私が今住んでいる家は、私の生家ではありません。
私が生まれた所は、同じ県内だし、
お墓参りとかで、時々行くことはあるのですが、
ゆっくり歩いて、街並みを眺めたり、
ということはしていません。
数年前、生家を見に行ったことがあります。
なんだか、小さく見えました。
もともと、お洒落な家だとは思っていなかったけど、
今の家と比較してしまうせいか、
とても、みすぼらしく感じました。
幼稚園に行くとき、通っていた森も、ちっぽけな、
本当にちっぽけな木立ちにしか見えませんでした。
でも、それらの場所には、たくさん思い出が詰まっていて、
寂しいような、なんとも言えない気持ちになりました。
将来、自分がこんな気持ちになるなんてことは、
あの頃の私には、想像も出来ませんでした。
この先も、想像も出来ないようなことが、
いくつも待っているのでしょうか?
あれから幾度となく、細胞は生まれ変わり、
私は、あの頃と同じ私ではなくなり、
ただ、真贋あざなう記憶だけが、
私を私に繋ぎとめているのかもしれません。