偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書291 板碑(福島県いわき市四倉)

2024年05月24日 | 里山石神端書

福島県いわき市四倉町薬王・薬王寺の板碑

 いわき市の北西部、仁井田川沿いの寺社を訪ねました。最初に訪ねた薬王寺は、大同年間(806~10)に徳一(とくいつ)によって創建されたというこの地方の名刹。徳一は法相宗の僧で、常陸から磐城そして会津に寺院を建立し仏教文化を広めたことで知られています。


 薬王寺には板碑が多く集められていました。参道に並ぶ板碑は関東に見られる緑泥石の薄いものではなく、自然石を利用したこの地方独特の形。寺の案内によると、板碑は参道をはじめ石段や境内に45基あるそうです。どれも頭に二条線、その下に大きな種字を刻した板碑で豪快です。



 いわき市の案内によると、この形の板碑はいわき市でも薬王寺を中心とした地域にだけに造立されたもので、年紀があるものは弘安八年(1285)から永和四年(1378)年の百年間だそうです。

 石段入口には乗り物から下りることを示した「下乗」銘の結界石も立っていました。
(地図は国土地理院ホームページより)



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