バスティン研究会広島

バスティン研究会広島の活動内容

室内楽・第3弾②(2016)

2016年02月29日 | 室内楽講座
多喜靖美先生による室内楽講座・第3弾2回目
2016年2月26日(金)いよ銀ビル7Fにて行われました。
バイオリンは田中郁也先生、チェロは柳橋泰志先生に演奏して頂きました



冒頭は、多喜先生が手がけられた楽譜「100のレシピ」について制作秘話を話してくださいました4月になったら、店頭に並ぶらしいのですが(まだ修正を続けられているらしいです)、もしも早く入手したい方は、東音企画のサイトで購入できます!

【クレンゲル ピアノトリオ Op.35 No.2 第1楽章】
今回、2期生の5名は全員1楽章を弾き、見開き2ページを弾いたら交代して行きました。

「1期生の先生はどういう観点で聞いている??」と発言を促されて、自分たちの経験を絡めて、2期生の先生達の演奏への気づきを上げていきました。その発言の中から多喜先生が拾い上げて下さった話と、クレンゲルのレッスンで出て来たアドバイスを記しておきたいと思います。

・長さの捉え方として、鍵盤を押えているのがその音の音価ではなく、音の響きも含めて音価としてとらえて。ポジション的に弾きにくいところを、移動のせいで音の長さが変わらないための工夫を。

・フォルテと書いてあっても、1人で出せない音量を3人で作るのか、それとも、3人で弾いて合わせた時に、ちょうどフォルテになるバランスなのか、音量を考慮して弾くように気をつけて。

・全体の音量バランスとして、ドスンという音を出さない反面、小さくまとまってしまっている音をどう出していくのか、というのは、経験を通して学んでいって。

・テンポ設定について少し話し合ってからスタート。話し合っているにもかかわらず、自分が練習してきたテンポで弾いてしまっている。

テンポをキープするということは、メトロノームとずっと合わせるのとはちょっと違う
ある時に徹底的に練習することが必要。





《アインザッツの練習》

合図の仕方にまだ慣れていないので、弦楽器の演奏者の方に、ピアニストの指先を見てもらって、アインザッツの練習をしました。

・手の動きが発音に関係する。息を吸うスピードと吐くスピードを一緒にして。
・冒頭の音からスラーでつながったメロディーを一息で。指揮者のように。
・吸うタイミングと弾くタイミングが違ってしまわないように。(準備と出てくる音の一致を。)思っている通りに音が出ているかどうか確認して。
・フォルテの音は打つんでなく、ひびかせる。

アインザッツだけでなく、曲中でも息や動きが止まってしまわないように気をつけて。
指先に体がついていくイメージで。変に他を使いすぎないで。指のお仕事は1センチだけ。指で音の向きへ行こうとしないで。そういう部分は腕で動いて。指先が鍵盤に触れ続けることは手に負担をかける。


【ハイドン Hbk.15 No.1】
1楽章から順番に弾い行きました。
全楽章において共通の課題になりそうな事を抜粋で書かせていただきます。





・(第1楽章) 左手の8分音符は、スタッカートにするのではないけれど、押さえずに響きを作って。
・ターンの際は、指が握る動作を利用して。右手の下降は握る動作、ターンの後上の音につなぐ際には、指でなく腕の動きで持って行って。
・音の高さが様々に変わってポジションの移動をする際に、腕で移動する。手は開かないで。ポイントはドラえもんの手!
「空中で形を作らない。打った後、力を残さない。」


バイオリン・ピアノのデュオ



【バッハ G線上のアリア】
・ピアノの右手はアリアになっているので、もっと歌って。思っているよりも少しだして。
・ppからpまで長く、そして、ppからpだと音量幅が狭いので、小さくなりすぎないで。
・練習の段階で、連弾にしてパート毎に弾いてみると、どのくらい出せばいいか分かりやすくなるのでオススメ。



【ドヴォルザーク ユモレスク】
Poco Lentoとあるけれど、ユモレスクの感じを出そうと思ったら、ある程度の速度が必要。
4分の2拍子の感じを出して。ゆっくり過ぎると4拍子に聞こえてしまう。
音量は出すところは出した方が良い。
ツェルニー練習曲30番の5番は2拍子で、ハネのリズムを練習できるので、オススメ。



チェロ・ピアノのデュオ
【フォーレ シチリアーノ】
・8分の6拍子が8分の3拍子になってしまわないで。
・離鍵に注意⇨右手の音形、最後の音を弱くせずに弾き切って。音がなくなる瞬間を聞いて。
・休符に挟まれた16分音符の低音部分は、動き止まってしまわないように。腕で移動して。
共演者がいなくても、ソロで弾いていても、聞き手に伝えて。
・無駄な動きを減らしていくと良い。無駄ないように効率的にやっていく。腕でやることと指でやることをしっかり分けて考えて。
やることは冷静に、心は熱く


今回も名言の数々に、感嘆いたしました
多くの学びをありがとうございます!次回がまた楽しみです



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