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季節のブログ『ほっとひといき・四季の便り』

日本の美しい四季の移り変わりのなかで、季節の風景や食べ物など何気ない日常を綴る日記です

『江戸の春・雛市の季節』

2018年02月25日 | 日本の四季の風習

江戸時代、「日本三大雛市(ひないち)」として知られたのが「江戸十軒店」「鴻巣」「越谷」の雛市です。

雛市とは文字通り雛人形を売る市(いち)で、人形店はこの市に合わせて競うように商品を並べて販売したといいます。

三大市の「江戸十軒店」とは現在の日本橋室町三丁目あたり、「鴻巣」「越谷」は埼玉県の鴻巣市と越谷市のことです。日本橋室町は今でも人形を扱う店が残っていますが、当時は尾張町から人形町、浅草茅町、池之端などでも雛市が開催されていました。

ちなみに浅草茅町は現代の雛人形の大手メーカー「久月」や「吉徳」が、江戸時代に店を開いた場所でもあります。

一方、鴻巣や越谷のある埼玉県は節句人形作りが盛んで、全国第一位(シェア46%)を占める土地柄とのことです。同じ埼玉県岩槻市の雛人形も有名ですね。

岩槻は日光街道の宿場町であったことから、日光東照宮の造営に関わった職人が住むようになり、雛人形作りに尽力したという話も伝えられています。人形作りに欠かせない桐の木や清浄な水に恵まれた土地である点もプラス材料だったようです。

現在の日本では雛市はあまり見かけません。が、日本橋に軒を並べる三越や高島屋などのデパートで華やかに雛人形が売り出されます。これも現代版の雛市といえるのかもしれません。

(※画像は江戸時代の日本橋通りを描いた「熈代勝覧」から『雛市』の様子)

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