(下記は2011年当時のブックレビューです)
もう忘れられてしまってるかも、というぐらいお久しぶりのブックレビューデース!!
そうなんです。
最近全然本を読んでないんでさぁー、旦那!
これが不思議なモンで、本って読みたい本がいっぱいある時と、全然ない時があるんですよ!
本って、不思議だねぇ、ムーミン(スナフキン調で)。
と、言い訳は置いておいて。
ところで皆さんは、一般的に本を読もうと思う時は、ストーリーが気になって本を手に取るという事が多いと思いますが、たまに『本よりもそれを書いた著者』に興味があって本を読んでみる、そんな時もありませんか?
今回は管理人がそんな動機から手に取った一冊をご紹介します。
その名も
わたしを離さないで カズオ・イシグロ
あらすじはこちら(ハヤカワepi文庫から全文抜粋)。
『優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度・・・。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく___』
最初に白状しておきましょう、そうしましょう。
管理人は、イシグロ氏を『イギリスに住んでいて、活躍している日本人小説家』
だと思ってたんですよー。
略歴をロクに読まず、
『なにっ!?日本人なのにイギリスに住んでいて英語で小説を書いている!?』
『でもってイギリス最高の文学賞、ブッカー賞を受賞とな!?』
『だから日本で読めるのは邦訳版!?それは面白そう!!』
と思って本著を手に取ったわけです。日本人なのに英語で小説を書いててそれがイギリスで売れてるなんて面白そうだと。
しかし改めて調べてみると、
『5歳の頃から親の仕事の関係でイギリスに住み現在に至る』って、英語ペラペラなの当たり前じゃーん、
というか、
『1982年にイギリスに帰化』・・・って、イギリス人じゃん!!
というわけで、大誤解していたんです。
ご両親は日本人だから、名前は日本名であるわけだし、見た目も日本人と何ら変わらないわけですね。ただ、幼少の頃からイギリスに住んでいてほとんど日本語はできないそうですから、見た目は日本人でも中身はイギリス人というわけですね。誤解しておりました。すみません、ハイ。
ですので、管理人のように「イギリスで書かれた日本人的テイストの入った物語」と誤解して読むと肩透かしをくらう可能性が大!!
もうこれは外国作品なんだ(実際そうですが)と割り切って読んだ方が良いでしょう。
ところで気になるストーリーですが、
うーん、物語全般の淡々とした空気と奇妙な設定は押井守作品を見ているようデース。
世界観が奇妙なのでこれぐらい抑制を抑えている文章の方がいいとは思いますが。
ただ、物語の時系列がわかりにくい。
文章が主人公キャシーの独白体で幼年時からの回想録となっているのですが、彼女が一つの思い出を語る時に、途中でさらに過去の記憶に飛んだり、現在に戻ったりとあっちやこっちに話が飛ぶ為、いつの話をしているのか分からなくなる事が度々あります。
誰かが会話する時に話があっちに飛びこっちに飛びする事はよくある事で、それがリアルっちゃあリアルですが、物語としては読みづらいです。
また、この物語の個性は、読み進んでいくうちにじわじわと見えてくる独特な設定ですが、それでもその謎解きを楽しもうと、ミステリーのつもりで読むと肩透かしをくらってしまう危険性が大です。
確かに奇妙な世界観は物語のベースにはあるんですが、そちらよりも主人公の学生生活の方に重点が置かれている様に思えました。「SF版車輪の下」というか「SF版ライ麦畑でつかまえて」というか。
ミステリー好きより、イギリスの学生ライフ(寮生活)を読むのが好き!イギリス文化が好き!という人でないとちょっと楽しめないかもしれません。
日本人が書いたと思って読むと大失敗。
ってそんな失敗するのは管理人だけでしょうか・・。
いや、日本にもう10人くらいはいるはずだッ!
管理人が独断と偏見で採点。★5つが満点です。
読みやすさ★★★★文章は易しいです。
管理人のような失敗をやらかした人は多いのではないかと勝手に思う一冊。★★★★★MAX ヤッハー!
ブログランキングに参加しています。自分もイシグロ氏は日本人だと思ったよ!という方はクリックを!
携帯の方はこちら
人気ブログランキングへ
パソコンの方は下記リンクをクリックして下さい。