ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

2019年 カントリーミュージック・ベスト5・アルバム

2019-12-21 | カントリー業界情報、コラム

今年は我ながら精力的(?)に新作をそれなりの数量取り上げて

きたので、本当に久しぶりですが、個人的ベスト5を掲載してお

きたいと思います。ストリーミング・サービスのおかげで、新作

を速やかに耳にできるという、かつてない楽しみを堪能できたお

かげです。厳密に今年リリースということでは無く、今年の新作と

して楽しんだものから選びました。ヒットの有無も少々気にしな

がらの個人的なお気に入りです。順番は5位から。。。

 

【5】Miranda Lambert ミランダ・ランバート - Wildcard

この人のアルバムはクオリティが安定していますし、一応ファン

ですので、新作リリースしてくれたらランクインです。エレクト

リックなダンス・ビートの取り込み方もこなれていて、彼女らし

いアーシ―さは損なわず、さすがに上手く作り上げていると思いま

した。ザック・ブラウンもこう出来なかったのかな、と思います。

冷静です、この人。

 

【4】 Vince Gill ヴィンス・ギル - Okie

ちょっとこのジャケットは暗すぎて、もうすこし何とかならな

かったのかな、と思うくらいなのですが、内容はさすがのクオ

リティです。中年の後半?となってしまった身には、全体にゆ

ったりした雰囲気が心地よく、素晴らしいカントリー音楽の世

が有りがたかったです。創造性もあり、グラミー賞でもしっ

かりミネートされました。

 

【3】 Josh Turner ジョシュ・ターナー - I Serve a Savior

この春ごろにはヒット・チャートをにぎわせている若手を紹介

したいとその辺りを聴いていたのですが、そんな中でこのアルバ

が出て、”こんな時代でもカントリーの基本が聴けるのだ”と、

まさに救われたような気持ちでよく聴きました。ゴスペル・アル

バムというと、アラン・ジャクソンの「Precious Memories」

秀逸でしたが、90年代のアランに続いて00年代のトラディシ

ョナリストとして君臨したジョシュによる、出るべくして出たゴス

ペル・アルバムです。有難くないわけが有りません。”またこの曲、

再録してるな・・・”の"Long Black Train"のライブもやはり聴く

涙ものです。名曲です。

 

【2】 The Highwomen ハイウィメン - The Highwomen

ブランディ・カーライルやアマンダ・シャイアズらのポップ~アメ

リカーナ系の人たちが、ヒット・カントリー・ファンやカントリー・

ラジオのリスナーに、急に受け入れられるとは思えません(カント

リー・フィールドで人気を獲得する為の地道な活動について、以前

ダリアス・ラッカーやジェシカ・シンプソンの記事を紹介しました)

でしたが、ここに繰り広げられている音楽は、魅力的なメロディと

ハーモニーに溢れた、極上のカントリーミュージックだと思いまし

た。職人ソングライターのナタリー・ヘンビーがメンバーと言うの

無敵です。"Crowded Table"の美しいメロディが耳に残ります。

マレン・モリスの歌う牧歌的なカントリー・ソングも新鮮でした。

 

【1】Pistol Annies ピストル・アニーズ - Interstate Gospel

今年、カントリーミュージックを聴いていて、特にヒットチャート

を賑わせている曲に、無機的なドラム・ループやブラコン風のバラ

ード、ダンサブルなリズムが溢れていたり、本国のジャンル分けで

カントリーだと思ってる人に”カントリー、ポップ/ロック”との記載

が見られたりで、確かにカントリー・ジャンルの危機みたいなのを

薄っすらと感じる事もあります。そんな中で、このミランダ・ラン

バートのサブ・プロジェクトでは、土の香りや手の肌触りがしっか

り残るサウンドを守り、それでいてカントリー・アルバムの1位を

獲得する人気も両立した事に敬意を表し、1位としました。サブ・

プロジェクトという位置付けが、この作風を可能にしているのでし

ょうが、アワード受賞するような人気者が携わる音楽としては異例

と思います。それに、自身のアルバム製作もしている訳で、その労

力は大変だろうと想像します。ご苦労様です。

 

【番外編】 Molly Tuttle モリー・タトル - When You're Ready

ベスト5なんですけれども、強引に番外編としてもう一枚。このブル

ーグラス出身のアコースティック・ギターの名手によるこの作品に

も心洗われました。アメリカーナを志向している音楽ですが、ユー

ロ・ポップぽい曲も有ったりで作風は幅広く、今後が楽しみな人で

す。

 

やっぱり、トラディショナルなカントリー・スタイルやレイドバッ

クした雰囲気の、全体を通じて穏やかなアルバムが多くを占めた感

じです。引き続き来年も、自分好みに限らず、話題性が有りそうだっ

たり、興味を持ってもらいたいアルバムが出れば、なるべくご紹介

していきたいと思っています。宜しくお願いします。


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