心配することなんてなかったね。
このドラマは違った。
冒頭こそ冷めた目で「ちょっと長くないか?」とか思っちゃったが、
もうどんどんとストーリーに入っていっちゃったね。
とにかく語ることが多すぎて大変だ…。
万が一このデータが消えたら俺立ち直れないからチョコチョコ保存しとこうと思う。
物語は、雪穂が亮司が倒れている姿を発見するシーンから。
雪穂は亮司に駆け寄ろうとするんだけど、亮司は人差し指を立てて指差しながら
「行け……っ!」とかすれる声で言います。
原作のイメージとしては、亮司のその姿を見つけたとき
雪穂は目を見開くけどすぐに表情を直して立ち去るって感じでした。
だから雪穂が泣きながら背を向けて立ち去るのはちょっと違和感。
この指を指すのは後々への伏線でした。
そして子役の登場。泉澤君演じる亮司。切り絵を得意とする少年。これもまたすごかった。
彼の家庭は、母親は店員・松浦と堂々と不倫しています。
父親の洋介が帰ってきたというのに二人は全くやめる気無し。
亮司は無言でドアを叩きます。怒りとも取れますよね。
ただひたすら難しい本を暗記していた亮司。
川原でたたずむ少女と、図書館で出会います。
その少女は近づきがたい独特の雰囲気を持っていました。
彼女が家に帰ると、男物の黒い靴があり、『ハーモニー』と書かれたケーキの箱がありました。
彼女はそれを見ておびえます。母親はすがるようにその少女にある行為を乞います。
彼女の名前は西本雪穂。亮司は一瞬でひとめ惚れ。(だよね)
雪穂を演じる福田麻由子ちゃんもこれまたすごくてね。
まさに雪穂を演じるために生まれてきたと言っても過言ではないね。
彼女も最初は相手にしていなかったが、亮司の優しさに触れ、彼に心を開く。
川原で亮司が雪穂との共通点を必死に探すシーンは見ていてほほえましく思えました。
雪穂が言っていた「タイムマシーンがあったら、未来と過去どっちに行きたい?」
との問いに亮司は「過去!」雪穂は「未来」と答える。
これも伏線だったんですよね…森下さんはすごいな。
それからは雪穂と亮司は急速に仲良くなっていきましたね~。
走ってくるトラックの前に飛び出すシーンは、ある人へのオマージュ?
実際に言ってたしね、「僕は死にましぇーん!」
まぁ1991年が舞台だからね。ただそれなら、「カーンチ☆」も入れたら大爆笑もの。
すいません、ちょっとふざけました。続けます。
もうこのときの二人は見ているこっちが照れてしまうようでした。
老夫婦が手をつないで歩いているのを見て亮司は明らかに挙動不審で、
それを見た雪穂は微笑んで手をつないでくれました。
しばらく歩いて、雪穂は笑いながら「亮君、汗すごいよ」と言って
亮司はあわてて手を拭いて。そして再び手をつなぐ。
今考えると、これが彼らにとって最初で最後の『太陽の下で手をつなぐ』経験だったんじゃないでしょうか。
この直後、彼らがあの男と会わなかったら、こんなことは起こらなかったかもしれないのにね…。
二人が手をつないで歩いていたとき、洋介と松浦と遭遇する。
雪穂はつないでいた手をパッと離し、洋介に背を向ける。
亮司は何のことだかさっぱり分からない。
雪穂は「私、帰るね」とそそくさと走って帰っていってしまいます。
桐原家の食卓で洋介は亮司に、雪穂とはもう会うなと言います。
反発し自分の部屋に走っていく亮司。その後つぶやいた洋介の一言が切ないですね。
「あいつのためなんだ」
亮司はとにかく雪穂に会いたい一心で、彼女が通う小学校へと足を運ぶ。
が、雪穂は走って逃げてしまう。必死で追いかけて訳を問いただす亮司。
「気持ち悪い!」の言葉はずしんと来ますな・・・。
その後亮司は凹んでいたし。でも雪穂も辛かったと思いますよ…。
何とか自分の気持ちを伝えようと、亮司は手紙を書く。
そのとき、亮司は雪穂と母親が使われていない建設途中のビルに入っていく姿を見かける。
このとき「入るな亮司!」と思った原作既読の人が何人いたかな。
亮司にとっては辛すぎる、残酷すぎる瞬間です。
ダクトの中を通って雪穂の姿を見つける亮司。
しかしその姿は、服も、下着も何一つ身体にまとわず無表情で横たわって写真を撮られている雪穂の姿でした。
その写真を夢中で撮っているのが、洋介でした…。
そのときの彼の心境は考えただけでも恐ろしいです。発狂してもおかしくない。
なにしろ、自分が想っている人が自分の目の前で見たことのない姿をしている。
実の父親が、自分が想っている人に汚らわしい行為をしている。
この瞬間、亮司は全てを悟ったのでしょう。
なぜ、雪穂があの直後急によそよそしくなったのか。
辛すぎますね…。それしかいえない自分の語彙力が悲しいです。
亮司に気づいた洋介は必死に弁明します。
「お父さん……何してんの?」
亮司に気づいた雪穂は服で身体を隠す。
雪穂の姿を見ながら、亮司は涙をポロポロ流します。そこに父親からのこの一言。
「この子だって納得ずくなんだ」その言葉を亮司は聞いてしまいます。
そして、
亮司ははさみで衝動的に実の父親である洋介の左胸を一突きします。
原作では亮司は何回も突き刺すんですけど、さすがにそれをテレビでは出来ませんやね。
何回も刺していたら返り血がすごそうですしね。
どれくらいの時間が流れたのか分からなかった。
亮司ははさみを持ったまま震えていた。瞳から涙がとまる事はなかった。
「どうしよう・・・、どうしよう・・・、父さん殺しちゃった・・・どうしよう・・・!」
服を着終わった雪穂は、妙に冷静だった。
「殺したんじゃない!亮君には悪いけど私だった殺してやりたいと思ってた。何回も頭の中で殺した。」
亮司からはさみを丁寧に取り上げて
「だから、殺したのはわ・た・し・だ・よ…!」
このシーンは鳥肌が立ちましたね。
もう父親のあらぬ姿を亮司が目撃するくだりから涙が止まらなかったんですけど
(この涙は最近流すことのない類の涙だな←感動とかではなくただただ辛さ)
もう本当に、最近の子役ってのはすごいねぇ。
そんじょそこらの『俳優』と名乗ってる人より演技うまいんじゃないか?
そして、あの忌まわしい部屋を出た後、雪穂は亮司に言う。
「ひとつだけ約束しない?」
彼女いわく、自分たちは会ったこともなければ話したことのないただの他人だ、
と言うのだ。
そういうことにしたほうが絶対いい。彼女はそう言う。
「必ず連絡するから…信じて」
二人は指切りをする。そして亮司は「おやすみ」と言ってその場から立ち去る。
亮司としてはその場から一刻も早く立ち去りたかったのだ。
だが、そのことが、雪穂をもっと苦しめる結果になってしまった。
家に帰って、血のついたトレーナーを必死で洗う亮司。
その姿を松浦は目撃していた。
渡部さん、久々にねちっこい悪役をしてくれそうですね。
俺はそっちの渡部さんのほうが好きだから楽しみです
やがて、洋介の死体は菊池という男の子によって発見される。
笹垣は事件現場に急行する。
「…なんでこんなところにおったんやろ」
そこに、妻の弥生子が遺体確認のためにやってくる。
そして笹垣と古賀は、桐原質屋に足を運ぶ。松浦に詰め寄る古賀(が、松浦は軽く流す)をよそに、
笹垣は階段からこちらの様子をうかがっている亮司の姿を発見する。
急いで自分の部屋に逃げる亮司。
笹垣は、亮司と話したいと弥生子に申し出る。
亮司の部屋には、切り絵が額に入れられていた。
笹垣は亮司の態度に何かを感じたのか、いろんなことを聞いていく。
そして立ち去るときに、「…またなぁ」
風とともに去りぬの本を笹垣が気づいていなかったのは不幸中の幸い。
でも、本当に笹垣は怖かったよ…武田さん…。
金八先生はどこに行っちゃったの???
笹垣が帰った後、亮司は洋介・弥生子・そして自分が写った写真が入った
写真立てを投げつけようとする。
そこに、お茶を持った松浦が立っていた。にやあっと笑って
「リョウちゃ-ん、どうしたの」
松浦も怖いよ・・・。この後見せたニヤァッとした笑顔がキモかった(渡部さんごめんなさい)
雪穂は、写真のネガを焼却炉に入れて処分していた。
捜査線上に、雪穂の母・文代が上がるのはそう遅いことではなかった。
洋介は『ハーモニー』という店のプリンを買って、
文代の住むアパートに行っていた、という情報があったのだ。
しかも事件当日、洋介は銀行から200万円を引き出している。
笹垣と古賀は、西本家へと向かった。
一方、亮司は薄ら寒い毎日を過ごしていた。
夢には洋介や笹垣が出てきて、ぐっすりと眠れることはなかった。
学校では、自分が殺したのに被害者の家族を演じなければならなかった。
唯一吐き出せる相手からの連絡はいまだない。
図書館にも彼女は現れない。
亮司は、雪穂と会ったことを後悔し始めていた。
彼女と出会わなければ、人殺しなんてしなかった。
もしかして、俺はだまされているんじゃないだろうか。
雪穂はあのはさみを持って警察に駆け込むつもりなんじゃないのか。
何もかもが信じられなくなり、亮司は雪穂に太陽を奪われた気になっていた。
そんな亮司の姿を、雪穂は影からじっと見ていた。
ベンチで『風とともに去りぬ』を読んでいる雪穂のところに子供を連れた図書館司書・谷口真文が現れる。
「スカーレットって、天国に行けたんですか?生きるためにならここまでしても許されるんでしょうか」
「さぁ、でも、もしこの子が殺されちゃうって思ったらやっちゃうかな」
子供を抱きかかえ
「こういうことは、桐原君と話せばいいのに」
「…手紙でも書こうって思ってるんですけど」
雪穂が家に帰ってくると、そこには笹垣と古賀が立っていた。
雪穂は笹垣と古賀にお茶を入れ、別の部屋に行って本を読み始める。
「何よんどるんや?」
「風とともに去りぬです」
スカーレットのような強くて逞しい女性に憧れるという。
そこに、文代が帰ってきた。古賀は文代に洋介との関係を問いただす。
一方、笹垣はゴミ箱に捨てられていた『ハーモニー』の箱を見つける。
そして、雪穂のほうに視線を向けるが、雪穂は本を読んでいた。
ここら辺の記憶は定かではないのですが、こんな感じですね。
雪穂が笹垣が箱を見つけたのに気づいて笹垣のほうを見ているんだけど
笹垣が雪穂のほうを見る直前にパッと視線を本に戻す。
ここら辺の演出はさすが平川さん、堤さんの弟子なだけあって(俺が勝手に言っている)緊張感がありました。
そして笹垣は、「またなぁ」といって帰っていく。文代は見るからに慌てた様子だった。
松浦は弥生子に口裏を合わせることを持ちかけていた。
「だってさぁ、あいつらなんでも疑うからさ、
浮気がばれたらさ、この家からもらえるもんももらえなくなるよ?」
捜査は弥生子と松浦にも及んだ。
松浦は蔵にいたと主張し、弥生子は亮司とテレビでも見ていたんじゃないか、という。
二人は亮司にその日見たテレビの内容をたずねる
亮司はすらすら答えるが、笹垣はむしろ疑いを抱く。
「えらいよう覚えとるなぁ」
「忘れられない日になったから」
そして、洋介が200万円を持って西本家に入っていったという目撃証言が取れる。
西本文代を重要参考人として連行していくことが決まる。
雪穂が家に帰ると浴びるように酒を飲む文代の姿があった。
「どうしたのお母さん?」
「やってらんないよ…。明日警察に来いだってさ。あたしが何したっていうんだよ!」
その言葉に思わず握りこぶしをぎゅっとする雪穂が可哀想で可哀想で。
人殺しを容認するわけじゃないけど、
このお母さんは殺されてもしかたねぇだろ、とどうしても思ってしまいます。
だってさ、この発言だけじゃないんですよ。
「お母さんもやってきたんだ」とか、
[「どうしてそんなわがままばっかり言うんだよ!」とか、
もう、あまりにも、あまりにも殺意が湧き上がる母親でした。
11年間よく耐えたと思うよ・・・。
一方、古賀は先輩刑事から笹垣が無実の人を犯人として捕まえてしまい、
結果その犯人の一人娘がいじめにより自殺してしまったことを聞く。
笹垣が歩いていると、白い紙切れが飛んできた。
その紙切れは亮司が雪穂にあげた『風とともに去りぬ』の表紙絵の切り絵だった。
「もう終わるからね、亮君…」そうつぶやきながら雪穂は雪の結晶の切り絵も川に流す。
そして雪穂は母に風邪の薬を勧める。文代は酔いつぶれていた。
「雪穂ぉ、やったのってさ、あんただろ?だってさぁ、あんたしかいないもんね。
殺したくもなるよ、あんなオヤジ。大丈夫だよ、誰にも言わないよ。おやすみ…。」
・・・・・ほんっとにこの母親は・・・・・。
「殺したくなるって…っ、なんで?何で、何でそんなことさせたのよ!」
雪穂の目から思わず涙がこぼれます。
一回は殺そうとした母親だけど、やっぱり一人しか居ない母親なわけで。
もしここで母親が一言でも謝罪の言葉何なり言えば全てが変わった方向に向いたかもしれません。
人間、紙一重なんですよ…by羽村『高校教師』より
笹垣は事件現場で悶々と何かを考えていた。
そこに、西本文代と雪穂が一家心中を図ったという知らせが入る。
アパートを調べると、ガス心中ということが分かった。
そして笹垣は台所の戸棚から一個のはさみを発見する。
雪穂が目を覚ますと、白い天井があった。
「目ぇ覚めたか?」笹垣の声で雪穂は横を向き、そこに笹垣と古賀がいることを知った。
古河が雪穂に事のあらましを説明し始める。
母親が一家心中を図ったこと。
幸い自分が助かったこと。
残念だが文代は亡くなってしまったということ。
笹垣は雪穂にはさみを見せる。「これ、お母さんの?」「そうです」
雪穂の笑顔が印象的でしたね。
あれは、死ぬことすら神に許されなかった自分を恥じて、自嘲しているのか、
それとも母親だけ死んだことに、なにかおかしさ・滑稽に思ったのか。
なんにせよ、笹垣の前であんな怪しい真似はしちゃいけんよ雪穂。
笹垣は納得できず事件現場で考えていた。
ドアには重いレンガが置かれていて全く動かないし、窓も鍵が閉まっていた。
となると、移動手段はダクトしかない。
つまり、ダクトの中を行き来できる人間が犯人ということになる。
西本文代にはその芸当はおおよそ不可能だ。
となると、犯人は子供と推測できる。
だが、笹垣は肝心の動機を見つけることができなかった。
なにかはっきりとしないうやむやを胸の中に残したまま、笹垣は転勤を余儀なくされる。
雪穂は人殺しの娘として学校で居場所がなくなり、いじめを受ける。
それでも雪穂は毅然として決して下を向かなかった。ランドセルに貼られたガムテープが印象的です。
亮司は図書館で雪穂を待っていた。
もう既に半分ぐらい彼の心の中にはあきらめの気持ちがあったのかもしれない。
そんな亮司を真文はからかう。
「スカーレットってたくましすぎるよ。人殺しのくせに」
「…でもね、彼女はさぁ、夢を見るんだよ。自分の幸せが分からなくなって走り回る夢。
あんたのお父さんを殺した犯人も今頃怖い夢を見てると思うよ」
真文は亮司に雪穂から手紙は来たかと尋ねる。
亮司ははっとして、走って家に帰り、手紙を確認するがそこに雪穂からの手紙はなかった。
と、弥生子と松浦が捜査本部が打ち切りになったことを喜んでいた。
なんでも、犯人と目されていた西本文代が一家心中を図り、
結果子供は生き残ったが、母親は死んでしまったと言う。
亮司はそのとき初めて雪穂が言っていた言葉の意味を悟った。
『雪穂が全て背負ってくれたことに、あの奇妙な約束の意味にやっと気づいたんだ』
気がついたら亮司は走っていた。
ころんでけがをしても何度も立ち上がって、走り続けた。
『タイムマシーンの話しだけど 俺やっぱり 過去に行くよ。
そんであの日の俺に「逃げるな」って言うよ。
そうすればきっと 貴女の道は もう少し 明るかったハズだから。』
雪穂のアパートに行くとそこには捨ててくださいというメモが置かれた荷物の山があった。
雪穂は警察のところへ行っていた。
「こんなもんがほしいんか」笹垣ははさみを渡す。
「母さんの形見だし、もともとお父さんのものでもあるんです」
「なぁ、ひとつ嘘をついたらその嘘を隠すために何度も嘘をつかなあかんようになる。
おてんとさんの下一生歩けんようになるで」(曖昧・・・)
わしになんか言うことないんか、と問う笹垣に雪穂は何も答えず、
「いろいろ、お世話になりました」とだけ言って笹垣に背を向けて歩いていく。
笹垣は雪穂を背中を見続けて、呼び止める。
「なぁ、君やったらもしかしたらなれるかもしれんで。スカーレット」
「…ありがとうございます」
雪穂は再び歩き出した、笹垣は歎異抄第13章をつぶやいていた。
一方、亮司は最後の望みを図書館に託していた。風とともに去りぬ第5巻を探す。
本を見つけると、本には手紙が挟まっていた。
それを持ち、再び亮司は走り出す。
亮くんへ
いつか、この手紙見るかな?
そう信じて…書くよ。
何があったかは、たぶん亮くんが思っている通りです。
後悔なんて全然してないけど、本当は…
私自身もいっしょにいなくなるつもりだった。
私と亮くんを繋ぐ物は、とにかく全部消えてしまった方がいいと思ったから。
だけど… 肝心の私だけは残ってしまいました…ごめん。
どうも、私は神様に嫌われてるみたいで、
死んだら全部終わるんだっていう、
心のどこかにあったズルを見逃してもらえなかったみたい。
だけど、こうなったらどこまでも生きてやろうと思います。
親を殺してまで、手に入れた人生だから。
私は遠くに行きます。場所は言わないね。
人から見れば、もう亮くんは被害者の息子で、私は加害者の娘です。
私達が仲良しなのはどう考えてもおかしいし、
それがばれたら、きっと全てが無駄になってしまう。
今までも、これからも、会ったこともない、名前も知らない他人でいよう。
二人のためには、それが1番いいと思うんだ。
だけど…“あれ”はもらっていいかな? “あれ”は、亮君だから。
ドブの様な毎日の中で、白い花を咲かせてくれた、亮君だから。
いいことなんて何もないって思ってた私に、笑う事を教えてくれた、亮君だから。
何よりもあの時…私を助けてくれた、亮君だから。
亮君…、ありがとぅ…。
私、あの時ホント嬉しかった…。
生まれてきてよかったって…、もう十分だって…そう思ったんだ。
亮君は、私の太陽だったよ? 」
雪穂は電車を待っていた。
やがて電車がホームで止まり、雪穂は乗り込もうとした。
そのとき、誰かが自分の腕を引いた。亮司だった。
雪穂は最初少し驚いたが、亮司を見つめた。
汗だくで、ひざをすりむいて、それでも彼は自分を探してくれていた。
「雪ちゃんだって、どぶに花を咲かしてくれたじゃない!月の・・・っ。
俺、雪ちゃんと出会って笑えるようになったよっ・・・!
いいことあるんだって、そう思った。
雪ちゃんが言ってくれたこと、ありがとうって思ってるよ!
雪ちゃんだって、雪ちゃんだって俺の太陽なんだよ・・・、
行かないで・・・、行かないでよ雪ちゃん!強くなるから・・・、
雪ちゃんがこんなことしないでいいように、もう絶対逃げたりしない!」
もうホント、言葉になりませんよ。
子役とかそういうものを超越してましたよこのときの二人は。
まさに『亮司と雪穂』で、涙で過ぎて頭痛いです・・・。
雪穂は何度も涙をこぼした。
だが、やがて彼女は駅の入り口へ向かって指を指して
「行って。行って・・・。もう暗くなるから。」
亮司は手紙を切って大要の絵を作り、雪穂に渡す。
雪穂は電車の中でずっとその切り絵を見つめていた。
空を見上げる亮司。
いつの間にか、俺たちの上に太陽はなかった。
他人でいること以外、もうお前にできる事は何もないんだと
そう言われている気がしていた。
そして、7年後。
亮司は雪穂と別れた駅に今日も来ていた。
雪穂もまた電車に乗りあの駅を通り過ぎるのを窓からじっと見つめていた。
これぐらいにしとこう・・・。なんてぎりぎりなんだ。
脚本も、演出も、映像も、音楽も全て完璧です。文句のつけようがない。
ただ音楽は時々「ケイゾクのときの音楽と似てるな」と思っちゃいました。
音楽プロデュースは志田博英さんだっけ。ケイゾクと同じ。どうりでね。
すんません長くて。2話はすごく短めにしますんで。
なんせあらすじ&せりふなんかやってた日にゃあセンターやばいってなもんだ(もう既にやばい)
このドラマは違った。
冒頭こそ冷めた目で「ちょっと長くないか?」とか思っちゃったが、
もうどんどんとストーリーに入っていっちゃったね。
とにかく語ることが多すぎて大変だ…。
万が一このデータが消えたら俺立ち直れないからチョコチョコ保存しとこうと思う。
物語は、雪穂が亮司が倒れている姿を発見するシーンから。
雪穂は亮司に駆け寄ろうとするんだけど、亮司は人差し指を立てて指差しながら
「行け……っ!」とかすれる声で言います。
原作のイメージとしては、亮司のその姿を見つけたとき
雪穂は目を見開くけどすぐに表情を直して立ち去るって感じでした。
だから雪穂が泣きながら背を向けて立ち去るのはちょっと違和感。
この指を指すのは後々への伏線でした。
そして子役の登場。泉澤君演じる亮司。切り絵を得意とする少年。これもまたすごかった。
彼の家庭は、母親は店員・松浦と堂々と不倫しています。
父親の洋介が帰ってきたというのに二人は全くやめる気無し。
亮司は無言でドアを叩きます。怒りとも取れますよね。
ただひたすら難しい本を暗記していた亮司。
川原でたたずむ少女と、図書館で出会います。
その少女は近づきがたい独特の雰囲気を持っていました。
彼女が家に帰ると、男物の黒い靴があり、『ハーモニー』と書かれたケーキの箱がありました。
彼女はそれを見ておびえます。母親はすがるようにその少女にある行為を乞います。
彼女の名前は西本雪穂。亮司は一瞬でひとめ惚れ。(だよね)
雪穂を演じる福田麻由子ちゃんもこれまたすごくてね。
まさに雪穂を演じるために生まれてきたと言っても過言ではないね。
彼女も最初は相手にしていなかったが、亮司の優しさに触れ、彼に心を開く。
川原で亮司が雪穂との共通点を必死に探すシーンは見ていてほほえましく思えました。
雪穂が言っていた「タイムマシーンがあったら、未来と過去どっちに行きたい?」
との問いに亮司は「過去!」雪穂は「未来」と答える。
これも伏線だったんですよね…森下さんはすごいな。
それからは雪穂と亮司は急速に仲良くなっていきましたね~。
走ってくるトラックの前に飛び出すシーンは、ある人へのオマージュ?
実際に言ってたしね、「僕は死にましぇーん!」
まぁ1991年が舞台だからね。ただそれなら、「カーンチ☆」も入れたら大爆笑もの。
すいません、ちょっとふざけました。続けます。
もうこのときの二人は見ているこっちが照れてしまうようでした。
老夫婦が手をつないで歩いているのを見て亮司は明らかに挙動不審で、
それを見た雪穂は微笑んで手をつないでくれました。
しばらく歩いて、雪穂は笑いながら「亮君、汗すごいよ」と言って
亮司はあわてて手を拭いて。そして再び手をつなぐ。
今考えると、これが彼らにとって最初で最後の『太陽の下で手をつなぐ』経験だったんじゃないでしょうか。
この直後、彼らがあの男と会わなかったら、こんなことは起こらなかったかもしれないのにね…。
二人が手をつないで歩いていたとき、洋介と松浦と遭遇する。
雪穂はつないでいた手をパッと離し、洋介に背を向ける。
亮司は何のことだかさっぱり分からない。
雪穂は「私、帰るね」とそそくさと走って帰っていってしまいます。
桐原家の食卓で洋介は亮司に、雪穂とはもう会うなと言います。
反発し自分の部屋に走っていく亮司。その後つぶやいた洋介の一言が切ないですね。
「あいつのためなんだ」
亮司はとにかく雪穂に会いたい一心で、彼女が通う小学校へと足を運ぶ。
が、雪穂は走って逃げてしまう。必死で追いかけて訳を問いただす亮司。
「気持ち悪い!」の言葉はずしんと来ますな・・・。
その後亮司は凹んでいたし。でも雪穂も辛かったと思いますよ…。
何とか自分の気持ちを伝えようと、亮司は手紙を書く。
そのとき、亮司は雪穂と母親が使われていない建設途中のビルに入っていく姿を見かける。
このとき「入るな亮司!」と思った原作既読の人が何人いたかな。
亮司にとっては辛すぎる、残酷すぎる瞬間です。
ダクトの中を通って雪穂の姿を見つける亮司。
しかしその姿は、服も、下着も何一つ身体にまとわず無表情で横たわって写真を撮られている雪穂の姿でした。
その写真を夢中で撮っているのが、洋介でした…。
そのときの彼の心境は考えただけでも恐ろしいです。発狂してもおかしくない。
なにしろ、自分が想っている人が自分の目の前で見たことのない姿をしている。
実の父親が、自分が想っている人に汚らわしい行為をしている。
この瞬間、亮司は全てを悟ったのでしょう。
なぜ、雪穂があの直後急によそよそしくなったのか。
辛すぎますね…。それしかいえない自分の語彙力が悲しいです。
亮司に気づいた洋介は必死に弁明します。
「お父さん……何してんの?」
亮司に気づいた雪穂は服で身体を隠す。
雪穂の姿を見ながら、亮司は涙をポロポロ流します。そこに父親からのこの一言。
「この子だって納得ずくなんだ」その言葉を亮司は聞いてしまいます。
そして、
亮司ははさみで衝動的に実の父親である洋介の左胸を一突きします。
原作では亮司は何回も突き刺すんですけど、さすがにそれをテレビでは出来ませんやね。
何回も刺していたら返り血がすごそうですしね。
どれくらいの時間が流れたのか分からなかった。
亮司ははさみを持ったまま震えていた。瞳から涙がとまる事はなかった。
「どうしよう・・・、どうしよう・・・、父さん殺しちゃった・・・どうしよう・・・!」
服を着終わった雪穂は、妙に冷静だった。
「殺したんじゃない!亮君には悪いけど私だった殺してやりたいと思ってた。何回も頭の中で殺した。」
亮司からはさみを丁寧に取り上げて
「だから、殺したのはわ・た・し・だ・よ…!」
このシーンは鳥肌が立ちましたね。
もう父親のあらぬ姿を亮司が目撃するくだりから涙が止まらなかったんですけど
(この涙は最近流すことのない類の涙だな←感動とかではなくただただ辛さ)
もう本当に、最近の子役ってのはすごいねぇ。
そんじょそこらの『俳優』と名乗ってる人より演技うまいんじゃないか?
そして、あの忌まわしい部屋を出た後、雪穂は亮司に言う。
「ひとつだけ約束しない?」
彼女いわく、自分たちは会ったこともなければ話したことのないただの他人だ、
と言うのだ。
そういうことにしたほうが絶対いい。彼女はそう言う。
「必ず連絡するから…信じて」
二人は指切りをする。そして亮司は「おやすみ」と言ってその場から立ち去る。
亮司としてはその場から一刻も早く立ち去りたかったのだ。
だが、そのことが、雪穂をもっと苦しめる結果になってしまった。
家に帰って、血のついたトレーナーを必死で洗う亮司。
その姿を松浦は目撃していた。
渡部さん、久々にねちっこい悪役をしてくれそうですね。
俺はそっちの渡部さんのほうが好きだから楽しみです
やがて、洋介の死体は菊池という男の子によって発見される。
笹垣は事件現場に急行する。
「…なんでこんなところにおったんやろ」
そこに、妻の弥生子が遺体確認のためにやってくる。
そして笹垣と古賀は、桐原質屋に足を運ぶ。松浦に詰め寄る古賀(が、松浦は軽く流す)をよそに、
笹垣は階段からこちらの様子をうかがっている亮司の姿を発見する。
急いで自分の部屋に逃げる亮司。
笹垣は、亮司と話したいと弥生子に申し出る。
亮司の部屋には、切り絵が額に入れられていた。
笹垣は亮司の態度に何かを感じたのか、いろんなことを聞いていく。
そして立ち去るときに、「…またなぁ」
風とともに去りぬの本を笹垣が気づいていなかったのは不幸中の幸い。
でも、本当に笹垣は怖かったよ…武田さん…。
金八先生はどこに行っちゃったの???
笹垣が帰った後、亮司は洋介・弥生子・そして自分が写った写真が入った
写真立てを投げつけようとする。
そこに、お茶を持った松浦が立っていた。にやあっと笑って
「リョウちゃ-ん、どうしたの」
松浦も怖いよ・・・。この後見せたニヤァッとした笑顔がキモかった(渡部さんごめんなさい)
雪穂は、写真のネガを焼却炉に入れて処分していた。
捜査線上に、雪穂の母・文代が上がるのはそう遅いことではなかった。
洋介は『ハーモニー』という店のプリンを買って、
文代の住むアパートに行っていた、という情報があったのだ。
しかも事件当日、洋介は銀行から200万円を引き出している。
笹垣と古賀は、西本家へと向かった。
一方、亮司は薄ら寒い毎日を過ごしていた。
夢には洋介や笹垣が出てきて、ぐっすりと眠れることはなかった。
学校では、自分が殺したのに被害者の家族を演じなければならなかった。
唯一吐き出せる相手からの連絡はいまだない。
図書館にも彼女は現れない。
亮司は、雪穂と会ったことを後悔し始めていた。
彼女と出会わなければ、人殺しなんてしなかった。
もしかして、俺はだまされているんじゃないだろうか。
雪穂はあのはさみを持って警察に駆け込むつもりなんじゃないのか。
何もかもが信じられなくなり、亮司は雪穂に太陽を奪われた気になっていた。
そんな亮司の姿を、雪穂は影からじっと見ていた。
ベンチで『風とともに去りぬ』を読んでいる雪穂のところに子供を連れた図書館司書・谷口真文が現れる。
「スカーレットって、天国に行けたんですか?生きるためにならここまでしても許されるんでしょうか」
「さぁ、でも、もしこの子が殺されちゃうって思ったらやっちゃうかな」
子供を抱きかかえ
「こういうことは、桐原君と話せばいいのに」
「…手紙でも書こうって思ってるんですけど」
雪穂が家に帰ってくると、そこには笹垣と古賀が立っていた。
雪穂は笹垣と古賀にお茶を入れ、別の部屋に行って本を読み始める。
「何よんどるんや?」
「風とともに去りぬです」
スカーレットのような強くて逞しい女性に憧れるという。
そこに、文代が帰ってきた。古賀は文代に洋介との関係を問いただす。
一方、笹垣はゴミ箱に捨てられていた『ハーモニー』の箱を見つける。
そして、雪穂のほうに視線を向けるが、雪穂は本を読んでいた。
ここら辺の記憶は定かではないのですが、こんな感じですね。
雪穂が笹垣が箱を見つけたのに気づいて笹垣のほうを見ているんだけど
笹垣が雪穂のほうを見る直前にパッと視線を本に戻す。
ここら辺の演出はさすが平川さん、堤さんの弟子なだけあって(俺が勝手に言っている)緊張感がありました。
そして笹垣は、「またなぁ」といって帰っていく。文代は見るからに慌てた様子だった。
松浦は弥生子に口裏を合わせることを持ちかけていた。
「だってさぁ、あいつらなんでも疑うからさ、
浮気がばれたらさ、この家からもらえるもんももらえなくなるよ?」
捜査は弥生子と松浦にも及んだ。
松浦は蔵にいたと主張し、弥生子は亮司とテレビでも見ていたんじゃないか、という。
二人は亮司にその日見たテレビの内容をたずねる
亮司はすらすら答えるが、笹垣はむしろ疑いを抱く。
「えらいよう覚えとるなぁ」
「忘れられない日になったから」
そして、洋介が200万円を持って西本家に入っていったという目撃証言が取れる。
西本文代を重要参考人として連行していくことが決まる。
雪穂が家に帰ると浴びるように酒を飲む文代の姿があった。
「どうしたのお母さん?」
「やってらんないよ…。明日警察に来いだってさ。あたしが何したっていうんだよ!」
その言葉に思わず握りこぶしをぎゅっとする雪穂が可哀想で可哀想で。
人殺しを容認するわけじゃないけど、
このお母さんは殺されてもしかたねぇだろ、とどうしても思ってしまいます。
だってさ、この発言だけじゃないんですよ。
「お母さんもやってきたんだ」とか、
[「どうしてそんなわがままばっかり言うんだよ!」とか、
もう、あまりにも、あまりにも殺意が湧き上がる母親でした。
11年間よく耐えたと思うよ・・・。
一方、古賀は先輩刑事から笹垣が無実の人を犯人として捕まえてしまい、
結果その犯人の一人娘がいじめにより自殺してしまったことを聞く。
笹垣が歩いていると、白い紙切れが飛んできた。
その紙切れは亮司が雪穂にあげた『風とともに去りぬ』の表紙絵の切り絵だった。
「もう終わるからね、亮君…」そうつぶやきながら雪穂は雪の結晶の切り絵も川に流す。
そして雪穂は母に風邪の薬を勧める。文代は酔いつぶれていた。
「雪穂ぉ、やったのってさ、あんただろ?だってさぁ、あんたしかいないもんね。
殺したくもなるよ、あんなオヤジ。大丈夫だよ、誰にも言わないよ。おやすみ…。」
・・・・・ほんっとにこの母親は・・・・・。
「殺したくなるって…っ、なんで?何で、何でそんなことさせたのよ!」
雪穂の目から思わず涙がこぼれます。
一回は殺そうとした母親だけど、やっぱり一人しか居ない母親なわけで。
もしここで母親が一言でも謝罪の言葉何なり言えば全てが変わった方向に向いたかもしれません。
人間、紙一重なんですよ…by羽村『高校教師』より
笹垣は事件現場で悶々と何かを考えていた。
そこに、西本文代と雪穂が一家心中を図ったという知らせが入る。
アパートを調べると、ガス心中ということが分かった。
そして笹垣は台所の戸棚から一個のはさみを発見する。
雪穂が目を覚ますと、白い天井があった。
「目ぇ覚めたか?」笹垣の声で雪穂は横を向き、そこに笹垣と古賀がいることを知った。
古河が雪穂に事のあらましを説明し始める。
母親が一家心中を図ったこと。
幸い自分が助かったこと。
残念だが文代は亡くなってしまったということ。
笹垣は雪穂にはさみを見せる。「これ、お母さんの?」「そうです」
雪穂の笑顔が印象的でしたね。
あれは、死ぬことすら神に許されなかった自分を恥じて、自嘲しているのか、
それとも母親だけ死んだことに、なにかおかしさ・滑稽に思ったのか。
なんにせよ、笹垣の前であんな怪しい真似はしちゃいけんよ雪穂。
笹垣は納得できず事件現場で考えていた。
ドアには重いレンガが置かれていて全く動かないし、窓も鍵が閉まっていた。
となると、移動手段はダクトしかない。
つまり、ダクトの中を行き来できる人間が犯人ということになる。
西本文代にはその芸当はおおよそ不可能だ。
となると、犯人は子供と推測できる。
だが、笹垣は肝心の動機を見つけることができなかった。
なにかはっきりとしないうやむやを胸の中に残したまま、笹垣は転勤を余儀なくされる。
雪穂は人殺しの娘として学校で居場所がなくなり、いじめを受ける。
それでも雪穂は毅然として決して下を向かなかった。ランドセルに貼られたガムテープが印象的です。
亮司は図書館で雪穂を待っていた。
もう既に半分ぐらい彼の心の中にはあきらめの気持ちがあったのかもしれない。
そんな亮司を真文はからかう。
「スカーレットってたくましすぎるよ。人殺しのくせに」
「…でもね、彼女はさぁ、夢を見るんだよ。自分の幸せが分からなくなって走り回る夢。
あんたのお父さんを殺した犯人も今頃怖い夢を見てると思うよ」
真文は亮司に雪穂から手紙は来たかと尋ねる。
亮司ははっとして、走って家に帰り、手紙を確認するがそこに雪穂からの手紙はなかった。
と、弥生子と松浦が捜査本部が打ち切りになったことを喜んでいた。
なんでも、犯人と目されていた西本文代が一家心中を図り、
結果子供は生き残ったが、母親は死んでしまったと言う。
亮司はそのとき初めて雪穂が言っていた言葉の意味を悟った。
『雪穂が全て背負ってくれたことに、あの奇妙な約束の意味にやっと気づいたんだ』
気がついたら亮司は走っていた。
ころんでけがをしても何度も立ち上がって、走り続けた。
『タイムマシーンの話しだけど 俺やっぱり 過去に行くよ。
そんであの日の俺に「逃げるな」って言うよ。
そうすればきっと 貴女の道は もう少し 明るかったハズだから。』
雪穂のアパートに行くとそこには捨ててくださいというメモが置かれた荷物の山があった。
雪穂は警察のところへ行っていた。
「こんなもんがほしいんか」笹垣ははさみを渡す。
「母さんの形見だし、もともとお父さんのものでもあるんです」
「なぁ、ひとつ嘘をついたらその嘘を隠すために何度も嘘をつかなあかんようになる。
おてんとさんの下一生歩けんようになるで」(曖昧・・・)
わしになんか言うことないんか、と問う笹垣に雪穂は何も答えず、
「いろいろ、お世話になりました」とだけ言って笹垣に背を向けて歩いていく。
笹垣は雪穂を背中を見続けて、呼び止める。
「なぁ、君やったらもしかしたらなれるかもしれんで。スカーレット」
「…ありがとうございます」
雪穂は再び歩き出した、笹垣は歎異抄第13章をつぶやいていた。
一方、亮司は最後の望みを図書館に託していた。風とともに去りぬ第5巻を探す。
本を見つけると、本には手紙が挟まっていた。
それを持ち、再び亮司は走り出す。
亮くんへ
いつか、この手紙見るかな?
そう信じて…書くよ。
何があったかは、たぶん亮くんが思っている通りです。
後悔なんて全然してないけど、本当は…
私自身もいっしょにいなくなるつもりだった。
私と亮くんを繋ぐ物は、とにかく全部消えてしまった方がいいと思ったから。
だけど… 肝心の私だけは残ってしまいました…ごめん。
どうも、私は神様に嫌われてるみたいで、
死んだら全部終わるんだっていう、
心のどこかにあったズルを見逃してもらえなかったみたい。
だけど、こうなったらどこまでも生きてやろうと思います。
親を殺してまで、手に入れた人生だから。
私は遠くに行きます。場所は言わないね。
人から見れば、もう亮くんは被害者の息子で、私は加害者の娘です。
私達が仲良しなのはどう考えてもおかしいし、
それがばれたら、きっと全てが無駄になってしまう。
今までも、これからも、会ったこともない、名前も知らない他人でいよう。
二人のためには、それが1番いいと思うんだ。
だけど…“あれ”はもらっていいかな? “あれ”は、亮君だから。
ドブの様な毎日の中で、白い花を咲かせてくれた、亮君だから。
いいことなんて何もないって思ってた私に、笑う事を教えてくれた、亮君だから。
何よりもあの時…私を助けてくれた、亮君だから。
亮君…、ありがとぅ…。
私、あの時ホント嬉しかった…。
生まれてきてよかったって…、もう十分だって…そう思ったんだ。
亮君は、私の太陽だったよ? 」
雪穂は電車を待っていた。
やがて電車がホームで止まり、雪穂は乗り込もうとした。
そのとき、誰かが自分の腕を引いた。亮司だった。
雪穂は最初少し驚いたが、亮司を見つめた。
汗だくで、ひざをすりむいて、それでも彼は自分を探してくれていた。
「雪ちゃんだって、どぶに花を咲かしてくれたじゃない!月の・・・っ。
俺、雪ちゃんと出会って笑えるようになったよっ・・・!
いいことあるんだって、そう思った。
雪ちゃんが言ってくれたこと、ありがとうって思ってるよ!
雪ちゃんだって、雪ちゃんだって俺の太陽なんだよ・・・、
行かないで・・・、行かないでよ雪ちゃん!強くなるから・・・、
雪ちゃんがこんなことしないでいいように、もう絶対逃げたりしない!」
もうホント、言葉になりませんよ。
子役とかそういうものを超越してましたよこのときの二人は。
まさに『亮司と雪穂』で、涙で過ぎて頭痛いです・・・。
雪穂は何度も涙をこぼした。
だが、やがて彼女は駅の入り口へ向かって指を指して
「行って。行って・・・。もう暗くなるから。」
亮司は手紙を切って大要の絵を作り、雪穂に渡す。
雪穂は電車の中でずっとその切り絵を見つめていた。
空を見上げる亮司。
いつの間にか、俺たちの上に太陽はなかった。
他人でいること以外、もうお前にできる事は何もないんだと
そう言われている気がしていた。
そして、7年後。
亮司は雪穂と別れた駅に今日も来ていた。
雪穂もまた電車に乗りあの駅を通り過ぎるのを窓からじっと見つめていた。
これぐらいにしとこう・・・。なんてぎりぎりなんだ。
脚本も、演出も、映像も、音楽も全て完璧です。文句のつけようがない。
ただ音楽は時々「ケイゾクのときの音楽と似てるな」と思っちゃいました。
音楽プロデュースは志田博英さんだっけ。ケイゾクと同じ。どうりでね。
すんません長くて。2話はすごく短めにしますんで。
なんせあらすじ&せりふなんかやってた日にゃあセンターやばいってなもんだ(もう既にやばい)
「白い影」で検索てたどり着きました。
私は「白い影」が大好きなので、色々なドラマの感想を書かれている方のブログの中に「白い影」という言葉が出てきただけですごくうれしかったです。
だから思わずコメントを書いてしまいました。
これも何かの縁だと思うので、これからも読ませていただきますね。
よろしくお願いします。
あかねっちさんも『白い影』がお好きなんですね。
私はあのドラマがなかったら、
これだけドラマについて熱く語らなかったと自覚するぐらい、
『白い影』というドラマは大きな存在です。
完璧な作品じゃありません、
後々見返してみれば杜撰なところも見受けられます。
でもそれでも、毎週楽しみにしてたんです。
あのドラマで中居君に惚れましたw
こちらこそ、よろしくお願いします。