死者の奢り 大江健三郎

「ノーベル文学賞作家って、どんなの書くのかな～」
と思った事はありませんか？

そう思ったお客さん、あなたラッキーよ！
これ紹介するから見ていってよ！
（どこのＴＶショッピングだ）

以前に同賞受賞の川端康成は紹介したので、今回はもう一人の受賞者、大江健三郎氏の作品をご紹介しましょう！

実は管理人、
「ノーベル文学賞獲った人の作品って、何か賢そうだな～。えへ。頭が良くなるかも☆」
と言う大変頭の悪い動機でこの本を手に取りました。


その名も
「死者の奢り」他5編　　大江健三郎


・・・考えが甘かった。甘い。甘いです。
あんみつにメープルシロップかけて食べるくらい甘い！！

おっと、「読んでみようかな」と思った人を驚かせちゃいましたね。
安心して下さい。文章は平易で、話も一つ一つは短いので、読むことに苦労はしません。
それどころか、あまりに簡単に読み進められるので、拍子抜けしちゃうくらいです。

ただ内容が重い。


むちゃくちゃシビアで、読了後は両肩にずっしり現実がのしかかってきます。
この徹底して甘えを取り除き、厳しい現実を淡々と浮かび上がらせる表現力が凄いと言えば凄いのかもしれませんが。読んだ後すぐには気分的に立ち上がれません。

ただ戦争にまつわる話も多いので、個人的に学生の皆さんに読んでもらいたいです。管理人が読んだ戦争物は、「飼育」「人間の羊」「不意のおし」「戦いの今日」です。高校生くらいから読めると思います。もし夏休みの宿題で戦争にまつわる本を読みなさい、とか言われたら、是非これを。もお、絶対戦争なんてしちゃいけないと思いますから（涙涙）。

ガラスのハートを持つ自分には厳しいかも、と思われた方は「死者の奢り」をお薦めします。
医学部にあるアルコール水槽に保存されている、解剖用死体を処理するアルバイトについた「僕」と、それを取り巻く人々と、仕事の話です。
解剖用死体ってどんな感じなのだろう、こんなアルバイト本当にあるのかな（どきどき）と、不謹慎ですが知的好奇心を満たしてくれる一作です。

ただ、タイトルと内容からお察しの通り、‘スキッと爽快！今日も太陽が眩しいゼ’な読後感は得られませんので、むしろその反対ですので、ちょこっと覚悟して本を開いて下さいね☆


管理人が偏見で採点。★５つが満点です
読みやすさ★★　重さがどうも。。
それでも一度は読んで欲しい度★★★★★　もう本当に戦争は駄目だ！と思いますから（涙）




イラストは「ドリトル先生」からトミー・スタビンズ君。
やっと描けました～！もう彼はいい子なんですよ～v
「ドリトル先生」はとても面白いですよ。トミー君がどれだけいい子かも良くわかります！ブックレビューで一番始めに紹介していますので、良かったら読んでみてください。
全くオリジナルですが、彼は多分金髪碧眼ではないかな～と思って描きました。
原作の挿絵でセーラー服を着ていて可愛かったので、無理矢理着せてみたり。