咳、治まる

2年近く続いていた咳の原因は、やはりエアコン内部に巣食っていた黒カビへのアレルギー反応だった。最後の日は息ができないほどで、黒カビは恐ろしいものだと自覚した。なにしろ、エアコンの吹き出し口から、カビや胞子がばらまかれるので、部屋の中の大気はカビだらけということになる。
空気清浄装置のついているエアコンなら、吹き出し口から換気されたきれいなエアが入ってくるものとばかり思っているので、カビだらけの大気を胸一杯吸い込んだりして悦に入っていた自分が間抜けに見える。
長引く咳の原因は、咳喘息ではなく、黒カビによるアレルギー反応の可能性が十分あるので、一度エアコンを完全にクリーニングするか、買い換える方がよい。
もちろん買い換えるときは、シンプルな自動お掃除装置などついていない機種を選び、カビが生えないというキャッチコピーは絶対に信じないことだ。
そして、無精を決め込まず、週に一度は労るように内部を掃除点検し、一年に一度は必ず業者を呼びクリーニングをする。
中高年がカビに曝されて咳喘息というありがたくない診断を下されて、使いたくないステロイドの吸入剤を吸い込み続けることは、決して好ましいことではない。
特に、自宅にいるときには咳が出て、外出すると治まるという場合は、ほぼ間違いなく黒カビによるアレルギーだ。
消炎鎮痛剤や、抗菌剤、去痰剤、さらにはステロイドの吸入剤と、大量の薬剤を処方されても、カビが相手だから効くわけがない。
空気清浄機も同様に、絶対にカビが生えないことはない。だが、空気清浄機は、自分できれいに掃除ができるところが嬉しい。
超長引く咳の出る場合は、大気の環境を見直せば、案外早く片付く場合もあるかもしれない。