偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書292 亀趺(福島県いわき市四倉)

2024年05月28日 | 里山石神端書

福島県いわき市四倉町薬王・薬王寺の亀趺(きふ)

 いわき市の北西部、仁井田川沿いの寺社を訪ねました。最初に訪ねた薬王寺の境内に亀趺(きふ)がありました。

 亀趺は亀の形をした石碑の台座。石碑を造立するにあたり〝鶴は千年亀は万年〟のことわざにあるように、長寿の亀にあやかって石碑が末永く立ち続けることを願いました。亀趺は古くから中国で造立されていたもので、この国では江戸時代に大名など大型の墓石の台座としたのが始まりとされています。

 薬王寺の亀趺は笠塔を支えています。笠塔正面には「重罪一時/消滅生免/災殃死生」の宝筐印陀羅尼経が刻されていますから、これは宝筐印塔です。亀の顔はしっかり造られていますが、甲羅の部分は別の台座を重ねてあって端折られたもので亀趺としては見劣りがします。その顔には、耳と牙があります。実際の亀に耳はついていますが見えませんし、歯はありませんが、亀趺となると耳がついているものが多いようで、これは中国の亀趺でも同じです。
(地図は国土地理院ホームページより)



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