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SOFTVINYL TOYS 

チェビラーシカの外出

2005-03-20 17:03:32 | Weblog
休日のためなのか、人々でごった返した店内で思いのほか時間をとられたが
チェビラーシカは全ての買い物を済ませ、給油所へ寄った。
1台の白いワゴン車が止まっている。棲野布(すみのふ)の車だ。
「おう!チェビラーシカ。ひさしぶり!その後のやつの成長具合はどうだ?」
「さあね。俺の仕事は見つけたところで終わってるからな。マデーリにでも聞いてくれよ。」
「マデーリはだいじょうぶなのか?このところ見かけないが。まぁ、何かあったら
すぐに飛んで行ってやるから。電話番号は知ってるだろ?
名刺が新しくなったんだ。渡しておくよ。」
《生物科学研究所付属特殊捜索機動隊 城西地区KOUENJI支部 第一部隊 隊長≫
「すごいな。隊長になったのか?」
「長すぎるんだよ肩書きが。フルで呼んでいたらその間に獲物が逃げちゃうよ。」
名刺と言っても、紙ではなく、バーコードの入ったプラスチック製で
何かのメンバーズカードを思わせるものだった。
「このバーコードを携帯で読み込んでくれれば、電話番号だけではなく
特捜隊に関する色々な情報が取り込めるんだ。無くさないでくれよ。」
「玩具みたいな名刺だな。あとでじっくり遊ばせてもらうよ。」
チェビラーシカは、車のキーと引き替えに、その名刺をポケットにしまった。

街道沿いの桜が一斉に花開き、春の風に散らされまいとしてけなげに耐えているが
物理と力学の法則に従って引きちぎられた花びら達が風の絵を描く。
チェビラーシカはその絵の中に時速50キロのスピードで突っ込んでいって、別の絵を描く。
桜と風と道とチェビラーシカで描いた絵はバックミラーで確認する間もなく
一瞬でまた別の絵になる。時空と物体のダンスだ。
チェビラーシカはそれに夢中になって、車を飛ばした。
その頃、ラボで何が起こっているのかも知らずに。

怪獣ブロッパスとは何か?

2005-03-20 16:54:01 | Weblog
「ブロッパスを麻酔で眠らせた後、細心の注意を払って培養器から取り出し、
各器官や組織検査をおこなう。マデーリくん、君はすぐにその準備に取りかかってくれ。」
「Dr.ムニェーニエ、コイツを最初に見つけたのは、俺だ。俺にやらせてくれよ。」
「だいじょうぶよ、チェビラーシカ。私の方が検査に関しては慣れているわ。
私達はこれから何時間か検査室にこもりきりになる。必要な物のリストよ。
これだけあれば足りるはずだから。」
マデーリは車のキーと財布、買い物リストをチェビラーシカに渡した。