「街場のメディア論」
内田樹著、光文社新書、2010年8月
新聞、テレビ、出版など既成のメディアの危機の原因を探った本。
2007年神戸女学院大学二年生を対象とした講義を2010年書籍化したそうです。
本書で述べられている、既成メディアの性質及び危機の原因
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第二講 マスメディアの嘘と演技
・テレビはステイクホルダーが多い
・自分たちの情報発信がいったい「なんのためのものなのか」という根本のところについて考えるのを怠った
第三講 メディアと「クレイマー」
・知ってるくせに知らないふりをして、「被害者」の立場から、出来事について勝手なコメントをする
第四講 「正義」の暴走
・メディアが「どうしても言いたいこと」ではなく、「誰でも言いそうなこと」だけを選択的に語っているうちに、
そのようなものなら存在しなくても誰も困らないという平明な事実に人々が気づいてしまった
第五講 メディアと「変えない方がよいもの」
・語法の定型性がメディアの急速な凋落を招いている
・世論とビジネスがメディアを滅ぼした
・劇的変化が、政治でも経済でも文化でも、どんな領域でもいいから、起こり続けること、メディアはそれを切望します
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自分も著書の見解に概ね同意で、
現在も本書で述べられている危機の原因はそのままに、
既成メディアの衰退が一段と進んでいる印象です。
信頼性は日に日に落ちているものの、
総合的な客観性・信頼性や編集・撮影技術に関しては、
新興メディアよりは既成メディアにまだ一日の長があると思います。
ただ、既成メディアがSNS・動画サイトにすり寄ったり、
既成メディアからSNS・動画サイトに人材が流出している現状を見ると、
その差はますます縮まっていくんだろうなと感じています。
本書では他に、
「キャリア」「日本人の知性の劣化」「読書」
などのテーマもあり、それぞれ興味深かったです。
内田樹著、光文社新書、2010年8月
新聞、テレビ、出版など既成のメディアの危機の原因を探った本。
2007年神戸女学院大学二年生を対象とした講義を2010年書籍化したそうです。
本書で述べられている、既成メディアの性質及び危機の原因
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第二講 マスメディアの嘘と演技
・テレビはステイクホルダーが多い
・自分たちの情報発信がいったい「なんのためのものなのか」という根本のところについて考えるのを怠った
第三講 メディアと「クレイマー」
・知ってるくせに知らないふりをして、「被害者」の立場から、出来事について勝手なコメントをする
第四講 「正義」の暴走
・メディアが「どうしても言いたいこと」ではなく、「誰でも言いそうなこと」だけを選択的に語っているうちに、
そのようなものなら存在しなくても誰も困らないという平明な事実に人々が気づいてしまった
第五講 メディアと「変えない方がよいもの」
・語法の定型性がメディアの急速な凋落を招いている
・世論とビジネスがメディアを滅ぼした
・劇的変化が、政治でも経済でも文化でも、どんな領域でもいいから、起こり続けること、メディアはそれを切望します
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自分も著書の見解に概ね同意で、
現在も本書で述べられている危機の原因はそのままに、
既成メディアの衰退が一段と進んでいる印象です。
信頼性は日に日に落ちているものの、
総合的な客観性・信頼性や編集・撮影技術に関しては、
新興メディアよりは既成メディアにまだ一日の長があると思います。
ただ、既成メディアがSNS・動画サイトにすり寄ったり、
既成メディアからSNS・動画サイトに人材が流出している現状を見ると、
その差はますます縮まっていくんだろうなと感じています。
本書では他に、
「キャリア」「日本人の知性の劣化」「読書」
などのテーマもあり、それぞれ興味深かったです。
先輩や同期にテレビ局や新聞社に就職した人もいて、マスコミ塾みたいなところにも一緒に行ってみて、その熱狂ぶりには引いた思い出もあります。(笑)
街場って言葉に引っ掛かったんですけど、シリーズであるんですね。
メディア、もっとこう自分流のアレンジの効く在り方を求めているかもしれません。
あまりにも論調やトーンが一緒なものばかり観ていると、これはこれでプロパガンダみたいとも思えて距離を取りたくなったりします。
例えが適切でないかも知れませんが、ベッキー前かベッキー後かで芸能人を抹殺するレベルまで追い回すあたりとかも気味が悪いです。(笑)
政治家の尖った論調は全て失言っぽく切り取れちゃうので、ワイドショーで政治を取扱って欲しくないとかありますね。
すいません、長文失礼しました。
自分が見たり感じたりしたことを不特定多数の人に伝えたい、
という想いがあるからだと思います。
仮にマスコミに入れたことをイメージすると、
文章力や表現力はもっと身に付き、その道の第一線の人に会えていたかもしれませんが、
自分の考えとは異なる、会社、スポンサー、世論が望むことを伝えるはめになって、病むか辞めることになり、
であれば、それなりに自分の主張を繰り広げられる今でよかったのかもなあ、と思ったりします。
浜矩子さん、佐高信さんらと並び メディアからは ややパージ!されてる?
もっと!もっと! 目立ち突出していただきたい方です。
桜井よし子や橋下徹のせめて半分でも 出ていただきたいですけどねぇ。
最近は短い映像や文章で表現する流れになっていて、
それらにしか触れていない人達が、
背景や行間を読まずに映像や言葉だけに反応して、
まともな議論がないまま一方向に偏ってしまいがちですね。