ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Brandy Clark ブランディ・クラーク - Your Life Is a Record

2020-05-16 | カントリー(女性)

 

昨年の2019年3月、ブルーノート東京で開催された、CMA提供の

「イントロデューシング・ナッシュビル」に参加していたブラン

ディ・クラークが、ワーナー・ブラザーズでのセカンド・アルバム

を今年リリースしました。゛彼女の来日を本当に心待ちにしていま

した!゛という人は多くはなかったと思いますが、2010年代に入っ

て、カントリー界の大物に数多くの曲を提供し、自身もメジャー・

レーベルのレコーディング・アーティストですから、貴重な出来事

だったと思います。熊本のチャーリー永谷さんのお陰で、意外に

名な人も多い、来日カントリー・アーティストに仲間入りした人

しても応援たいと思います。シンガーとしても本当に力のある

です。

 

 

プロフィールですが、ワシントン州はMortonの生まれ。ギターを始

めたのは9才からで、作曲も手を付けましたがまだお遊び程度でし

た。それより、学生時代は運動の方に力が入っていて、中央ワシン

トン学ではバスケットボールで奨学金をもらうほど認められてい

ました。しかし、なぜかスポーツの道から足を洗い、実家に帰って

地元の短期大学に通うように。この時から音楽と真剣に向き合うよ

うになり、98年くらいから地元のバンドで歌い始めます。その後、

ナッシュビルに向かい、有名なベルモント大学で音楽ビジネスコー

スを履修する傍ら、作曲活動をしました。そして卒業後、彼女の作

品が徐々に頭角を現してきます。ブランディの曲を収録した、超

有名どころのアルバムを列記しましょう。

 

ケイシー・マスグレイヴス:「 Same Trailer Different Park」 「Pageant Material」

 

ミランダ・ランバート:「Four the Record」「Platinum」

 

キース・アーバン:「Fuse」

 

ダリアス・ラッカー:「True Believers」

 

リーバ・マッキンタイア:「All the Women I Am」「Love Somebody」「Stronger than the Truth」

 

ジョージ・ストレイト:「Cold Beer Conversation」

 

アシュリー・マクブライド:「Never Will」

 

 

ブランディの、アーティストとしてのデビューは2013年の「12

Stories」。決してラジオ・エアプレイやチャート・アクション

良かったわけではありませんが、その内容は玄人筋から賞賛を受

ける質の高さで、ほどなくメジャーのワーナー・ブラザーズとの

契約が実現。2016年には「Big Day in a Small Town」が続き、そ

して2020年に本アルバムと、コンスタントにリリースを重ねてき

ています。

 

 

前作「Big Day in a Small Town」は、"Girl Next Door"もそうですが、

いかにもメジャーっぽくパワフルで華やかなナンバーが多く、そこ

にカントリー・バラードが添えられる、という感じでした。ブラン

ディの歌声もエモーショナルな力強さが際立っていましたし。対し

て本作は、メンフィス・ストリングス&ホーンズを全面的にフィー

チャーし、温かく豊かなサウンドが心地よい、文字通りシンガー

ングライター系ポップといった感じです。最近なかなかお耳に掛か

ない雰囲気で和んでいます。アコギが美しい"Who You Thought

I Was"や、バラード"Apologies”あたりの70年代風な懐かしい感じが

良いです。今風の区分けでは、アメリカーになりますかね。

 

 

少年の頃、よく名前を聞いた、ランディ・ニューマンが"Bigger Boat"

で渋い声を聴かせてくれます。軽やかなボードビル調ですね。ラン

ディ御大、近年は「トイ・ストーリー」「モンスターズインク」等

のサントラで活躍されていました。この曲のレトロ感は特に際立っ

ていますが、アルバム・ジャケットでジューク・ボックスをフィー

チャーしている事からも窺い知れるように、古き良き柔らかい肌触り

のサンドでまとめ上げることが、アルバムを通じてのコンセプト

う。それは、現在のメインストリーム・カントリーに一番足

ものを目指したように思います。



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