日々の日本舞踊

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長唄「静と知盛」とは_その2

2017-09-07 19:19:12 | 日本舞踊 坂東流 坂東三津五郎
急___知盛の怨霊
いよいよ後ジテ、知盛の怨霊の出です。
早笛、太鼓で花道から登場し、名乗りを上げます。壇ノ浦で入水して果てた知盛の霊、長刀を小脇に抱えて髪を振り乱し、凄まじい形相で、荒れ狂う海の中から浮かび出て、平家を亡ぼした義経に襲い掛かる場面です。
義経に近付き、おそろしい怨霊の動きになります。
しかし義経は少しも騒がず刀を手に渡り合いますが、弁慶は刀では叶うまじと、数珠を激しく揉み、必死に祈ります。
やがて知盛の霊は花道へ押し戻され、次第に遠く去っていく様を見せながら揚げ幕へ引っ込み、幕切れとなります。

《知盛—歌詞》
〽️一門の月卿雲霞の如く、浪に浮びて見えたるぞや
『抑々これは桓武天皇九代の後胤、平の知盛幽霊なり
『あら珍らしや如何に義経、思ひもよらぬ浦浪の
〽️声を知辺に出舟の〔合〕
『知盛が沈む其の有様に
 〽️又義経をも海に沈めんと夕波に、浮べる薙刀とり直し、巴波の紋あたりを払ひ、潮を蹴立てゝあく風を吹かけ、眼もくらみ〔合〕
 〽️心も乱れて前後を忘ずる斗なり
 其の時義経少しも騒がず、打物ぬき持ち、現の人に向ふが如く、言葉をかはして戦ひ玉へば、弁慶押隔打物業にて叶ふまじと、数珠さらと押もんだり
 〽️東方降三世、南方軍陀利夜叉、西方大威徳、北方金剛夜叉明王
 中央大聖不動のざつくにかけて祈り祈られ〔合〕
 〽️悪霊次第に遠ざかれば、弁慶舟子に力を合せ
 御舟を漕のけ汀に寄すれば、尚怨霊は慕ひ来るを追払ひ、
祈退け又曳く汐にゆられ流れ、又曳く汐にゆられ流れて、跡白浪とぞ成にける
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