ときどきは、そういうふうに考えてみてごらん。

世界が、ぐんと広くなるよ。







正直に言ってみようよ



言いたくないことも、あるさ。

かくしたいことも、あるさ。

だまっていたいことも、あるさ。

ウソをつきたいことも、 あるさ。

知られたくないことも、あるさ。

でもね……。

正直に、言ってみようよ。

勇気がいることだけれど、

思い切って、言ってみようよ。

つらいし、苦しいし、いやかもしれないけれど、

正直に、言ってみようよ。

するすると、ね。

……

ずっと、ずっと、心が軽くなるよ。







いやだったら……



いやだったら、「いやだ」って、

言えばいんだよ。

無理することないよ。

でもね、一つだけ、

こんなことに注意してよ。

君の「いや」は、わがままではないか、と。

もし、そうなら、君の「いや」には、

意味がないよ。

その「いや」は、よくないよ。







なくすもの



おとなになるにつれてね、

なくすものも、あるんだよ。

何だと思う?

それはね、

、感動と、純粋な心だよ。

たとえば虹を見たときね、

君は、ワーッて、歓声をあげるよね。

でもね、おとなになると、

そういうふうに感動しなくなるよ。

とってもさみしいことだけれどね。

それにね、

純粋な心もなくなるよ。

とってもさみしいことだけれどね。

でもね、

君たちは、大切にしようね。

いいか、よく「子どもっぽい」と

笑う人がいるだろ。

しかしね、

子どもっぽいということは、

とてもすてきなことなんだよ。

すばらしいことなんだよ。

だから恥ずかしく思うことはなんだよ。

いつまでも、いつまでも、

感動と、純粋な心を大切にしようね。

おとなにんるとき、

なくしちゃあ、だめだよ。

ワーズワースという人は、

こんな詩を書いているよ。



子どもは人の父



空に虹を見るとき、

心ははずむ。

私が子どものころもそうだった。

おとなとなった、今もそうだ。



願わくば私は、

歳をとって、死ぬときも、

そうでありたい。

子どもは人の父。

自然の恵みを受けて

それぞれの日々が、

そうであることを、

私は願う。







君の価値



君の価値は君が一番よく知っている。

だから、ね。だれも認めてくれなくても、

気にしてはだめだよ。

大切なことは、だれも認めてくれなくても、

自分をそまつにしないこと。

ぼくたちは、いつでも、どこでも、

気高(けだか)く生きようよ。

ぼくは世界中で、ただ一人。

君は世界中で、ただ一人。

ぼくは世界中で、最高の人間。

君は世界中で、最高の人間。

これは事実だよ。







希望



人は、悪いこともするけれど、

努力によって、

神様のような人にもなれる。

それが「希望」だってさ。

みんな天使のような人に

なってしまったら、

この世界、つまらないよね。

いろんな人が

いろんなドラマを展開するから、

この世界、おもしろいんだよ。

聖書の中の説話だけど、

ぼくの好きな説話だよ。







バカな人



バカな人は、賢い人にかみつくよ。

しかしね、賢い人は、バカな人を

相手にしないよ。無視するよ

それがバカな人と、賢い人の違いだよ。






荷物をもってあげようよ

お母さんが、買い物から帰ってきたよ、ね。
お母さんは、重い荷物をもって いるよね。
そういうとき、君はどうしてる?
だまって見ている?
知らないフリをする?
いけないよね。
そういうときはね、お母さんの荷物を
もってあげようよ。
きっとね、君はね、あとで、胸の中が
スーッとするのを感ずるよ。
ウソじゃないよ。本当だよ。
一度、ためしてみてごらん。
本当に、胸の中が、スーッとするよ。






将来



10年後の君は、どうなっているかな?

20年後の君は、どうなっているかな?

そんなことを考えると、いろいろ不安になるかもしれないね。

でも、心配、いらないよ。

きのうがあって、今日があるように、

必ず明日があるよ。

そして明日があるように、

10年後の君はいるよ。

20年後の君はいるよ。

だからそんな先のことは心配しないこと。

今できること。今しなければならないこと。

それを一生けんめいに、しようよ。

それでいいんだよ。

明日になれば、明日のことはわかるから、ね。

今日一生けんめいしておけばね、

明日のことが楽しみになるよ。







自分の力で生きようよ



神様や仏様に祈って、

それで自分の願いをかなえようという人がいるよね。

それぞれの人が、それぞれの思いをもって、

真剣にそう願っているのだから、

ぼくには、何とも言えないけど、

君たちは、自分の力で生きようね。

だれかに助けてもらうとね、

何かを成しとげたとき、

喜びが半分になってしまうよ。

「神様のおかげで、1等賞をとりました」と言うのは、

どこか、さみしいね。

失敗しても、1等賞がとれなくても、

君は君。いいじゃない。

それで……。







願い事



ぼくもね、実のところ、子どものころ、

よく神様に願いごとをしたよ。

でもね、「原爆の少女、偵子(さだこ)」を

読んでから、考え方が変わったよ。

「ぼくより、ずっと真剣に祈った人がいる」

「ぼくよりずっと、神様の力を必要としている人がいる」って、

そんなふうに考えたら、

もう神様や仏様に向かって、

「~~してください」などとは、

祈れなくなってしまった。

そのかわり、

「ぼくよりずっとあなたの力を必要としている人がいる。

もしあなたに力があるなら、ぼくはいいから、

そういう人のために、あなたの力を使ってください」と

思うようになった。つまりね、

それからは、神様や仏様には、

願いごとをしなくなったというわけ。

これはぼくの個人的な意見だよ。

君は君で、考えればいいよ。







地球



知っているかな。

太陽を直径15センチのボールにたとえるとね、

地球はそこから10メートル離れたところにある、

直径0・5ミリ(1ミリの半分)の大きさの玉なんだよ。

宇宙船で太陽系を飛んでいてもね、

地球に気がつく人はいないかもしれない。

地球はそれほど小さい……?

目の前には、砂丘の砂の数ほどの太陽があるからね。

ぼくは「人間」を考えるとき、

いつもこのことを頭におくよ。

でもね、だからといって、

「人間はつまらない」と言っているのではないよ。

誤解しないでね。

ときどき、そういうふうに、

ものごとは宇宙からみた視点でかんがえるといいということ。

そうするとね、人間のことがよくわかるよ。







時の流れ



時の流れは風のようなものだよ。

どこからともなく吹いてきて、

またどこかへ去っていく。

つかもうとしても、つかめないよ。

そしてね、

風は時に強く、

また時に弱く、止まるときもあるよ。

そういうときはね、

また風が吹き始めるのを待つんだよ。

あせってもしかたないもん、ね。

時の流れは、そういうものだよ。







友だち



無理して、みんなと仲よくしようなどと、

思わなくてもいいんだよ。

英語のことわざにもね、

「二人の人に、同時によい顔はできない」

というのがあるよ。

気楽にいこうよ。

気楽に考えようよ。

無理して、いい子ぶることはないよ。

そんなことをしていると、

疲れるもんね。

でもね、一つだけ、お願いがあるんだ。

それはね、君のまわりに、

友だちがいなくて、

さみしそうにしている人はいないかな?

もし、いたらね、その人とは

仲よくしてあげてね。

「こんにちは」とか、「遊ぼうよ」と

声をかけてみてあげてね。

それはとっても、大切なことだよ。

それは、とっても楽しいことだよ。

このお願いだけ聞いてくれるなら、

あとは、無理しなくてもいいよ。







男と女



「男だから」とか、「女だから」とかいう言葉は、

まちがっているよ。

「男のくせに」とか、「女のくせに」とかいう言葉も、

まちがっているよ。

そんなふうに考えている人がいたら、

「それはおかしい」と、言ってあげよう。

これからは、もう、そういう時代ではないよ。







チャレンジ精神



何にでも、チャレンジしていこうよ。

それでいい。結果はあとからついてくる。

ついてこないかもしれない。

気にすることはないよ。

まず、チャレンジ。

それでいい。






相手のこと

イギリスのことわざに、ね、
「相手は、自分が相手を思うように、自分を思う」というのが、あるよ。
つまりね、
君が、AさんならAさんを、「いい人だ」と思っていると、
Aさんも、君のことを、「いい人だ」と思っているということ。
君が、AさんならAさんを、「いやな人だ」と思っていると、
Aさんも、君のことを、「いやな人だ」と思っているということ。
そういう意味でね、人間の心は、カガミのようなものだね。

だからね、みんなと仲よくしたかったら、みんなのことを「いい人だ」と
思うようにするといいよ。そうするとね、みんなも、君のことを
「いい人だ」と思うようになるよ。やってみたら?





家族



家族を大切に、ね。

家族は、一緒に住むんだよ。

家族は、みんな、助け合うよ。

家族は、守りあうんだよ。

あのね、幸せは、ね。

そんなに遠くにあるんじゃ、ないよ。

君のそばにあって、

君に、見つけてもらうのを、息をひそめて、

そっと待っているんだよ。

君の、すぐそば、でね。

ほら、知っているかな?

ボームという人が書いた、

「オズの魔法使い」さ。

あの中でね、ドロシーという女の子と、

トトという犬が、虹の向こうにあるという

幸せを求めて、旅をするだろ。

そしてエメラルド・タウンをめざすんだ。

しかし、ね。

本当の幸せは、カンザスのいなかの、

自分の家の中にあることを

知るんだよ。

幸せっていうのは、

そういうもの。

わかった?

わかったら、家族を

大切にしようね。







偉い人



偉い人なんて、いないよ。

人間は、皆、平等だよ。

でもね、尊敬できる人はいるよ。

地位や、肩書きには関係なく、ね。

君のすぐそばにいるよ。

そういう人をさがしてみてごらん。

君だけが知っている、

君が尊敬できる人だよ。

必ず、君のすぐそばにいるよ。







仕事



人間に上下はないよ。

仕事にも上下はないよ。

君がしたい仕事。

君がしなければならない仕事。

君ができる仕事。

それをさがせばいい。

そして、ね。

一度それを見つけたら、

それを一生かかってするんだよ。

人が何と言おうが、

気にすることはない。

気にしてはだめだ。

君は君の道を信じて、

まっすぐ前に

進めばいい。







勉強部屋



勉強はね、一番したいところですればいい。

勉強部屋の机に向かってするなんて、

だれが決めたのかな?

そんなルールはないよ。

オーストラリアのぼくの友人は、

いつもベッドにねそべって、勉強していたよ。

そのほうが、よく考えられるからだって、さ。

つまりね、勉強には「形」はないの。

わかる?

だからしたいところで、したいようにすればいいんだよ。







消しゴム



ぼくは、よく「消しゴムは使わないほうがいい」と言うだろ。

それはね、まず、君たちに、

考えてから書く習慣を、身につけてほしいからだよ。

消しゴムと仲よしになるとね、

書いてから考えるようになるよ。

そうするとね、考えがまとまらなくなる。

それだけではないんだよ。

消しゴムと仲よしになるとね、

時間がうんと、ムダになるよ。

消しゴムばかり使っていてね。

まちがえたら、一本、線を引いて、

それで消したことにすればいい。

それにね、

消せばなおるという人生観、

いやだね。

人生というのは、

一度過ごしたら、

消せないんだよ。

だから、「いつか消そう」などというふうに、

思って生きてはいけないよ。

「いつか消せる」と思っても、

いけないのだよ。

いつも真剣勝負だよ。

だから、消しゴムとは、

仲よしにならないほうが、いいよ。






迷信

うらないや、まじないっていうのがあるね。
ああいうのは、みんなウソだよ。インチキだよ。
信じちゃ、だめだよ。ああいうのを信ずるとね、
自分が自分でなくなってしまうよ。
いつの間にか、ね、
自分で考えられなくなってしまうよ。

ぼくが神様ならね。
あるいは仏様でもいい。
いちいちみんなのことを、
そこまでこまかく、気にしないよ。
めんどうだもん。

自分の未来や運命は、自分で決めるものだよ。
だれでもない、自分自身が決めるんだよ。わかった?






大切なもの



生きるときに大切なものは、

自由と、平等と、正義さ。

この三つは、守ろうね。






やさしさ

ほかの人を喜ばすことが、
自然な形で、できる人を、
やさしい人と、言うんだよ。
君はどうかな?
それができるかな?
方法は簡単だよ。
何かを買うときでもね、
「これがあったら、
パパが喜ぶだろう」
「これがあったら、
ママが喜ぶだろう」と、
考えて、買えばいいんだよ。
そうすれば、
君も、そのやさしい人に
なれるよ。

 


邪悪なもの

心がゆがんでくるとね、
邪悪なものに、興味をもつようになるよ。
「殺す」「命」「悪魔」「戦争」とか、
そういう言葉にひかれるようになるよ。
それは病気のようなものさ。
心の、ね。
だから、もし君が、そういうものに、
ぐんぐんと心がひかれたら、ね、
それは君の心が、病気になり始めたということ。
風邪をひいて、熱を出すように、ね。
そういうときは、心を休めよう、よ。
無理をすることはないよ。
そして、ね。
少しは自分と戦って、
そういうものから、遠ざかるようにしようね。
でないと、心というのは、
もっと、もっとゆがんでくるよ。
病気は、どんどんと重くなるよ。





悲しくなったら……



悲しくなったら、

空を見て、

星を見て、

大声で泣けばいい。

ぼくは、いつも

そうしてきた。

広い空はね、

きっと

君の

悲しみを、

なぐさめてくれるよ。






家庭

君は、どこで心を休めているのかな?
家の中。そう家の中だよね。
でも、その家の中のどこかな?
居間かな? 台所かな?
「トイレの中」と言った人もいたよ。
「お風呂の中」と言った人もいたよ。
あるいは「ふとんの中」と言った人もいたよ。

でもね、もし君が、家族のいる、
みんなの中が、一番安心できるとしたら、
それはすばらしいことだよ。
君は、すばらしい家族をもっているということ。
うらやましい、ね。
もしそうなら、君は、君の家族を、
大切にしたらいいよ。
自信をもって、ね。




まじめな人

言われたことを、しっかりとする人のことを、
まじめな人と思っている人がいるよね。
しかしそれは誤解だよ。
まじめな人というのはね、自分で決めたことを、
しっかりと守れる人のことをいうよ。
他人に言われたことをするのではない。
自分で決めたことを、だよ。
人が見ていようが、見ていまいが、
そういうことは関係ないよ。
あくまでも自分の問題だよ。
まじめか、どうかということは、ね。
だから、まじめな人になるというのは、
実は、とってもきびしいことなんだ。

ぼくはどんな寒い日でも、風が強い日でも、
自転車で仕事に通っているよ。
健康のためだけど、ね。
そういう意味では、ぼくも、結構、まじめな人だよね。
多分……?