ブナムシ日記

山形は上山を拠点にロックフィッシュ、トラウトを求めて釣り歩き。そしていつも北海道へ思いを馳せるブナムシのブログ。

主峰、大日岳

2013-09-25 23:30:01 | I am a mountaineer

9/18,19。 セカンドとなる単独行、飯豊連峰。

ルートは前回と同じだが、今回のメインディッシュは飯豊連峰主峰の大日岳。 

特段、急ぐ必要もなく前回のように明るくなってからノンビリ歩き出してもよかったのだが、雲一つないピーカンが約束されている上に連休を無理くりつくってきたという、胸が高鳴るためには余りあるすぎる要因が、ボクを急がせた。

ヘッドランプの灯りを頼りに1時間以上も歩いたが、ヘッドランプ山行もすっかり慣れてしまったものだ。 暗闇の樹林帯も、間もなく朝がやってくるのだから意気揚々と駆け上っていく。

今朝の朝日は木々の間からの眺めになるけれど、明日の朝こそは2000m峰のトップでその瞬間を迎えられることに確信を持っている。

地蔵岳まではあっという間。 

予想どおりの雲一つないピーカンにハイテンション。 疲労などまったく感じない。

三国岳方面には、冬に散々通い詰める磐梯山。

猫魔スキー場がボクを待っているのだ。

主稜線に出れば、脳内麻薬が一気に吹き出る。

ボクより高いところに雲が一つも確認できないこの景色はハンパない。 大日岳も、その全容をハッキリ確認できたのは初めてだった。

これまで、ケッコーしんどかった本山への登りもアドレナリンが出ているせいだろうか、ほとんど疲労を感じずに一気に登り上がった。 この急登を登り終えれば圧倒的なスケールの展望が待っている。 その確信だけでテンションの絶頂を迎えることができるぼくはとっても幸せ者だ。

その瞬間が待ち遠しくてとても立ち止まって一息入れている場合じゃない。

ハイカーはこの前とうってかわってまったく少ないもんだった。 こんな天気なのにホントもったいない。

本山山頂もボクが独り占め。 うっすら紅葉が始まっていたけれど、それも吹き付ける風の冷たさに納得させられる。

十分すぎる日差しはボクの体を暖めてくれるが、素肌を露出している指先などは間もなくかじかんでくる。 明日の朝に期待を込めて、早々に先を急ぐ。

北股岳方面と、奥には大好きな朳差岳。

御西岳からの大日岳の景色はとても画になる。 間もなく終わる夏山の雰囲気も歩いているとちょっと悲しいカンジがした。

今回のメイン、大日岳へ。

3回目にして申し分のない大日を味わえたボクはとても運がいい。 御西小屋の管理人さんが言っていたが、大日岳にはほぼ毎日雲がかかるらしい。

三角点が立つとされる西大日岳もすぐそこに見えるが、やっぱり高山植物を踏みつけてあそこまで行く度胸はボクにはない。

大日岳より:飯豊本山~三国岳

大日岳より:烏帽子岳~北股岳

主稜線からのどっしり構える大日の風景も素晴らしいが、大日からの360度のパノラマはvery good!

一つの目標であった『大日から主稜線を眺める』ことができた達成感はあまりに大きかった。 大日のピークで思う存分にその雰囲気を愉しんだ。

大日岳2128m。

そしていよいよサンセット。 太陽がちょっと高い位置にある時からその光が完全に消滅するまでずっと眺め続けていた。 このベストアングルなスポットを独り占めして、今日を振り返り、明日に期待を込めるこの至福の時がたまらない。

『Etupirka / 葉加瀬太郎』『THE SONG OF LIFE / 鳥山雄司』を大日岳を眺めながら聴くことも今回の楽しみの一つだったが、 2000mの峰々とのベストマッチは素晴らしくてホント、くせになる。

二日目。

前回、逃してしまったサンライズ。 今回こそはと3:40には小屋を出た。 そーういえば、御西小屋にはボクともう一人のおじさんだけだった。

そしてボクはその一瞬を手に入れた。 完璧なまでのコンプリート。 この後間もなくしてビデオカメラもカメラも、電池が切れてしまったが結果オーライ。 

あとは、燃えるような紅葉に染まる飯豊を見に来れるかどうか。 天気と休みとボクの気まぐれな心がいい方向に転がってくれることを祈るのみである。

syuhou Dainichi http://youtu.be/XbsA4SmJ7Y4

 

Day1 大日杉小屋4:20 - 地蔵岳6:15 - 切合小屋8:15 - 本山小屋9:45 - 飯豊本山10:20 - 御西小屋11:40 - 大日岳12:40 - 御西小屋14:00

Day2 御西小屋3:45 - 飯豊本山4:45 - 本山小屋5:50 - 切合小屋6:50 - 地蔵岳8:20 - 大日杉小屋9:30

 

 


The September Miracle

2013-09-17 21:38:34 | I am a mountaineer

September miracle。

二日間の連休をゲットすることに成功したボクはチョーハイテンション。

一泊二日のパッキングがどれほどなのか、実際にこの前は計らずじまいだった。 

15.6kgという重さは、背負ってみて『激重』と感じるほどのものではない。 やっぱり、お盆の縦走の時のザックの重さが体に染みこんでいるからだろう。

あの時は、これにもう一日分の食事+衣服+テントがあったのだから、今思えばハンパない。

出典:気象庁HP

出典:気象庁HP

どー考えても晴れ以外検討がつかないこの天気図。 今日からの3日間、崩れる要因がまったく見当たらない。

そんなタイミングで知らないふりして振休の申請を出し、連休をつくるボクもワレながらによくやったもんだと思う。 ホント、ミラクルだ。

このごろすっかり手放せなくなってしまったケータイを利用したGPS。 オフラインでもかなり正確に現在の居場所を地形図上に落としてくれる、チョー利用価値の高い文明の力だ。

今回の目標も明確。 申し分ないパノラマをとことん味わってこよう。


誘惑

2013-09-12 23:27:19 | I am a mountaineer

飯豊の誘惑。

日没後の刹那の時間、主峰大日岳のバックの日本海に消えゆく夕日の下には新潟の夜景が輝き出す。 こんな出会い、甘い誘惑があるからこそ、僕たち登山者はきっと山に登るのだと思った。 

9/9。

先週の連休に果たせなかったアライさんとの一泊の山行計画。 ボクはリベンジとばかりに大日杉へ。

困ったことに、『大日杉』という場所はナビでは検索できず、仕方ないから『飯豊本山』とこのトレイルの初めてのピーク『地蔵岳』を目印に山村を縫う道路を走った。 ふと近くには『地蔵山』という山があるのにもびっくりだ。

そしていつもそうだが、出発しようとした時の眠さには閉口する。 でも天気はピカイチ。

ボクは大日杉を5:20に出発したが、ずっと前、真っ暗な中数名の方がすでに出発していたとのこと。 ヘッドランプ山行は僕らだけではないことにちょっと嬉しくなる。

地蔵岳まではあっという間。

地形図では地蔵岳から切合まではすんなりイケルものだと思っていたが、圧倒的なダウンから始まるアップダウンの繰り返しといつまでも近づいてこない主稜線にはウンザリする。

右手方向には雲に見え隠れする本山がウンザリしているボクの心を奮い立たせてくれた。

前回の山行では圧倒的にバテていた本山小屋直下の急登も、テントがなくて荷物が軽くなったおかげかすんなり通過してみたりして、この前味わうことの叶わなかったビューティーな景色がテンションをHighにさせる。

飯豊のトレイルの中で好きな景色はたくさんあるけれど、ボクのフェイバリッドは御前坂を見上げる位置からの本山方面の圧倒的な威圧感。 ここを今から登るの!?と思ってしまうような山の威圧感はしびれるくらいタマらない。

あとはやっぱり梅花皮小屋から見上げる北股岳の威圧感。

不規則に雲が吹き飛ばされ、雲と稜線と青空のコントラストは2000m峰にふさわしい。

飯豊のまっただ中にいることを実感させてくれるこの瞬間も、飯豊の誘惑に違いない。

本山をピークハント。 

数人の本山日帰りの方々とすれ違ったが、少し早めに出れば確かに日帰りも可能であることは事実。 そして飯豊名物、下山は走る。

トレランのランナーもいるのだろうが、日帰り装備の軽装登山者はみな走って下っていく。 ボクも二日目にまねして本山~切合までちょっと走ってみたが、足首グリンチョの危険性はもちろん、膝にかかる負担がハンパナイと思う。

本山~御西は快適な夏山トレイル。

今回こそはと、前回見れなかった御西岳の三角点がどこにあるのか探し当てるのに成功したぼくは想像に難くない貧相な山頂を眺めて終わってしまった。

でもそこからの大日方面の眺めはvery good。

山での一日はホントに長い。一日の行動だったのかと不思議に思えるほど長い時間を行動しているから変な錯覚が起きてしまう。 でもボクの陰が長く伸びるようになると、やっと一日の終わりが感じられるようになる。

長い一日の充実した疲労感を感じながら小屋でゆっくりできる至福のヒトトキ。

山での夕刻と朝は特別な時間だと思う。

主峰、大日岳。 

アルプスで見られるようなアーベントロートやモルゲンロートが東北の山で見られるのかはわからないが、それでも長い一日を振り返る夕方と一日の期待に胸ふくらませる朝はとても下界で味わえるそれとはまったく違う。

脳裏に焼き付くような夕日や日の出が見れたらそれこそ、僕たちはまたそこへ帰りたくなってしまうのだから。

火が沈むころ、小屋の中では各々がバーナーに火を点しささいなご馳走に満足する。 バーナーの優しい火は、綺麗だけれどとても質祖な小屋の中に彩りを与えて雰囲気をいっそう引き立ててくれる。

今回ボクはソロだったため静かな寂しい小屋泊を想像していたのだが飯豊の人気はそれを許さない。 ボクを含めて8人の宿泊者とテント2張り。 いつも通りお互い名前も聞かずアーデモナイコーデモナイと楽しいヒトトキを送らせて頂いた。 本山小屋にも8人の宿泊者がいたらしい。

翌日、小屋の中で一番早くストーブに火を点けたのはボクだった。 でもいつも通りだが快適な小屋の雰囲気に呑まれてしまいちょっと遅めの出発となってしまい、結局本山から見るご来光は叶わなかった。

ちょっと遅めの二番煎じみたいな、でもとっても綺麗な朝日を独り占めの本山山頂でご馳走になってしまった。 おまけに御西方面に映る本山の陰も写真に収めることができた。

正直、満足。

荷物が少なかったから、カメラも持ち込んだ。 

寒いサムイとがたがた言っていたけれど、本山小屋のところで10℃。 9月なのだから当然。

帰り、日本海方面には嫌らしい真っ黒な雲が広がっていた。

まだまだたくさんの車が止まっていたけれど、いつもで登山者はいるのだろうか。 そろそろ小屋の管理人も下山しそれぞれの水場も水を止めてしまうらしい。

紅葉美しいころ、叶わなければ初冠雪するころにもう一度飯豊の誘惑に誘われてみたい。

 

day1: 大日杉5:20 - 地蔵岳7:20 - 切合小屋9:30 - 飯豊本山11:36 - 御西小屋13:40
day2: 御西小屋4:20 - 飯豊本山5:50 - 切合小屋7:00 - 地蔵岳8:35 - 大日杉10:00

飯豊山行2013-9-9.10 walker:bunamusi http://www.youtube.com/watch?v=mhi_KRUSFjQ

 


ユメの世界へ

2013-09-07 23:06:40 | I am a freeskier

帰宅してシャワー浴びてご飯を食べて、とりあえずパソコンのスイッチを押す。 スイッチが押されれば寝るまでぐだぐだ。

そんな生活は、一日の仕事疲れをたっぷり溜め込んだ体に決して悪い物ではないと思う。 でも長く続けてきたそんな生活に一区切り。 チマタで話題のランニング、ジョギング。

『走る』なんてのはナマラ久しぶりだけれど、その圧倒的な快感はボクを虜にさせた。 『走る』ことがこんな快感だと思える自分がワヤ過ぎる。

まだ二日しか走ってないけれどオニューのシューズで、5kmくらい走って適度な疲労を感じてフィニッシュする。 もちろんイケイケなHip・Hopの流れるiPodを握りしめて。

先週、アライさんたちと一泊二日で飯豊への山行予定を立てた。 しかし悪天候でお流れ。 下界はほどほどな天候だったけれど、まあ中止は当然の判断だったと思う。

ことにする。

幸いなことにボクはまた2連休。 小屋泊、初のソロでの一泊二日のパッキングを終えたザックは、飯豊縦走の時よりも圧倒的にカルカッタ。

準備完了! 正直、

楽しみで仕方がない。 楽しみすぎていてもたってもいられない。 興奮しすぎて明日は絶対に仕事にならない。 ボクの気持ちはすでに2000m峰でテッペンポーズを決めているに違いない。 落ち着けない。 アンビリーバボー! 仕方ないから音楽でも聴くことにする。 ワヤ。

いざユメの世界へ。