9/18,19。 セカンドとなる単独行、飯豊連峰。
ルートは前回と同じだが、今回のメインディッシュは飯豊連峰主峰の大日岳。
特段、急ぐ必要もなく前回のように明るくなってからノンビリ歩き出してもよかったのだが、雲一つないピーカンが約束されている上に連休を無理くりつくってきたという、胸が高鳴るためには余りあるすぎる要因が、ボクを急がせた。
ヘッドランプの灯りを頼りに1時間以上も歩いたが、ヘッドランプ山行もすっかり慣れてしまったものだ。 暗闇の樹林帯も、間もなく朝がやってくるのだから意気揚々と駆け上っていく。
今朝の朝日は木々の間からの眺めになるけれど、明日の朝こそは2000m峰のトップでその瞬間を迎えられることに確信を持っている。
地蔵岳まではあっという間。
予想どおりの雲一つないピーカンにハイテンション。 疲労などまったく感じない。
三国岳方面には、冬に散々通い詰める磐梯山。
猫魔スキー場がボクを待っているのだ。
主稜線に出れば、脳内麻薬が一気に吹き出る。
ボクより高いところに雲が一つも確認できないこの景色はハンパない。 大日岳も、その全容をハッキリ確認できたのは初めてだった。
これまで、ケッコーしんどかった本山への登りもアドレナリンが出ているせいだろうか、ほとんど疲労を感じずに一気に登り上がった。 この急登を登り終えれば圧倒的なスケールの展望が待っている。 その確信だけでテンションの絶頂を迎えることができるぼくはとっても幸せ者だ。
その瞬間が待ち遠しくてとても立ち止まって一息入れている場合じゃない。
ハイカーはこの前とうってかわってまったく少ないもんだった。 こんな天気なのにホントもったいない。
本山山頂もボクが独り占め。 うっすら紅葉が始まっていたけれど、それも吹き付ける風の冷たさに納得させられる。
十分すぎる日差しはボクの体を暖めてくれるが、素肌を露出している指先などは間もなくかじかんでくる。 明日の朝に期待を込めて、早々に先を急ぐ。
北股岳方面と、奥には大好きな朳差岳。
御西岳からの大日岳の景色はとても画になる。 間もなく終わる夏山の雰囲気も歩いているとちょっと悲しいカンジがした。
今回のメイン、大日岳へ。
3回目にして申し分のない大日を味わえたボクはとても運がいい。 御西小屋の管理人さんが言っていたが、大日岳にはほぼ毎日雲がかかるらしい。
三角点が立つとされる西大日岳もすぐそこに見えるが、やっぱり高山植物を踏みつけてあそこまで行く度胸はボクにはない。
大日岳より:飯豊本山~三国岳
大日岳より:烏帽子岳~北股岳
主稜線からのどっしり構える大日の風景も素晴らしいが、大日からの360度のパノラマはvery good!
一つの目標であった『大日から主稜線を眺める』ことができた達成感はあまりに大きかった。 大日のピークで思う存分にその雰囲気を愉しんだ。
大日岳2128m。
そしていよいよサンセット。 太陽がちょっと高い位置にある時からその光が完全に消滅するまでずっと眺め続けていた。 このベストアングルなスポットを独り占めして、今日を振り返り、明日に期待を込めるこの至福の時がたまらない。
『Etupirka / 葉加瀬太郎』『THE SONG OF LIFE / 鳥山雄司』を大日岳を眺めながら聴くことも今回の楽しみの一つだったが、 2000mの峰々とのベストマッチは素晴らしくてホント、くせになる。
二日目。
前回、逃してしまったサンライズ。 今回こそはと3:40には小屋を出た。 そーういえば、御西小屋にはボクともう一人のおじさんだけだった。
そしてボクはその一瞬を手に入れた。 完璧なまでのコンプリート。 この後間もなくしてビデオカメラもカメラも、電池が切れてしまったが結果オーライ。
あとは、燃えるような紅葉に染まる飯豊を見に来れるかどうか。 天気と休みとボクの気まぐれな心がいい方向に転がってくれることを祈るのみである。
syuhou Dainichi http://youtu.be/XbsA4SmJ7Y4
Day1 大日杉小屋4:20 - 地蔵岳6:15 - 切合小屋8:15 - 本山小屋9:45 - 飯豊本山10:20 - 御西小屋11:40 - 大日岳12:40 - 御西小屋14:00
Day2 御西小屋3:45 - 飯豊本山4:45 - 本山小屋5:50 - 切合小屋6:50 - 地蔵岳8:20 - 大日杉小屋9:30