ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

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Keith Urban キース・アーバン - The Speed of Now, Vol. 1(ザ・スピード・オブ・ナウ・パート 1)

2020-10-03 | Keith Urban キース・アーバン レビューまとめ

 

聴いてきた限りでですが、このコロナ禍の中、穏やか目だったり、

原点回帰風な作風の新作が多い感じがする中で、カントリー界の

超エンターテイナー、キース・アーバンが、このコロナ・ウィル

スを吹き飛ばさんとするかのような、勢いとポップ感に溢れた新

作「ザ・スピード・オブ・ナウ・パート 1」(日本盤も有)をリ

リースしてくれました。落着きはらったキースなど想像できませ

んしね。現在ヒット中の"One Too Many"では、なかなかアクの強

ポップ・スター、ピンクをゲストに迎えたり、オープニングの

"Out the Cage"ではナイル・ロジャースの名前もあったりで、

性にもぬかりは有りません。

 

 

そのオープニングの"Out the Cage"は高速なダンス・ナンバー、

バンジョーとリズム・ループのミックスは、これぞキース・アー

バン・サウンドという感じです。 "Tumbleweed"もイントロのバ

ンジョーがアクセントとなる同系統のギター・ポップで、50才を

超える年齢を感じさせません。さしずめ、既にシングル・カット

済の”Superman”を地で行ってるよう。歌詞の方は、゛君と

だったころ、僕はスーパーマンだったのに゛てな感じなので

ね。

 

 

前作「Graffiti U」に比べると、本作は明らかにギターがサウンド

キモになっていると感じます。それにしても、”Superman”のイ

ントロで聴かれる゛キイン、キュイン(?)゛いう音ム・

ントの"Kinfolks"や、ケイン・ブラウン"Cool Again"などでも

た音が聴かれましたが、今流のカントリーらしさを出すトワン

ー・サウンドなのでしょうか・・・ あと、一見地味ですが、サン

プリングによると思しきアコギのアルペジオがデジタルな響きを

醸す"Polaroid"が新鮮です。

 

 

ただ、全体を眺めると、アップテンポよりもミディアム、メ

アスだったりR&B風なナンバーに気を引くものが多いです。

クとの共作"One Too Many"もその系統の、なかなか聴かせる

曲。とにかくキースの声に感じるスムーズなソウルネスがこの

アルバムの聴きどころではないかと感じました。ファルセット・

ボーカルがキーになる"Say Something"や、先行シングルだった

"God Whispered Your Name”あたり、ソウル風の極みです。個人

には ”Ain't It Like a Woman”が特にお気に入りです。

 

 

やはりどうしてもこの手は熱くなってしまうブルース・ロック調の

"Forever"。かつてのブリティッシュ・ロック好きがハマってしま

うタイプの曲でしょうかね。ここらオーストラリア出身のキース

ならではです。そういえばこんな感じの曲を以前やってなかった

かな、と思い返してみたら、2010年リリースの「Get Closer」

"Georgia Woods"が良く似たイメージの曲でした。次の「Fuse」

で大幅にサンプリングを取り入れる前のアルバムだったのですが、

そう考えると、この「The Speed of Now, Vol. 1」は、キースなり

の原点回帰、「Graffiti U」などで見せていたヒップ・ホップ路線

からの揺り戻し的な意味合いがあるのではと思えてきました。

 

 

今年もCMAアワードのエンターテイナー賞にノミネートされて

るキース。新しいヒーローを期待したいけど、キースの華やかさ

やパワーに敵う人はなかなかいなくて、まだまだ影響力強そうだ

と思いますね。



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