バスティン研究会広島

バスティン研究会広島の活動内容

室内楽講座 第4回

2014年07月04日 | 室内楽講座
2014年7月4日(金)@Yamaha 3F
今回はステップで演奏する曲を、多喜靖美先生にレッスンして頂きました。



赤とんぼ/日本の四季「秋」より
冒頭はチェロ、バイオリン、ピアノと段々に入って行くので解け合う様に入って行くと良い。弓の特性を良く感じて。(弦の特性:弓の角度を変えて毛の当たる位置を変えて音色を変えている。)
A: 右手のトレモロが入る所は、左手のメロディをしっかり出してあげる事によってテンポをキープして。
H: 曲中で広がって行く箇所になるけれど、普段のソロの音量にしてしまうと他楽器とのバランスが悪くなる。アンサンブルでは強弱を特に気をつけて。

この曲は弓のスピードがゆっくりなので、打鍵スピードも同様に。

村祭り/日本の四季「秋」より
冒頭はチェロとバイオリンのアンサンブル。
途中からピアノが入ってくる際の後打ちのスタッカートはタイミングよく入れる。
(この曲はこの後打ちの音の中に和声が入っているから)

C: dolceの指示の所は、大きなフレーズの中で分散和音の軸になる音を出してバイオリンとの調和を違和感なく。

質問:何故バイオリンやチェロはスコア譜じゃないのか?
答え:踏めくりが出来ないから


トリオ/はじめてのピアノトリオ「古典期より」

第1楽章
8分の6拍子の曲と、4分の2拍子の中の三連譜の違い。
8分の6拍子の中の3拍子の揺れ、波を感じて。速いとその波が感じにくくなってしまう。

第2楽章
次は4分の3拍子だけれども、三角形になってしまわないように。

第3楽章
全曲通してスタッカート奏が続くので、バイオリンとチェロの音の切り方を良く聞いて合わせる事。
バイオリンがレガート奏になる所は、ピアノのスタッカートが邪魔してしまわない様に。

サラバンド/ギロック

この曲は、音色を作る事とテンポを気をつけなくてはならない曲。
拍と拍の間をゆっくり動かして行き、弦の音と上手くハモらせていく事。
ピアノ独特の滑舌の良さが出てしまうと、同じ音形をレガートで弾いた時に混じらなくなってしまう。
左手の和音は、one bow(ワン・ボウ)で一小節を3分割しているように打鍵する。

楽しき農夫/ピアノ独奏曲をピアノ三重奏で①

この曲は掛け合いが多い曲なので、入るタイミングが難しい。
後打ちの8分音符・8分音符の組み合わせと。8分音符・4分音符の組み合わせでは4分音符の弾き分けをするように。
小鳥のさえずりの所では、他の楽器にも出てくる「かっこう」の音があちらこちらで鳴いている様子が出るように。


フランスの古い曲/ピアノ独奏曲をピアノ三重奏で①

こういう曲は、あまり探り合いにならないように。どのくらいのスピードで弾くのかは、他の楽器を聞いてあげて入って行く。
新しいフレーズへはブレスをしてから入って行くようにすると、速くなってしまわないで済む。
ピアノ弾きはピアノを打った後に手を上げてしまうのが癖なので、下へ向かうように。
テンポプリモでは、アウフタクトで出るバイオリンの音と同時にブレスを取ってから入ってくるとズレない。
最後のタイの音でペダルのを外すときの音が入ってしまわない様に、先にペダルを外す。

クリンゲル op.35 no.2 第1楽章
東京では1年かけて全楽章をストイックに勉強する曲。
冒頭のユニゾン:弾く前に準備をしない、鍵盤に手を構えない。
フーズの切れ目では息を吸って、間を取る事を恐れないで。
ペダルに頼った奏法にならないように。左手とチェロを良く聞いて合わせる。
全音符の所などはチェロを真似する様に、同じ様に弾くつもりで。とにかく全音符や2分音音符などの長音の時、動きを止めてしまわない様に。

クリンゲル op.35 no.2 第2楽章
この曲のテーマは「付点のリズム」
8分の6拍子のリズムの4拍目を挙げてしまうと、1つの流れにならなくなるので、ワン・ボウを意識して。(バイオリンやチェロはこの1小節をワン・ボウで奏でている)
手首を先に上げてしまうと指先で音を作れなくなるので、手首を先に上げない様に。特にフレーズの最後の音の処理の時にやり易い。手首は「ついて行く」もの。

ペダルの時に非和声音を含んでしまわないように、踏み替えるか、踏まないでおくかの工夫をする様に(テンポがゆっくりなので踏み替えられる)

弦の為の伴奏になって行く部分では、ペダルで音が全部ぼんやりしてしまわないように。踏み替えなどに気をつけて、寄り添える様に。

アルペジオでのペダル使用をする際は、使っている所と使っていない所とで差がでないように。

クリンゲル op.35 no.2 第3楽章
バイオリンとチェロがトリルで入ってくる、16分の後の長音は強くならないように。
難しいと感じる所にペダルを入れてしまわないように。
最後のカデンツの下降形や、最後のⅠの和音の8分音符にペダルを使わない方が音が合う。
16分音符の速いパッセージがずっと続くので、出て欲しくない音まで出てしまうのがこの曲の難しい部分。

クリンゲルは前回もレッスンして頂いた曲なので、より「ストイック」なレッスンとなりました

【質問タイム】
・ホールでは、信頼出来る他の人に聞いてもらって、音のバランスを決めましょう。
・低音だけが必要ではなく、大事ではあるけど、和声のバランスを良く考えて演奏した方が良い。
・ペダル使用:使わないで弾く時の音の美しさに気付く為にも、少なくしておく事は必要。室内楽に限った話でなく、ソロの時のペダルも見直すべき。
・弦の場合はボーイング(弓のup、dpwn)にとても拘る。指揮者によっては指揮者が指定する事もある。ボーイングで曲が変わってしまう程、大切なものである。弦の場合には、弓による分かり易い変化がある。ピアノもその部分を意識すると変わってくる。
・色んな関節は軽く曲がっているのが自然だけど、手首だけは真っすぐになっている状態が一番自然。手首は指先がやろうしている動作に、電車の連結部分の様に、ついて行くだけ

講座後の多喜先生とVn.の田中先生の演奏は「チャルダッシュ」でした!
この雨の日に、憂いがあって、ぴったりでした
いつもはトリオが多いので、デュオを聴けてまた一味違ってステキです~


次回は、講座のシリーズラスト9月27日(土)です。
是非、聴講にいらして下さい!
9月28日にはステップが待ち構えています。みなさん、まだまだブラッシュアップ出来る!と多喜先生からもお言葉を頂いたので、頑張りましょう
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2 コメント

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すごーい (福井)
2014-07-08 17:33:14
今西先生凄くわかりやすくて室内楽の様子が伝わります!
自分の曲以外も参考になりました*\(^o^)/*
しかも写真付き(≧∇≦)
記者の域ですね^_^
ありがとうございますU+2665U+FE0F
返信する
要約できるように… (今西)
2014-07-18 15:23:03
福井先生、ありがとうございます!
しかーし、今後の課題は要約です!
良い写真はO先生のです!O先生の写真はプロ級です
返信する

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