国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

衆-運輸委員会-11号 昭和58年05月18日 第1話

2014-09-11 12:39:43 | 国鉄関連_国会審議
すみません、暫く間が開いてしまいましたが、またおっとり刀で更新をはじめたいと思います。
今回は、昭和58年5月の衆議院運輸委員会議事録からアップさせていただきます。
特に、当時は国鉄赤字の元凶の一つに貨物があるということでかなり叩かれていたこともあり、後にJR貨物の初代社長となる、日本国有鉄道常務理事 橋元 雅司氏の名前を見ることが出来ます。
また、小林 恒人氏は元国労専従で、国労札幌地方本部副委員長から社会党で衆議院に選出、1980年6月の衆議院総選挙で初当選を果たした後4期連続で当選1993年6月の衆議院解散で引退しています。
国労出身者らしい発言が目立ちます。
特に、国鉄本体が貨物輸送に対して何も手を撃ってこなかったのではないかといった表現が目立ちます。
ぜひじっくり読んでいただきたいと思います。


98-衆-運輸委員会-11号 昭和58年05月18日

昭和五十八年五月十八日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 原田  憲君
   理事 三枝 三郎君 理事 三塚  博君
   理事 宮崎 茂一君 理事 湯川  宏君
   理事 福岡 義登君 理事 吉原 米治君
   理事 西中  清君
      鹿野 道彦君    川崎 二郎君
      久間 章生君    志賀  節君
      谷  洋一君    近岡理一郎君
      津島 雄二君    浜野  剛君
      原田昇左右君    箕輪  登君
      小林 恒人君    野坂 浩賢君
      渡部 行雄君    小渕 正義君
      四ッ谷光子君    田島  衞君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 長谷川 峻君
 出席政府委員
        内閣審議官   林  淳司君
        運輸政務次官  関谷 勝嗣君
        運輸省船舶局長 野口  節君
        運輸省鉄道監督
        局長      永光 洋一君
        運輸省航空局長 松井 和治君
        気象庁次長   西村 英一君
 委員外の出席者
        農林水産省食品
        流通局企画課長 青木 敏也君
        通商産業省産業
        政策局商政課長 小川 修司君
        運輸省航空局技
        術部長     長澤  修君
        運輸省航空事故
        調査委員会事務
        局長      中村  哲君
        労働省労働基準
        局賃金福祉部企
        画課長     伊藤 欣士君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 稲葉  哲君
        日本国有鉄道総
        裁       高木 文雄君
        日本国有鉄道常
        務理事     半谷 哲夫君
        日本国有鉄道常
        務理事     橋元 雅司君
        日本国有鉄道常
        務理事     三坂 健康君
        日本国有鉄道常
        務理事     竹内 哲夫君
        参  考  人
        (日本航空株式
        会社代表取締役
        社長)     高木 養根君
        参  考  人
        (日本航空株式
        会社専務取締
        役)      野田 親則君
        参  考  人
        (日本航空株式
        会社法務部長) 坂本 昭雄君
        運輸委員会調査
        室長      荻生 敬一君
    ─────────────
委員の異動
五月十日
 辞任         補欠選任
  小林 恒人君     中村 重光君
同日
 辞任         補欠選任
  中村 重光君     小林 恒人君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  大村 襄治君     箕輪  登君
同月十八日
 辞任         補欠選任
  井岡 大治君     渡部 行雄君
  下平 正一君     野坂 浩賢君
  中馬 弘毅君     田島  衞君
同日
 辞任         補欠選任
  野坂 浩賢君     下平 正一君
  渡部 行雄君     井岡 大治君
  田島  衞君     中馬 弘毅君
    ─────────────
四月二十八日
 総合公共交通体系の確立と国鉄の分割・民営化反対に関する請願(横山利秋君紹介)(第三〇一五号)
 ハイヤー・タクシー等の安全輸送確保に関する請願(伊賀定盛君紹介)(第三〇一六号)
 同(田邊誠君紹介)(第三〇一七号)
 同(塚田庄平君紹介)(第三〇一八号)
 同(中村茂君紹介)(第三〇一九号)
 同(野坂浩賢君紹介)(第三〇二〇号)
 同(藤田高敏君紹介)(第三〇二一号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第三〇二二号)
 国鉄の分割・民営化反対に関する請願(野坂浩賢君紹介)(第三一三四号)
五月十二日
 国鉄の分割・民営化反対に関する請願(井上一成君紹介)(第三一五六号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第三四五四号)
 同(井上普方君外一名紹介)(第三四五五号)
 ハイヤー・タクシー等の安全輸送確保に関する請願(佐藤誼君紹介)(第三一五七号)
 重度障害者に対する運輸行政改善に関する請願(吉田之久君紹介)(第三二三七号)
 同(米沢隆君紹介)(第三二三八号)
 同(石井一君紹介)(第三四五六号)
 同(奥田敬和君紹介)(第三四五七号)
 同(矢山有作君紹介)(第三四五八号)
 同(山下元利君紹介)(第三四五九号)
 同(綿貫民輔君紹介)(第三四六〇号)
 同(渡辺省一君紹介)(第三四六一号)
 同(渡辺美智雄君紹介)(第三四六二号)
同月十三日
 ハイヤー・タクシー等の安全輸送確保に関する請願(山花貞夫君紹介)(第三五二〇号)
 同(湯山勇君紹介)(第三五二一号)
 重度障害者に対する運輸行政改善に関する請願(岡田利春君紹介)(第三六七五号)
 同(北山愛郎君紹介)(第三六七六号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第三六七七号)
 同(八田貞義君紹介)(第三六七八号)
同月十六日
 総合公共交通体系の確立と国鉄の分割・民営化反対に関する請願(山本政弘君紹介)(第三七二四号)
 重度障害者に対する運輸行政改善に関する請願(高橋辰夫君紹介)(第三九四五号)
同月十七日
 国鉄の分割・民営化反対に関する請願(上坂昇君紹介)(第四〇一〇号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第四〇一一号)
 同(中村茂君紹介)(第四〇一二号)
同月十八日
 軽車両等運送事業者の荷主添乗禁止の立法化反対に関する請願(長亀次郎君紹介)(第四〇九二号)
 同(辻第一君紹介)(第四〇九三号)
 重度障害者に対する運輸行政改善に関する請願(愛知和男君紹介)(第四一九六号)
 同(田邊誠君紹介)(第四一九七号)
 同(中西績介君紹介)(第四一九八号)
 同(中野寛成君紹介)(第四一九九号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第四二〇〇号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
四月二十八日
 地方の公共交通の維持確保に関する陳情書外三件(山梨県議会議長山田健治外三名)(第二一一号)
 国鉄自動車の存続に関する陳情書外二件(熊本県玉名郡三加和町議会議長高木幸雄外二名)(第二一二号)
 国鉄松前線廃止反対に関する陳情書(北海道上磯郡木古内町議会議長西山兼松)(第二一三号)
 奈良県における国鉄貨物駅存続に関する陳情書(奈良県議会議長浅川清)(第二一四号)
 石川県における穴水等五駅の国鉄貨物取り扱い存続に関する陳情書(石川県議会議長上口昌徳)(第二一五号)
 青森県における国鉄浪岡駅貨物取り扱い廃止反対に関する陳情書(青森県南津軽郡浪岡町議会議長太田松太郎)(第二一六号)
 青森県における国鉄貨物取扱駅削減反対に関する陳情書(青森県上北郡野辺地町議会議長古沢磯吉)(第二一七号)
五月十七日
 国鉄貨物駅配置計画再検討に関する陳情書(栃木県議会議長橋本雄飛太郎)(第二六五号)
 国鉄足尾線及び真岡線の存続に関する陳情書(栃木県市議会議長会会長宇都宮市議会議長鈴木璋)(第二六六号)
 国鉄自動車の維持存続に関する陳情書外一件(直方市議会議長高嶋俊郎外一名)(第二六七号)
は本委員会に参考送付された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 海運に関する件
 航空に関する件
 日本国有鉄道の経営に関する件
 気象に関する件
     ────◇─────

○原田委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林恒人君。

○小林(恒)委員 先般、本委員会の中でも議論されましたし、また、参議院に送付されましてから以降、マスコミの報道を含めて国民的な関心を集めておりました国鉄再建にかかわる監理委員会の設置をめぐる議論が、この間長い間引き続いてまいりましたけれども、きょうは国鉄の再建問題と相まって、俗に言われる五八Xダイヤ改正、今日段階ではほぼ五十九年二月をめどにしてダイヤ改正を行い、貨物系統の合理化と、もう一つは省力化政策を具体化していこう、こういった施策が具体的に明示をされております。この件について若干の御質問を申し上げてまいりたいというぐあいに考えるわけであります。
 御案内のとおり、国鉄再建案、ローカル線廃止の問題や、あるいは加えて長期債務の取り扱い方、こういったものが多く議論をされ、さらに再建監理委員会がやがて設置をされるだろう、そういう中間を縫って経営改善計画が打ち出されてきている。この再建計画に伴う経営改善計画と、今度の監理委員会設置を前提とする緊急十項目、こういったものを総合的に判断をしながら、問題が後に残らないような施策を具体化をしていく必要があるのではないだろうか、こういう気がするのでありますけれども、そういう状況の中で、国鉄総裁としてやがて迎えるであろうこの貨物の省力化政策に向けて、総体的にどのようなことをしようとしているのか。特に利用者に対するサービスという問題が今度の提案の中には随所で出てきているわけですけれども、それらを含めて概括的な御説明を賜りたいと思うのであります。

○橋元説明員 お答え申し上げたいと思います。
 貨物につきましては、先生御承知のように、六十年度固有経費での収支均衡を果たすということを至上命題に目下改善策に取り組んでおるわけでございますが、六十年度の目標といたしておりました八百駅百ヤード体制を昨年の十一月のダイヤ改正の際に実施をいたしました。しかるところ、昨年あるいは一昨年に引き続きまして、貨物の輸送量が落ち込みが続くということでございまして、かねてから考えておりました抜本的な改善と申しますのは、ヤード系の集結輸送はいまや利用者、荷主のニーズに合わぬ。したがって、コストの安い、よりスピードが遠い直行輸送体系に切りかえるということで、全面的にそのシステムチェンジを行うということで目下取り組んでおるわけでございます。恐らくは来年の二月一日になろうかと思いますが、一日を期してダイヤ改正に踏み切りたいと思っております。
 そこで、百十年続きましたシステム転換でございますので、具体的には個々の荷主さんに大変な影響を及ぼすわけでございますが、それらにつきましては、目下個々具体的に荷主の方々とよく御相談を申し上げて、よりよい物流体系と申しますか、流通転換がかないますように、そしてその中で国鉄の貨物輸送が再活性化を図られますように、私どもとしては最大限努力をいたしている最中でございます。

○小林(恒)委員 国鉄の経営体制そのものについては、いまさら議論するまでもなく、大変大きな赤字を生み出してきた、こういった経緯がございますから、そういったものに対する対応をどのようにするのかということについては余り多く議論をする必要がないのかなという気がしないでもありません。しかし、これは推計でありますけれども、五十七年度の国内貨物輸送の総量について考えますと、実に五十七億トン前後と推定をされている。こういう実情の中で、国鉄は今日まで一億二千万トン輸送体制、こういったものがしかれてきたわけであります。しかし、実際問題はどうかといえば、一億二千万トンはおろか、一億トンをすでに切ってしまっているという輸送状況の中では、国鉄貨物の輸送シェアそのものが二%以下に落ち込んだ。こういう状況の中で、素人的に考えますと、あれだけの設備を持って、長年の歴史を持って積み上げられてきた国鉄輸送、こういったものが国内物流の実に二%程度しか、しかしそれももうどうしようもない、そこまで体制をしいていたのでは赤字がより増大をしていく根源になっていく、ちょっとだらしなさ過ぎるのじゃないのかという気がしてならないのです。それならば、今日までどんな施策を講じてこられたのか、この点について簡単な経過を御説明いただきたいと思うのです。

○橋元説明員 先生おっしゃるとおりでございまして、百十年の中で、とりわけ戦後でございますが、三十九年に二億七百万トンでございました。これを最高にいたしまして、高度成長時代にもかかわらず、四十五年ぐらいまで横ばいでございましたが、四十五年、六年以降、そしてまた、第一次、第二次のオイルショックを経て、貨物輸送量は激減を続けております。最近まとまりました五十七年度の輸送量は九千八百万トンばかりでございまして、ついに一億トンを割り込むというところまでまいりました。先生おっしゃるようにトン数では二%、少し足が長うございますので、トンキロベースではもう少しいくと思いますが、いずれにいたしましても物流と申しますか、輸送に占めるシェアというものは大変微々たるものに落ち込んでおります。
 その原因は、やはり鉄道の大量定型という特性を十分発揮しない分野でやっておった。むしろ特性を発揮できない分野で私どもが営々として輸送する、特性を発揮すべき分野においてその役割りは非常に極端に少ない。たとえば東海道、東京―大阪相互発着で見ますと、私どもの輸送分担は数%でございます。むしろそういった太い輸送、物が流れている分野でこそ大量定型、定時、高速、
定型といった特性が発揮できるはずでございますが、それができなかったというのが私どもの輸送の落み込みにつながる問題になるわけでございます。そこで、一日も早くヤード系の輸送、ヤードと申しますのは、御承知のようにそこに一たん入りますと中継時間がかかる、スピードが非常に遅い、コストもかかるという輸送体系でございますが、その輸送体系を拠点間直行輸送に全面的に改めるということによって初めて可能になるわけでございます。従来もそういった方向での試みはやってまいったわけでございます。たとえば昭和四十四年でございましたが、当時雑結輸送で行っておりましたコンテナを集約いたしまして、専用コンテナ特急列車、いわゆるフレートライナーと申しておりますが、そういった輸送体系に改めるというようなこととか、あるいは物資別の専用列車をつくっております。たとえば内陸部に対しては、私ども石油の輸送についてはほとんどそういった体系になっておりまして、輸送のシェアにおきましてもほとんど九割あるいはそれを超す分担率になっております。そういった各物資の特性に合った専用輸送を徹底的に推し進めるということでやってまいりました。しかし、まだまだ努力が足りないということで、今般、来年の二月を期しまして全面的にそういう方向へ切りかえるということを計画をいたしておるところでございます。

○小林(恒)委員 黙ってお話を伺っておりますと、結構努力をしてきたかのように聞こえるのですけれども、中身は余り努力をしたようには見えないわけですよ。昭和四十四年と言いますけれども、大きなダイヤ改正をやったのは昭和四十三年十月ダイヤ改正でしょう。昭和四十三年のダイヤ改正をやったときに何が中心でもってダイヤ改正が行われたのか、もっと正確に勉強しておかなければいかぬと思うのですよ。そしてごく近年では、五十三年ダイヤ改正の段階あるいは五十五年十月ダイヤ改正の段階でもって、国鉄は国民に対しても国鉄職員に対しても何と言ったか。もうこれが最低で、ここまで省力化政策をとればやがてV字ハンプをするのです、こう言ったのです。五十七年のダイヤ改正の中ではそんな言葉すら出なくなった。かてて加えて五十九年二月に向けてのダイヤ改正の中では、一億二千万トン体制を維持すること自体が大変むずかしくなった、こういう言い方になっているのですね。簡単に考えるというと、四十三年から以降、大体貨物のピークが三十九年だとするならば、四十三年に大手術をし、それから営々と手術に手術を重ねて内臓を全部えぐり出して、減量政策だけはやってきたけれども、それ以外の血となり肉となるような施策なんか何もなかったのじゃないですか。あるのだとすれば言ってみてください。多少はあるはずでしょう。コンテナがありますとか、いまも言われたように地域間急行を増発するとかということはあったでしょう。それ以外には努力の足跡がなかったのですか。

○橋元説明員 ちょっと簡単に申し上げたわけでございますが、四十三年は先生御承知のように地域間急行を増発するということで、いわば高度成長に向かう増強施策でございました。四十四年には、半年おくれたわけでございますが、コンテナについてそういったフレートライナー・システムを取り入れるということでございました。以後、四十六年、七年と参りましてフレートライナーをずっと増発することに懸命でございましたが、御承知のようなオイルショックによって一転経済情勢が変わるということで、今度は逆に需給の調整、いわゆる輸送供給力を削減するという方向に向かったわけでございます。五十三年の十月、五十五年の十月、それに先立って五十一年にも若干の微調整をいたしましたが、そういった削減策に転じたということでございます。
    〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕
大勢はそういうことでございますが、その中で、私どもとしてはやはりできるだけ直行タイプの輸送を増発し、ヤード系集結輸送タイプの輸送も削減するという方向でやってまいったわけでございます。
 なお、コンテナにつきましてはこれから大いに力を入れたいと考えておるわけでございますが、これももう二十年来やってまいってなかなか効果が上がっておりません。しかし、今度は発想を新たにしてやってまいりたい。これは運賃制度にもいろいろな問題がございます。輸送方にも問題がございますが、そういった輸送、運賃、営業制度全般にわたりましていろいろ検討を加えて、抜本的にコンテナ輸送制度の改善に立ち向かってまいりたい、こう思っておるところでございます。

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