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第五章 分割・民営体制の矛盾の表面化と国労運動
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第三節 賃金・労働条件・安全確保をめぐる取り組み
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三 安全確保の取り組み
職場からの安全点検調査
この「安全総点検調査」(91年2月)による集計表によれば、1000件のうちの46.7%が「安全確保で設備・機器に問題がある」と回答し、「検査、修繕、運転当の諸規定は守られていますか」という設問に対して、守られているという回答は6.1%、ほぼ守られているという回答は48.0%であり、両者を合わせても54.1%でしかない。「多能化で仕事に不安がありませんか」という設問に対して、不安であるという回答が49.5%,少し不安であるという回答が32.7%であり、両者を合わせると実に82.2%が多能工化に対して何らかの不安を抱いているということになる。また「予備部品は確保されていますか」という設問に対して、確保されているという回答は4.1%でしかなく、確保されていないという回答が10.7%,不足することがあるという回答は34.7になっている。必要な時に、必要なだけの部品在庫を持てば良いという、いわば「在庫なし経営」を見習った結果として、必要不可欠と思われる部品さえもが確保されていないJR職場の状況が明らかになった。
また、「管理者は規定や技術のことを知っていますか」という設問に対して、「よく知っている」という回答は3.0%で、「まあまあ知っている」という回答の27.0%と合わせて、30%が「知っている」ということになる。これに対して、「余り知らない」
とう回答は34.9%であり、?ほとんど知らない?という回答の13.2%と合わせると、48.1%が「規定や技術を知らない」と回答している。「知らない」という回答が「知っている」という回答を上回っていた。これらのことは、公共交通事業を営むJR会社が、いったい安全問題にどの程度の気を配っているのか、その経営姿勢を厳しく問われなければならないことを示していた。
続く