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第五章 分割・民営体制の矛盾の表面化と国労運動
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第七節 要求の多数派から組織の多数派へ
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「国鉄労働組合は、本年2月27日で結成50周年を迎える。
国労50年の歴史を振り返るとき、その歴史は、春闘をはじめとする生活防衛の闘い、労働条件改善、反合理化の闘い、反戦平和の闘いなど戦後日本の労働運動の歴史そのものであった。
そしてまた、幾多の弾圧や不当労働行為にも屈せず、班集会から分会大会へ、座り込みからハンガーストライキヘ、さらには順法闘争から時限ストヘと戦術を高めながら、組織を守り、営々と築きあげてきた諸先輩たちの苦闘によって、19世紀のドイツ法学者イェーリングの『権利のための闘争』を紐解くまでもなく、労働者の権利は闘ってこそ実現されることを身をもって示した50年でもあった。
どんなに立派で強固にみえる建築物であっても、土台が脆弱であれば、針の穴ほどの間隙によって瓦礫のごとく倒壊することを1年前の阪神大震災は教訓にした。
私たちの闘いもまた、50年の運動の歴史から学んだ教訓を糧に、ひるまず、あきらめず、そしてねばり強く継続することによって、法律をも踏みにじる相手側のほんの僅かの間隙をも見逃さず、一歩いっぽ相手側を追い込んできた。闘いが世論をつくり、その世論が頑迷なJR会社を追い込むという戦略をもう一度噛みしめ、私たちの戦線に、より一層厚みを加えていくことが勝利につながるものと確信する。…一・情勢は厳しいからとはじめから決め込み、守りに徹することは、闘わずして情勢に流される。待ちの姿勢から生まれるものは何もない。国労運動の歴史は、常に陥りがちな幹部請負や指令待ちの姿勢を戒め、みんなで一歩前へと闘い続けるなかから、活路を切り拓いてきたことを教えている。
国労の歴史は、決して平坦な道程ではなかった。私たちはその教訓のなかから学んだからこそ、あれだけの熾烈な攻撃によって多くの仲間を失いながらも、労働者の誇りを失うことなく、やはりおかしいことはおかしいと言える職場をつくるために仲 間を増やそうと肝に命じ、ここまで歩み続けてきた。」委員長挨拶はこう述べて、今こそ私たち国労が、50年の歴史のなかで培ってきた力を大きくし、新しい国労運動をきり拓いて行こうと訴えた。
続く
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