
最近は、日本のテレビのニュースでもこの問題を取り上げるところが多くなっているような感じですが、最初に聞いたときは、これは一体どういうことなのか、さっぱり理解来ませんでした。
というのも、自国ではない国に不法に滞在していたら強制送還されるのが普通じゃないの❓と普通に考えていたからです。
でも、アメリカの場合はこんな単純な問題ではないようです。むしろ、凄いことになっていたことに驚きました。これでは、世界の人道主義者のみならず、お母さんたちがものすごく怒るんでは、と思うような内容。大統領夫人たちが怒るのも無理ないな、と思った次第。
トランプは昨年DACAの廃止をしました。DACA(Deferred Action for Childhood Arrivals、ダカと発音)とは、子供の時期に親に連れられるなどしてアメリカ合衆国に不法入国し、そのままアメリカで育った若者たち(通称ドリーマー Dreamer)の強制送還を防ぎ、進学や就職を可能にする法律だという事。これが廃止となれば、このドリーマー達、アメリカで育ったにもかかわらず、元々の国に強制送還になるという事です。
だったら元々の国に帰ればいいじゃん、とも思ってしまうのですが、アメリカで育った彼らはすでに教育もアメリカで受けており、母国語の方が満足ではない、つまり心は既にアメリカ人。加えて、中南米などの国ではギャングの暴力が日常茶飯事で、母国に帰ったらその暴力により殺される危険性が高いのだそうです。
オーマイゴッド、です。国に帰ったら殺されるとは。信じられない世界。
そして今年4月には「ゼロ寛容」政策、つまりアメリカに不法入国するものは徹底的に排除するというものが発令されました。これにより、以前は亡命希望者は受け入れるということだったようですが、それが覆され、逮捕されることとなったようです。また、収容する際には親子で、ということも破棄され、また親子分離は「連邦刑務所に未成年者を連れていけない」という理屈からおこなわれているということで、このため、引き離された子供の数は4月から5月にかけての6週間で約2,000人。6 月に入っても同政策は続いており、分離された子供の数はこれまでに2,400人に上るとの報道もあるということ。
2000人以上❗️
この子供達、どうするんだろう。そしてこの子供達が置かれているのがこんな環境。

確かにこれではかわいそうという気持ちが起きても仕方ないような環境。それに、アメリカ当局に引き取られた後に行方不明になっている子供が1500人もいるという事なんですが、これは一体、どういう事なんでしょうか。
オバマの時って、移民にもっと寛容ではなかったのかとも思うのですが、そのオバマの政策にことごとく反発しているトランプ。
以前、日本にも同じような移民の問題がありました。タイ人のお母さんを持ち、そのお母さんの事情で日本で生まれ育ったというウティナンくん。

当時大きく報道されたので覚えている方もおられると思います。その後、在留許可を求めて裁判を起こしますが、一審、二審とも棄却。その後はどうしたんだろう、と思ったら、昨年の12月に特別在留許可が降りて、今は山梨で頑張っているようです。でもこれは1年間だけ。今後は、今年の9月くらいまでに、進学なり就職なりを決定して、日本に定着していることを示さないといけないようです。ウティナンくんの場合、地域の人の支援も大きいようです。
ウティナンくんが書いた日本語の作文です。

たった一人の不法滞在でも、その後の人生を決めるためには、膨大な時間と対策が必要です。
では、この2000人以上の子供を単に受けいられないという理由だけで、強制収容所のような場所に留めておくという事は、その膨大な時間と対策を削るのには良いのかもしれませんが、将来的にはどうなんでしょう。かえって、アメリカに敵を作ってしまうのでは、とも思うのですが。。。特に、幼い時にこんな恐怖を植え付けるのも、アメリカにとっても不利益ではないでしょうか❓
今、アメリカには不法滞在の人が1100万人もいるのだそう。
そんなにいるんなら、この人たちをもっと有効にアメリカ人として活用すれば良いのにと思ってしまう。そういう事は不可能なのでしょうか。
また、帰れば殺されるというような人を強制送還ではあまりにも、とも思います。
今回の問題、トランプは一体どこに落とし前をつけようとしているのか。
日本と比べてアメリカは土地が広いんだから、「困っている人はアメリカに。その代わりに、アメリカのために貢献して。特に中南米に限る」というような太っ腹な政策でもとったら、世界から賞賛されるのかもしれません。
子供に罪はないです。