Blue Blue Blue

株式投資、映画鑑賞、野球観戦、読書

イスラエルがすごい

2021-04-22 22:00:00 | 読書




「イスラエルがすごい」
熊谷徹著、新潮新書、2018年11月

NHKで8年間記者として働いた後、1990年からドイツでフリージャーナリストとして活動する著者ならではの視点で、
主に近年のイスラエルについてレポートした書籍。

イスラエルでは新型コロナウイルスのワクチン接種が進み新規感染者数が激減し、
屋外でのマスク着用が不要になった、というニュースを見て本書を思い出し、
読み返してみました。

イスラエルには
「テロや戦争が絶えない危険な国家」
「ハイテク国家」
両方の顔がありますが、本書では後者を中心に述べられており、
輸送機器やセキュリティの研究開発状況が具体的に記されています。

ただ「テロや戦争が絶えない危険な国家」であるからこそ軍事技術が発展し、
そこから輸送機器、セキュリティなどの技術も産まれてきて「ハイテク国家」になったともいえます。

事実、第2章「イノベーション大国への道」では、
イスラエル国防軍で電子諜報を担当する「8200部隊」の出身者が創業したベンチャー企業が
約1000社にのぼると推定とあります。

著者から見たイスラエル人の思考:
「失敗することを恐れてはならない。失敗は、むしろ良いことだ」
「他の国を頼りにしてはならない。自分の命は武力によって自分で守るしかない」
「相手を質問攻めにして、納得するまで相手を信用しない」

第3章ではイスラエルとドイツの関係、
第4章ではイスラエルと中国の関係
について、第二次世界大戦後を中心に触れています。

両国とも緊張関係の時期もありましたが、いまは技術・経済優先で関係を強化しているそうです。

アメリカとの関係、パレスチナをはじめとするアラブ諸国との関係についても数ページずつ触れています。
イスラエルの全体像を知るには、こちらの関係の方が重要に思えますが、
本書は「ハイテク国家」の方に焦点を当てたということでしょう。

最後の第5章はイスラエルと日本の関係。

日本がイスラエルとの関係構築に消極的な理由として
1.日本企業の「自社開発・調達主義」
2.アラブ産油国に対する忖度
3.治安に関する先入観
を挙げています。

自分もまあそうかなと思います。
3は先入観というより事実ではないでしょうか?



関連エントリ:
OGPイメージ

イスラーム国の衝撃 - Blue Blue Blue

「イスラーム国の衝撃」池内恵著、文春新書、2015年1月日本人のイスラム研究の第一人者、池内恵氏の著書。日本語では「イスラム」と表記されます...

イスラーム国の衝撃 - Blue Blue Blue

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【株主優待】リンガーハット... | トップ | アイ,トーニャ 史上最大のス... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (snowdrop)
2021-04-23 12:17:35
こんにちは😃

とっても興味深い本ですね😲

というか
イスラエルの国って
ズバ抜けて違うところがあるように
思えるから

取り組み方も考え方も😊

良い面と怖い面と持っている😊


コロナに対しても
頑張ってるよねー

イスラエルの国がワクチンで成功を
納めているのは若い世代が多いからって
ニュースで聞いたことが、あります😊

それがいいのか、どうか分かりませんが
積極的に取り組んでいるのは
凄いことだと思います😄🌸✨❗
返信する
コメントありがとうございます! (bk31)
2021-04-23 21:52:55
若い世代が多いのは第二次世界大戦で虐殺を受けたり、アラブ諸国と戦争が絶えず、戦死者が多かったことの裏返しでもありますし、
ワクチン接種が進んでいるのも、日頃から様々な危機にさらされているため、危機対応が早いと言えるのかもしれませんね。
返信する

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事