便所サンダル大全

日本製便所サンダルについていろいろ語ります

丸中工業所 PEARL No.900

2020-09-25 16:15:23 | 丸中工業所(PEARL)
あまり廃番品を作らない丸中工業所さんの製品の中でも結構前に廃番になっていて、現在では入手困難(というか入手できるのか??)というサンダルがこれ。

PEARL No.900。


なぜそんなサンダルを私が持っているのかというと、丸中工業所さんから直接お声がけいただいたから

毎年一回くらい、秋以降に丸中工業所さんには挨拶に伺うのですが、行くといつも「レア物」があったら教えてくれるのです。( ´∀`)

いつもだとあまり出回らない型番のマーブルとかなのですが、この時は何十足かのサンダルの中に1足これが紛れててテンションが一瞬で沸騰しました。

古~いカタログでしか見たことのなかったサンダルの実物が目の前にある喜び、サンダルマニア以外では到底味わえないかと思います。


それはさておき、意匠としてはごくオーソドックスな作りのサンダルですが、ベルトの穴が大きな四角というのは甚だ珍しく、現行品だと森川のNo.378(長方形ですが)とかくらいですかね?

※小さい四角がポツポツ並んでいるやつなら結構あります。

この四角が丸になったらなんとなくアレに似ているような気がいたしますが、まぁその辺はそこはかとなくなんともアレな領域の話ですのであえて触れないようにしたいと思います。


ただし!

実はこの四角が丸のサンダルも、実は丸中さんにはあったのですよ。

それは「PEARL No.170」

おそらく実物はもう手に入らないだろうと思われますが、丸中さんの古いカタログでその姿を拝むことができます。

「No.170は全然違うサンダルでしょ?」

とおっしゃる向きも見受けられますが、その通り、現行品のNo.170はまったく違うサンダルです。

つまり、ある意味「無かったこと」になっているサンダルなんですよねー・・・。


そんな名残も垣間見せてくれる希少品がこのNo.900というわけでもあります。

ちなみに裏側はこんな感じです。

こんな感じ


これまたPEARL定番の裏底ですが、サイズがガッツリと刻印されてるのがカッコいいですね!

No.180ですと、LL、3L、4Lはサイズの刻印があるのですが、MとLはただの吸盤みたいな丸になっているだけでサイズの刻印は入っていないのです。

ですので、「Mサイズの刻印」はPEARL好きから見るとかなりレアな光景なのですよ。


このNo.900も旧No.170も、金型が残っていたら特注したいくらいのサンダル。

履いて外も歩きたいですし、眺めてニヤニヤもしたい。

でも、希少品だからこそ愛おしさもあるサンダル。


おそらく新品の現物を持っている人間は世界でも片手で数えられるくらいしかいないのではないかという優越感に浸りつつ、今日もそっと眺めることにいたします。

ニシベケミカル E6ークス(イーロックス)

2020-09-18 17:05:47 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
このサンダルをいつ紹介しようか考えていましたが、ここ何回か現行品の記事が続いたのでこのタイミングで「一番のイロモノ」を出すことにしました。

その名も「E6ークス(イーロックス)」。

そう、見て一発でわかる通り、秋田新幹線 e6系「こまち」をモチーフにデザインされた、クロ●クスのような形をしたサンダルです。

クロ●クスに名前が似ているのは単なる偶然だと思います。


さてこのE6ークス、ニシベケミカルも良く引き受けたなと思う位の手の込んだ、そして単発でしか発売されないことが最初から確定していた珍品中の珍品です。





私が初めてこれを見たのはニシベケミカル本社のショールーム。

現行品のサンダルが居並ぶ中、異様なオーラ(超・誉め言葉)を出して展示されていたのがこれです。




「え?なんですか???これ??」

と驚いていると、ニシベケミカルの方が簡単に説明してくれました。


なんでも、JR東日本とのコラボ商品でごく少数だけ作られたとのこと。

裏側の「竿灯まつり」のデザインは学生さんの手によるものと聞いたような気がします。



で、家に帰ってから速攻で調べたのですが、作られたのがこの実物を初めて見た2016年をさかのぼること3年前の2013年。

当時の報道資料です。










秋田県で、しかも限られた足数がイベント等で販売されただけで当然現物が残っているはずもなく、

「まぁしょうがない、これはさすがに諦めよう」

と思いつつ、このサンダルのことをツイッターか何かにあげたところ・・。


なんと、ある方が

「飯田さんに譲ります」

とメールを送ってきてくださったのです!!!!!


メールをくださったのはライトな鉄道ファンの方で、特にこれに思い入れがあるわけでもないので飯田さんが持っていた方がいいだろう、ということでした。


しかも、メールをいただいたのが私がタモリ倶楽部に出演して2日後のことでエンドレスな大量の注文が来ており、出荷地獄で不眠不休の状態&驚きと感謝でナチュラルハイになったのを覚えています。

最初にあげた写真のE6-クスの現物は、そのようにして奇跡的に手に入れることができました。今でも感謝しております。


いただいたのは「Sサイズ」で、当初は「そんなサイズ作られていないはずなのにな?」と不思議に思っていたのですが、初回販売の翌年2014年に、これまた足数限定でSサイズが作られたようです。

■Sサイズ発売の報道資料



しかも最初より100円値段が上がっています。

サイズが違うということは「金型が違う」ということで、本来は数千足販売しないと金型代の元は取れないはずなのですが、なんというかお祭りだったんでしょうね。

ということで、JR東日本さんが何かの間違いでまた作ってくれない限り手に入ることはないこのサンダル。

一生ものとして普段は大事に箱に入れてしまってあります。


またリアルなフェスとかできるような状況になったら、展示品としてブースに飾ることにでもしたいと思います。




ニシベケミカル Chaming No.110 カナリヤ

2020-09-11 16:12:11 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
もっと早く紹介すべきサンダルだったのですが実物の写真を撮りなおしたのですっかり書くのが遅くなってしまいました。

ニシベケミカルの婦人用サンダルでダントツトップの地位を築いているのが、この「Chaming No.110 カナリヤ」。

■エンジ

■ブルー

■水色

■ピンク


正面から見るとミラーマン(古)のような風貌ですが、安定感はピカイチで、「履きやすい」「滑りにくい」「無難なデザイン」とツッカケとしてのベンサンの要件を見事に満たしたサンダルです。

このサンダル、なぜ定番なのかといいますと、古くから「ナース用抗菌衛生サンダル」として扱われ続けているからです。

ナース用品の専門サイトでは必ず扱われていると言っても過言ではありません。(特に水色)


それだけ定番なのにもかかわらず、例によって現在は街中で見つけるのはなかなか難しく、ニシベ製品を取り扱っている履物屋でないと置いていないのもまた事実。


何年か前、ある女性の方からいただいた電話が今でも忘れられません。


お客様:「このサンダル、どこにも置いてなくやっとベンサン.JPさんを見つけたんです!扱っていただいていて本当にありがとうございます!このサンダル、廃番になったりしないですよね?」

私:「いやー、これはずっと前からほぼ定番で女性用では一番多く作られているから無くなることはないと思いますよ」

お客様:「本当ですか!よかったです~!ベンサン.JPさんもつぶれないようにいつまでもがんばって売り続けて下さいね!」



最後の「つぶれないように頑張ってください」があまりにもインパクトが強すぎて

私「が、がんばります・・・」

としか言えなかったのですが、それくらいにこのカナリヤを求めている人にはたまらないサンダルだということだけはよくわかります。


一応裏側をお見せしておくと


こんな感じの非常にオーソドックスなスタイルで、ダンヒルなんかと同じ系列ですね。

ちなみにこのカナリヤ(とダンヒル)はニシベケミカルさんが立体商標を取得してますので、勝手にイラストとかにすると怒られちゃうかもしれませんのでお気を付けくださいね。


あと、このサンダルは指定入札がちょこちょこあるサンダルで、うちにもごくたまに相談が来るのですが、なにせニシベさんは受注生産な上に納期が読めないので200足とか300足を同じ色、同じサイズで、とかだと普通はまず揃いません。

医療系の大きな会社さんだったら在庫してるのかもしれませんがウチのような一人でやってるお気楽会社だといつ売れるかわからないサンダルを数百足もおいておくわけにはいかないんですよねー・・・。


ベンサン以外の(利益が高い)ものも扱うような会社であればなんてことないんでしょうが、しがないベンサン屋にはカナリヤの大量在庫は夢のまた夢です。

まぁそれはそれとして、このカナリヤは今の色組になる前は

・ターコイズ
・グリーン
・ローズ

と言ったカラーもラインナップに入っておりました。

街の履物屋さんならまだこれらのカラーもさりげなく置いてある可能性がありますので、良かったら探してみてくださいね。(はぁと)

丸中工業所 PEARL No.707 紳士幅広

2020-09-04 15:18:02 | 丸中工業所(PEARL)
PEARL No.180とVIC No.510の4Lサイズが出るまで、ベンサン界で最大の大きさを誇っていたのが、このPEARL No.707 紳士幅広の3Lサイズ。

と言っても、実寸ではほぼ4Lサイズに匹敵する大きさです。

■ブラック

■ブラウン

■レンガ

■ゴールデンロッド

■オーク


ですので、これまで3Lサイズでもちとキツイといった方々には、上に書いた3つのどれを選んでもいい感じで履けると思います。

中でも、この紳士幅広は名前に「幅広」ってついてしまっているくらい横幅に余裕があるので、通常の足のサイズ感でサンダルを買うとサイドに圧迫感があるという方に超オススメ。


ウチでは3Lしか扱っていないんですが、ホントはこれM~3Lまであるサンダルなので、いつかは全サイズ取り揃えたいと思っております。

やはり、合わないサンダルを無理やり履くよりも履きやすいサンダルを履くのが一番ですからね。


ここで、紳士幅広(とダンヒル4L)に関するお客様からの感想を抜粋でご紹介したいと思います。

そのお客様がが親戚の子に紳士幅広3Lとダンヒル4Lをプレゼントしてあげたところ、


>こんなに履き心地の良い履き物を履いたのは、生まれて初めてだそうで

>どんな靴を履いても窮屈な感じの人生だったらしく、生まれつき視力の悪い人が、初めて眼鏡をかけたような体験らしい


・・・・・。

ここまで感動していただけると、ベンサン屋も冥利に尽きるというものです・・・。(感涙)


以前新宿に事務所を構えていた時も、何名かの方が直接事務所に来てサンダルをお買い上げいただいた(※)ことがあるのですが、中でも紳士幅広を買われた方3名ほどは、みな口をそろえて

「うわ、こんないいの履いたことないわ、これじゃないと履けない」

という意味合いの事を皆さんおっしゃっていました。

※現在は来社での直接のお買い上げは全てお断りしております。


つまり、足が大きくて幅広の方には唯一無二のサンダルと言って過言ではないと思います。


最所に書いた通り「PEARL No.180」と「VIC No.510」の4Lサイズもありますが、このどちらも横幅は割とタイトなサンダルですので、幅広で足が大きい方にはゼヒ一度この紳士幅広を試していただきたいと思っています。


ちなみに裏側はこんな感じ。


紳士シャワーのように大きなギザギザタイプでクニョクニョと曲がるため、丸中工業所の中では柔らかめの履き心地も兼ね備えております。

足裏にあたる大きめのボツボツも健康サンダルと感じで好感が持てます。


なお、今回は5色のみ掲載しましたが、違う色組(No.7075)で

・水色
・ミントグリーン
・ベージュ

もあります。


でも7075の方は常時在庫しているわけではなさそうなので、折を見て仕入れるようにしていきますね。



ニシベケミカル VIC No.603 万年履

2020-08-28 16:11:43 | ニシベケミカル(VIC/Charming)
正直これはベンサンではなくて「雪駄」なのですが、PVC素材のサンダルということでカタログ上では他のサンダルと同列に扱われていたのでコレクションせざるを得ない一品です。


手持ちのカタログで1999年には既に存在していて、2013年のカタログを最後に姿を消しております。

つまりベンサン.JPを開始したときにはまだラインナップにあったのですが、1回も発注することはありませんでした。


が、あるお客さんの協力を得て某履物店で大量に残っていたものをすべて譲り受けて販売したことがあります。

その時の数足を個人的に保管してあります。

万年履 大寸

カタログに載っている色はこの色だけなのですが、おそらく他にもイレギュラーで何足かあったはずです。(オークっぽいやつとか)


で、上の写真は紳士用の「大寸」で、女性用の「小寸」というのもあります。

この「小寸」の本物は見たことが無いのですが、別注の小寸ならば今でも何足かキープしております。

万年履 小寸

これは雪駄メーカーさんが自社製品として特注したものなので、ソールの部分が「万年履」とは微妙に違うものらしいです。


実は意外と人気があった商品のようで、廃番になったときは結構お問合せをいただいてしまったサンダルでもあります。

ビーチサンダルと違って鼻緒がすっぽ抜けることもありませんし、底が厚手なので履き心地もよく、何より浴衣にもデニムにも似合う万能さ。


きっと寺院なんかでは結構需要があったんだろうなぁ、と想像を膨らませておりました。


その万年履。
なんと、2016年に「限定商品」として復刻します。

その名も「信貴6030 インジェクションアッパー」

雪駄メーカー「丸宗」さんがニシベケミカルとコラボして、アッパーがニシベソールが丸宗という形で信貴ブランドとして生まれ変わらせてくれたのです!



そして、その2016年、試験製造されたこの信貴6030を製造数の8割方販売したのがウチ、ベンサン.JPなのです!(パチパチパチ)


最初の年はメタリックが作られたのですが、たくさんのお客さんから「黒は無いんですか?」と問合せをいただいた旨を丸宗さんにお伝えしたところ、翌2017年は黒で作ってくれました。

そう、実はこの信貴6030は、丸宗さんが毎年製造する前に私にどんなカラーがいいか確認してから作ってくれているのです。


ある年は、通常の信貴とは別に

ベンサン.JP限定 白信貴

を製造してくれたことがありました。

※というか、白のソールが余ってるから作ってくれないかと依頼されたというか・・・。

白いソールの残在庫が限られていたため、作られたのが200足弱。
完全に限定の貴重品となってしまいました。


信貴6030 白(ベンサン.JP限定)


アッパーが白の信貴は他のところでも販売されましたが、全てソールが黒だったはずです。

全部真っ白というのはベンサン.JP限定商品だったんですよね~。
当時手に入れられた方はラッキーです。


そして、今年からソールの形が変わって(価格も上がって)ネイビーがラインナップに登場しました。

信貴6030 ネイビー


なお現在、信貴は毎年春になると作られる定番商品に格上げされております。

これもひとえに頑張って販売開始から2~3年の間メチャクチャ売った私のおかげと言っても過言ではないと思います。(本当)

※最初に作った年は「来年作るかどうかは今回作ってみてどのくらい売れるかで決まるんです」と言われておりました。


今アマゾンとか楽天で販売してる他の販売業者さんは信貴6030の立ち上げの時の事なんか知らないんだろうなぁ・・・。


ということで、実はすでに2021年の信貴6030がどんなモノになるかは知っております

が、絶対に誰にも教えませんので来年まで楽しみにお待ちください。w


ということで、一度は廃番になってしまった万年履ですが現在は「信貴6030」として毎年夏に活躍する大復活を遂げました。

型番が「603 ⇒ 6030」に変わったのも「引き継ぎましたぜ!感」があっていいですよね!

ということで、気分が良くなってまいりましたので(だいたひかる風)、白信貴を手持ちから数足だけマルシェルで販売することにしました。

白信貴のことを初めて知ったという方、チャンスですよん。


追記:書き忘れてましたが、信貴6030として復活したあと寺院さんから凄い需要がありました。