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トランプ自伝

2020-10-07 22:50:00 | 読書


「トランプ自伝」
ドナルド・トランプ、トニー・シュウォーツ著、相原真理子訳、ちくま文庫、2008年2月

4年前2016年の大統領選で旋風を巻き起こしたときに「だれ?」と思い、
書店もそういう客を狙って本書を山積みにしていたので買いました。

そして今年11月の大統領選を前に読み返してみました。

単行本は1988年に出版。当時トランプ氏はまだ40代前半。
既に不動産王として良くも悪くも知名度があり、
自伝を出版することを思いついてしまうのですから、
並の人間でないことは確か。

第一章は不動産王としての一週間。
自慢話が長々と続きます。
大統領になってからの記者会見で、何時間も自分の実績を誇らしげに語るのに通じるものがあります。

トランプ大統領の考え方が分かる部分を引用しますと、

「金のために取引をするわけではない・・・取引そのものに魅力を感じる・・大きければ大きいほどいい」
「強硬な態度をとるとそれなりの効果があるものだ」
「こうした(吹っかけてくる)業者には強気で臨む」
「私の取引のやり方は単純明快だ。ねらいを高く定め、求めるものを手に入れるまで、押して押して押しまくる」
「つねに最悪を予想して取引にのぞむ」
「一つの取引やアプローチに固執せず、いくつかの取引を可能性として検討する」
「不公平な扱いや不法な処遇を受けたり、不当に利用されそうになった時には徹底的に戦うというのが私の信条だ」
「本当の魅力は、ゲームをすること自体にあるのだ」

この辺りも大統領になってからの言動に一致します。
一貫性はあります。

自伝なので割り引いて受けとめる必要はありますが、
突然現れた頑固オヤジではなく、不動産・エンターテインメント業界で実績を積み重ねてきた人ということはわかりました。

マスコミはトランプ大統領の発言を間に受けたり切り取ったりしてワーワー騒ぎ立てますが、
風呂敷を広げているだけで、真意はどこにあるのか冷静に見極める必要があると感じました。

また、不動産業界における彼なりのマネジメントや交渉術は、自分には真似できませんが、
こういうやり方をする人がいるんだな、ということを知るだけでも参考になります。



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