空色のサンダル

サバーの納車を心待ちにしながらも、時々冷静になって青ざめます。
「とんでもない買物しちゃったかな…」
さすがにあのクルマを妻に運転させるわけにはいきません、というより無理でしょう。妻は普段はほとんど運転はしませんが、免許は持っています。何かの時に運転できるクルマがないというのもマズイ。しかもサバーの納車前にディアマンテワゴンの車検切れは確定的。
という事で、ディアマンテワゴンを売却し、サバーの購入時に「出来れば」、と考えていたゲタグルマ兼妻のクルマを購入することにしました。コンパクトで、安くて、それでいて安全で、できることなら楽しいクルマ。
候補はいくつか上がりましたが、ほとんど悩むことなく決定しました。

Peugeot 206 XT　(Model Year : 2002)　です。
　　

はじめてのフランス車、勿論はじめてのプジョーです。
ボディーカラーはサファイアブルーという淡いブルー。水色、というより空色というイメージです。1.4リッターのベーシックグレード、残念ながらATです。シートデザインが変更になった2002年モデルですが、2001年12月登録のディーラーのデモカー。10ヶ月落ちで走行800kmという中古車を、自宅近くの正規ディーラーから購入しました。こちらは1週間でのスピード納車です。

プジョーというメーカー自体は親しみを持っていました。若い頃のGTI対決の時は、ゴルフより小粋な205が好きだったし、インテグラーレに乗っている頃に大変評判の良かった505が生産中止になると聞き、かなり心が動いたこともあります。
妻もかなり気に入ったようです。最初のうちは「ギザギザのシフトが使いズライ～」などと言っていましたが、そんなものはすぐに慣れます。ディアマンテワゴンの頃よりはるかに頻繁にステアリングを握るようになりました。

クルマ自体も予想以上に「楽しい」タイプです。非力といえばそれまでですが、もともと高回転まで回りたがる特性で、少しスピードを落とすとすぐにシフトダウン。とにかくにぎやかです。シフトパターンの学習機能はついていましたが、ほんとに学習してんのか、コイツ、って感じです（笑）。窓は広くて明るいし、サイズも足にするにはベスト。評判が悪い前述の4ATやドライビングポジションも慣れれば全く気になりません。
そして何てかっこいいんでしょう。
コーナリングも勿論FFのコーナリングですが、アウト側のタイヤから更に外側に「猫の足の肉球が現れてヒタヒタとサポートしてる」ような気もしないでもありません（笑）。
気分はちょっとおしゃれに、ゲタというよりはサンダルと言いたくなります。ミュール、って言っちゃうと私乗れなくなっちゃうんで。

ところが大きな誤算がありました。
サンダル代わりにするには許容範囲が広すぎたのです。加速は勿論大したことはありませんが、一度スピードに乗ってしまえば高速走行も全く不安なし。実際よりふたまわりくらい大きなクルマに乗っているような安心感を与えてくれるのには驚きました。
近所周りには206、高速を使う時には後に納車されるサバーバン、という計画は大きく狂い、サバーは完全にレジャーグルマ兼道楽の極みグルマとなってしまうのです。

予想を大きく上回る良いクルマでした。当然プジョーのイメージは急上昇。ライオンマークは伊達ではありませんでした。
サンダルだと思っていたら立派なランニングシューズだった、ということですね。